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イベリス

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第七十七話 夏休みの勉強その十三

「これがな」
「そうなのね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「咲もな」
「そうした人は信じないで」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「関わらないことだ」
「お友達にも持てないの」
「自分の都合で平気で裏切る奴が友達か」
 そもそもとだ、父は咲に問うた。
「どう思う、咲は」
「友達じゃないわね」
 咲も迷わず答えた。
「絶対に」
「そうだな」
「そんな人は誰もよ」
「友達になれないな」
「自分だけで人の命を何とも思わないで」
 そうしてというのだ。
「人を平気で裏切るなら」
「友達になれないな」
「そんな人は雇っても駄目で」
「友達に持っても駄目でな」
「関わってもなのね」
「駄目だ、どれだけお金や地位を持っていてもな」
 例えそうであってもというのだ。
「絶対にだ」
「関わらないことね」
「そんな馬鹿は絶対に破滅する」
「上本町の店員さんもビデオショップの店員さんも」
「さっき言った働かない恩知らずな人と同じくな」
「更正も全くしないで」
「どんなものを持っていてもな」
 金や地位をというのだ。
「使いこなすだけの頭も人格もなくてな」
「お金や地位を使うにも人格必要なのね」
「そうだ」 
 その通りだというのだ。
「そうしたものがないとな」
「使いこなせなくて」
「破滅するんだ、ギャンブルや麻薬に手を出したりしてな」
「お金なくして」
「地位も悪用してそれがばれてな」
「破滅するのね」
「そうなる、だからだ」 
 それ故にというのだ。
「そいつがどれだけのものを持っていてもな」
「一緒ね」
「ああ、そんなのはやがてだ」
「なくして」
「後にはな」
「何も残さないのね」
「あの覚醒剤で捕まった元プロ野球選手を見てみろ」
 この輩を今話しているどうにもならない連中と同列として話した。
「何十億も稼いだだろ」
「野球とかCMとかで」
「それでもな」
「もうお金ないのよね」
「自分で稼いだお金何処に行ったとか言ってたんだ」
「何処って遊びとか覚醒剤でしょ」
 咲もどうかという顔で述べた。
「そういうのに使ってね」
「なくなったな」
「一番馬鹿な使い方してね」
「そうしてなくなったな」
「そういうことなのね」
「そうだ、あんまりにも馬鹿だとな」
 それならとだ、父はまた話した。 
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