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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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壮大なる旅の世界

 
前書き
GTのことを黒歴史と呼ぶ人もいるけど、昔から観ていると結構楽しい部分もあるから好きだった。

だから知り合いが黒歴史って言う度に少し嫌な気持ちになったな…。

GTは書く予定はないけど、やっぱり好きなあの2人は出したい。 

 
精神と時の部屋で今回はピッコロを含めたサイヤ人全員で修行することになった。

ブラックフリーザと言う強敵とその修行相手のセルの存在は悟空達の修行の最高の燃料となるのは自然なことだった。

「はあっ!!」

「ずあっ!!」

ある程度出力を調整した超究極界王拳を発動した悟林と我儘の極意に変身したベジータの蹴りが激突する。

「よーし、来いおめえ達!!」

身勝手の極意“兆”に変身した悟空は超サイヤ人2DB強化のトランクスと悟天、ビースト化を果たした悟飯、オレンジピッコロと変則的な組み手を行っていた。

「父さん!フリーザはそんなに強くなっているんですか!?」

「ああ、オラが今まで見てきた連中でぶっちぎりにな。フリーザの相手をしていたセルもきっととんでもねえパワーアップをしてるはずだ。気が抜けねえな!!」

「まあ、でもいざとなったらフュージョンがあるし…」

「馬鹿者、フリーザやセルにもフュージョンは知られてるんだぞ?そんな奴らがフュージョンなんて許すと思うか?」

「ピッコロさんの言う通りだな」

悟天がいざとなればフュージョンして闘えばと言うが、フュージョンは既にフリーザとセルには知られているのでそれを許すとは思えない。

確実に妨害してくるだろう。

つまり地力を鍛えないと本当にヤバいことになる。

ブラックフリーザは万全の悟空とベジータを一蹴してしまったのだ。

あの才能の塊とも言えるフリーザとセルが10年も修行したことで、もうフルパワーの悟林でも敵うのか怪しい。

「さーて!行くよベジータさん!!」

「ふん、本家本元に敵うと思うなよ!!」

悟林とベジータがギャリック砲の構えを取って気を限界まで溜める。

「あ、やべえ!離れるぞおめえ達!!」

「「「は、はい!!」」」

「「ギャリック砲ーーーっ!!!」」

渾身のギャリック砲が激突し、精神と時の部屋の空間が歪み始め、上空の次元に穴が開いてしまった。

「あれ、次元に穴が開いちゃった?にしては景色がない…と言うか白?」

「…おい、待て…この気はどう言うことだ?」

「「うわあああ!?」」

「チィッ!!」

聞き覚えのありすぎる声と共に落ちてきたのは日焼けした肌と青と黄色の道着が特徴の少年。

ボサボサした髪の黒いタンクトップとズボン、袖無しジャケットを着た紫の指貫グローブと靴を身に付けた女性。

そして袖無しジャケットと赤茶色のタンクトップにジーパン、紫の指貫グローブと靴を身に付けた小柄な男。

この3人に共通しているのは尻尾が生えていることだ。

「「へっ!?」」

「な…!?」

現れた3人に悟空と悟林、ベジータは驚く。

「あれ?でけえオラがいるぞ?あー!その道着懐かしいなー!!」

「トランクスに悟天と悟飯…父さんと悟天は懐かしい道着と髪型だね」

「チッ、一体どうなってやがる…」

現れた3人も困惑しているようだ。

「とにかく状況を整理しよう父さん、お義父さん…あなた達は父さん…えっと…孫悟空、ベジータさん、悟天、トランクス…ピッコロさん、そして愚弟で良いんだよね?」

「何で僕だけ!?」

「黙っていろ悟飯。話が進まん、そうだ…お前達は俺達の世界の孫や悟林、ベジータとは少し違うようだな」

自分だけ扱いが違うことに悟飯は抗議するが、話が進まなくなるのでピッコロに止められた。

「ピッコロさん…うん…そうだね。父さんの道着と悟天の髪型からして…多分、ウーブ君と旅立つ前かな?私達は父さん達の時代から数年後の未来なんだよ…その割には私達の進んだ時間とは違うようだけどね。並行世界かな?」

落ちる際に見た悟空達の姿を見た別の世界の(GT)悟林は過去の父親達がしていない変身だったのだ。

「なあ、過去のオラ。あの変身って何だ?」

「あれか?あれは身勝手の極意ってんだ。」

「身勝手の極意?何だそれ?」

「え?」

GT悟空が身勝手の極意に首を傾げ、悟空が驚く。

「そこの俺も聞かせてもらおうか?あの変身は何だ?超サイヤ人3の出来損ないのような感じだったが」

「出来損ないだと…!?あれは我儘の極意だ…サイヤ人と破壊神の力が合わさった姿だ」

「破壊神だと…?何だそれは?」

「何…?」

GTベジータの問いに青筋を浮かべるベジータだが、真面目に答えると破壊神の単語に顔を顰めるGTベジータに驚くベジータ。

「あのー、もしかして破壊神ビルス様と天使のウイスさんとか知らないの?」

「誰それ?知らないよ」

悟林の問いに対してGT悟林の答えは即答であった。

GTベジータも知らないとなるとそちらの世界はビルスとウイスと関わらなかった世界なのかもしれない。

「ってことはゴッドもブルーも知らねえのか?」

「何だそれ?オラがなれんのは超サイヤ人4までだぞ」

「「「超サイヤ人4?」」」

「大猿になれる超サイヤ人が黄金の大猿となり、理性を取り戻すことで変身出来る究極の超サイヤ人だ。変身のベクトルは今までの超サイヤ人とは違うが、便宜上超サイヤ人4と呼んでいる」

聞いたこともない超サイヤ人に悟空達が首を傾げ、GTベジータが説明してくれた。

「なるほど、神の気を使って変身するゴッドとブルーとは違って、超サイヤ人4は大猿の力を使った変身と言うことか」

「おめえ…大猿になって平気だったんか?」

「へへ、まあ、最初は大暴れしちまったみてえだけど。悟林達のおかげでオラは大猿を克服出来たんだ!」

祖父の悟飯を殺してしまった忌まわしい変身である大猿。

エリートでもない純血サイヤ人の下級戦士である悟空が克服出来たのは地球での穏やかな暮らしと悟林達が何とかしてくれたのが大きい。

「そうか…まあ、変身しようにもオラには尻尾はねえしな…でも超サイヤ人4か…見てみてえな」

「へへ、じゃあ後で勝負しようぜ。オラもさっきの変身やブルーって変身にも興味あっしよ」

「本当か!?サンキュー!ところで今更だけどよおめえ、何でチビなんだ?」

「ん?ああ、オラ究極のドラゴンボールで子供に戻っちまったんだ?」

「究極のドラゴンボールだと?何だそれは?」

「究極のドラゴンボールはピッコロさんと同化する前の神様がピッコロ大魔王と分離する前に作ったドラゴンボールだよ。凄いパワーらしくてね、父さんを子供に戻したのもそのドラゴンボールの力なの」

ピッコロはGT悟空を見る。

見た目は幼いが、その体から溢れる気は自分達の知る悟空の遥か上を行っている。

その悟空の体を子供に戻せるくらいそのドラゴンボールは強力なのだろう。

「ただし、その力は強大でな。一度使うと宇宙中に散らばる上に1年以内に集めないと使った星が消滅する」

GTベジータが究極ドラゴンボールのデメリットを説明し、それを聞いた悟空達は驚く。

願いを叶える代償があまりにも大きすぎる。

「それに願いの力が強すぎるせいか超サイヤ人4にならないと大人に戻れないんだよね」

「ああ、超サイヤ人3の変身時間も滅茶苦茶短くなったし、ベビーとの闘いの時はどうなるかと思ったぞ」

「一度私達は究極のドラゴンボールを回収したんだけどベビーに使われて…責任を感じたピッコロさんは地球と運命を共にしたよ」

「ピッコロさんが!?」

「ピッコロさん、その究極のドラゴンボールはこっちにもあるんですか?」

「いや、ない。神の知識を思い出してもそんな物を創った覚えはないな」

別次元とは言え師匠の死に驚く悟飯。

トランクスはピッコロに究極ドラゴンボールの有無を確認するとこちらの世界では創られていないようだ。

「そっちのピッコロはドラゴンボールで生き返れなかったんか?」

「いや、多分生き返らせようとしても拒否したと思うし…それに、ドラゴンボールは封印した」

「え!?封印って何で?」

悟天がドラゴンボールを封印したことに驚く。

「便利な力を使おうとしたら相応の代償があるんだよ。ドラゴンボールを使いすぎたせいでドラゴンボールにマイナスエネルギーが溜まって邪悪龍が誕生したんだ」

邪悪龍についてGT悟林が説明する。

本来ドラゴンボールは7つ集めて願いを叶えると、中にあるプラスエネルギーを消費し、代わりに負のエネルギーであるマイナスエネルギーが発生する性質を持つ。

それを完全に浄化するには約100年かかるのだが、ブルマがドラゴンレーダーを開発して自分達がハイペースで乱用した結果マイナスエネルギーが蓄積して邪悪龍が誕生した。

大半は超サイヤ人4以下の敵だったが、四星龍や一星龍と言う強力な個体も存在し、一星龍に関しては超サイヤ人4では相手にならず、超サイヤ人4ゴジータや悟空が超サイヤ人4の限界を超えた状態を更に超えた状態でなければ倒せなかったレベルなのだ。

特にデンデはみんなのためにドラゴンボールの調整を定期的に行い、ドラゴンボールのスペック自体も上がっていたのも邪悪龍が強かった原因かもしれない。

「邪悪龍か…おめえ達もとんでもねえ相手と闘ってたんだな…」

目の前の小さい自分は単純な戦闘力ならば自分の遥か上を行き、超サイヤ人4もきっと強力な変身なのだろう。

そんな自分でもまるで相手にならなかった。

「…ねえ、兄ちゃん。もしかして僕達…結構ギリギリだったんじゃないの?」

「ブルマさん、小皺取りとかでドラゴンボールを何回も使ってたしな…」

ブルマのしょうもない願いでドラゴンボールを乱用されていたし、しかもデンデはドラゴンボールの大幅なアップグレードをしていた。

下手したら別次元の自分達よりも早く邪悪龍と遭遇していたかもしれない。

そう思うと頭痛やら眩暈がしてきた。

GTベジータもブルマならやりかねないと頭痛を感じた。

「盗まれないように精神と時の部屋に置いといて正解だったかもね」

ここならブルマに使われる心配はないし、下界よりはマイナスエネルギーが浄化されていくだろう。

取り敢えずこっちと向こうの差異を確認した。

ビルスとウイスを知らない。

全王も知らない。

別世界の宇宙も知らない。

ザマスの件で未来のトランクスと悟飯は来ていない。

基本的にブウを倒してからは平和。

フリーザとセルは復活していない。

とにかく簡単なことでもここまで差がある。

ベジータも別次元の話を聞いてツフル人のことを呟いた。

「それにしてもツフル人か…随分と懐かしい名が出たな」

「ベジータさん、ツフル人って何?」

「かつて俺の親父に滅ぼされた。サイヤ人を奴隷代わりにこき使っていた種族だ。惑星ベジータは元々ツフル人が暮らす星だった。だが、ベジータ王はサイヤ人を率いて奴らを滅ぼして星を自分達の物にしたんだ。」

「そのツフル人の生き残りがベビーだったんだ。みんなを操ってオラや悟林とトランクス、サダラ、ピッコロ。ウーブやブウとサタン以外は全滅だった。」

本当に酷い物だった。

家族は既に操られて目の前でGTパンが苦しみだしたかと思えば洗脳されてしまい、GTトランクスとサダラは変わり果てた家族の姿を見せつけられ、主に闘った悟空と悟林は息子や弟、孫と姪を本気で殴ると言うこれから先も絶対にしたくない闘いだった。

「まあ、界王神界で尻尾を生やして…私は大分遅れたけど大猿になった父さんの暴れた時に間に合って良かったよ」

「おめえは超サイヤ人4にならなくても強くなっちまうしなぁ」

「私は昔、大界王神様の儀式を受けたからね。尻尾を生やしたから大猿のパワーも出せるようになったみたい」

実際に老界王神の儀式は全ての力を解放する。

尻尾が生えたことで大猿になれるようになったことでその力も秘められた力として発揮出来るようになったと言うことだ。

流石に肉体の強度などは劣るものの、サイヤパワー以外の回復を受け付けるのがこのサイヤ人の潜在能力の全解放の“超究極化”の利点だ。

後にベジータは悟林から超サイヤ人4になるための尻尾を生やすための修行を精神と時の部屋で行ったらしく、コーヒー豆を挽くなんて修行で本当に生えるのか疑問だったが本当に生えてしまったらしい。

後は満月の代わりにパワーボールを作って久しぶりの大猿化からの超サイヤ人4への覚醒を果たし、一星龍と闘うために超ブルーツ波発生装置で限界突破をしてベジータも最初から超フルパワーサイヤ人4の状態で一星龍に挑んだのだ。

「まあ、一星龍は本物の化け物だったから父さん達のフュージョンに期待してたんだけど…成功したけど時間切れで戻っちゃって、だから最後の賭けで私達のパワーを全て父さんに託して超サイヤ人4を進化させて一星龍を倒したんだ」

全てが終わり、最後の願いを叶えてからGT悟空達はドラゴンボールを封印する道を選び、それぞれの生活に戻ったのだ。

「まあ、大体こんな感じかな?」

「…と言うか、どの世界でも悟飯ちゃんは潜在能力を腐らせてるんだね」

こちらの悟飯よりはマシなようだが、肝心の潜在能力は安定の腐らせっぷりだったようだ。

「まあ、悟飯だしね」

究極ドラゴンボールの件があるまでは平和だったので本気で修行する機会が20年以上そちらにはなかったのだ。

寧ろGT悟飯は超サイヤ人になれつつ、同条件の悟天よりは強いのでマシと言える。

「あ、因みに私の旦那は私達とウーブ君の次に強いからね」

何やかんやGT悟林の修行相手もしてくれていたので究極ドラゴンボールを探す旅とかでは本当に頼りになった。

因みにGT17号の件も話し、蘇ったドクター・ゲロ達が造った地獄の17号とGT17号が合体して超17号となり、その強さは超サイヤ人4と超究極化の2人がかりで互角の強さだったらしい。

その際、GTクリリンの死をGT18号から聞かされ、激怒したGT悟空とGT悟林の10倍かめはめ波と超ギャリック砲のエネルギーを吸収した超17号をオーバーヒートさせて倒す寸前まで行ったのだが、超17号はGT18号を隙を突いて吸収し、更なるパワーアップをして攻撃してきた。

絶大な超パワーアップをした超17号相手に為す術なく叩きのめされ、瞬間移動さえ使用前に潰されると言う始末だ。

悟空は大猿由来の頑強な肉体、悟林は究極界王拳で何とか超17号の猛攻を耐え凌ぎ、気絶から復帰したGTベジータ達が気弾で猛攻を仕掛け、そのエネルギーを吸収させ、超17号の動きを封じることでGT悟空の超サイヤ人4状態での龍拳、そしてGT悟林の渾身の魔閃光による追撃で辛くも勝利を収めたが、超17号に吸収されたGT18号まで殺してしまい、クリリン一家はマーロンを除いて死んでしまったのだ。

「17号さんは悪くないんだ。」

「そうだな、あいつはミューとゲロの野望に利用されちまった。姉ちゃんまで巻き込んでクリリンまで殺しちまってあいつもきっと辛かったろうな」

「そっちじゃあそんなことが起きてたんですね」

トランクスが別次元で起きた悲惨な出来事に辛そうに俯く。

正直こちらはブウを倒してからも結構な災難があったが、それでも地球の犠牲を最小限に出来ていたのでそちらよりはマシだったかもしれない。

特にドラゴンボールの乱用に関してはブルマの件もあって本当に耳が痛いトランクスである。

「邪悪龍のことは俺達の世界でも起きるかは分からんが、覚えておくとしよう。」

恐らく邪悪龍に関しては現在のナメック星人は知らない可能性が高い。

恐らく知っているナメック星人達が既に死んでいるからだろう。

最長老なら知っていたのかもしれないが、ドラゴンボールを使う機会などないのだから邪悪龍の心配は基本的になかったのだろう。

しかし、これからは定期的に願いを叶えたら精神と時の部屋に放り込んで浄化作業を行った方が良いだろう。

特にブルマは要注意だ。

ベジータとGTベジータはブルマが要注意人物扱いされていることに納得はしつつも微妙な表情を浮かべていた。

「取り敢えず!折角会ったんだから勝負しない?」

「おっ!良いね」

悟林が勝負の提案をするとGT悟林が乗ってきた。

「そうだなぁ、超サイヤ人4ってのを見せてくれよ」

「おめえもさっきの変身見せてくれよ?」

「超サイヤ人4とやらの力…見せてみろ」

「良いだろう…破壊神だか何だか知らんが、究極の超サイヤ人に勝てると思うなよ」

悟空とGT悟空も乗り気のようで、ベジータとGTベジータも睨み合っている。

3人は早速別次元の自分達に相対すると究極神化と身勝手と併用した超サイヤ人ブルー、フルパワーの超サイヤ人ブルーに変身した。

「これはまた…!大した気だね…」

「ああ、あいつらオラ達より若えのによ」

「ブルーか…あんな変身があったとはな。だが所詮は不純物を取り込んだ超サイヤ人だ。純粋なサイヤパワーを見せてやる!!」

「「「はああああっ!!」」」

3人が気合を入れるとGT悟空とGTベジータは赤い体毛と長くなった黒髪。

そして赤い隈取り、赤い体毛の尻尾が特徴の超サイヤ人4に変身し、悟空とベジータの上半身の服が吹き飛んでいる。

悟林は潜在能力を解放するだけなので変化はないが放たれる気は超サイヤ人4にも劣らない。

この中で特に変化が顕著なのがGT悟空で幼かった肉体が大人に戻っている。

「こいつは凄えや…神の気でもねえのに…!」

「究極の超サイヤ人とサイヤ人の潜在能力を全て解き放った状態は伊達じゃないようだね…」

「あんな変身があったとはな…尻尾さえ残っていれば俺は…いや、俺は俺のやり方で強くなる…!」

単純なパワーアップではブルーと同等かもしれないが、基本戦闘力に差があるのでGT悟空達の戦闘力が高い。

神の気を纏う超サイヤ人に神の気を纏わない変身でここまでの域に到達する超サイヤ人4には驚きを隠せない。

しかし、大猿も超サイヤ人もサイヤ人が元々持っている能力なのでその相性は抜群であろうし、ブルーは神の気と言う本来人間が持つはずがない物を超サイヤ人に合わせた力だ。

やはり合わさる力の相性と言う点ではあちらに劣るのだろう。

「さあて、おめえ達。わりいけど超サイヤ人4になった俺達に加減は期待すんじゃねえぞ?今回はいきなり超フルパワーサイヤ人4で行くからよ。死んでも恨むんじゃねえぞ?」

GT悟空は拳を鳴らしつつ悟空らしからぬ殺気を孕んだ冷徹な声でギアを上げて先程よりも大幅に気を上げてきた。

「上等だ!手加減などしてみろそっちのカカロット、破壊してやるぞ!!」

こちらの悟空ではあり得ない純粋なサイヤ人特有の殺意にベジータは笑みを浮かべた。

「ふん、腐っても俺と言う訳か。光栄に思え!究極の超サイヤ人の力を味わえるんだからな!!」

「お義父さんったら…まあ、私達も楽しい時間を始めようじゃない」

「勿論!ねえ、お父さん?」

「おう!オラ達の知らねえ超サイヤ人…ワクワクしてきたぞ!!」

別次元同士の主力3人が激突した。

悟空の拳がGT悟空の胸に叩き込まれたのだが、GT悟空は余裕の笑みを浮かべた。

「どうしたそっちの俺?擽ってえぞ?」

「ぐっ!固えっ!!」

あまりにも頑強な肉体に殴った拳が痺れた。

何せ超サイヤ人4の肉体は格上の攻撃にも耐える程の頑丈さを誇るのだ。

並みの攻撃ではダメージも通らない。

「どうした貴様!それでも俺か!?この軟弱者が!!」

「軟弱だと!?ほざいたな!くそったれ!!」

「悔しいのなら俺にダメージを与えてみろ!くそったれ!!」

蒼神化フルパワーのベジータの攻撃でも超フルパワーサイヤ人4のGTベジータの肉体は揺らがない。

攻撃を喰らってもそのまま殴り返してくる。

「サイヤ人は小細工や特殊能力に頼らない肉体の強さが誇り…それを体現した変身か…!!」

「そうだ!貴様の不純物まみれの超サイヤ人とは違ってな!!」

「チッ!だが、この上ない修行相手でもある!ムカつくがな!!」

2人のベジータの殴り合いが続き、2人の悟林の激突も激しい。

「ぐっ!何てパワーなの!?」

「驚いたよ。まさか私より若いのにそれだけのパワーがあるなんて…でも流石の神様の力もサイヤ人の潜在パワーには敵わないかな?」

「言ったなぁ?それじゃあ界王拳で一気に決めてやる!!」

「おっ!?」

超究極界王拳で悟林はGT悟林を蹴り飛ばし、先程とは桁外れのパワーには流石の悟林もダメージを受ける。

「界王拳か!その歳でそこまで極めてるなんてね」

「当たり前でしょ?界王拳は別の世界の私より上だって自信はあるしね」

「言うじゃない、なら全力を見せてあげよう。更に…!!」

見覚えのある赤いオーラが体を淡く包んだのが見えた瞬間、悟林は弾かれていた。

「超究極界王拳…!そっちの私も極めてるってわけだ…」

「その通り、歳上を舐めないことだね」

やはり数年の差は大きいのか界王拳の練度は自分よりも遥か上を行っている。

「これは厳しいなぁ…でもだからこそ挑みがいがある!」

「流石は私だ!良く言った!!」

激突する2人の悟林の闘いは激しくなり、悟空とベジータも身勝手“兆”と我儘に変身した。

「だあっ!!」

「っ!へへ、大分強えパンチをするようになったな!ワクワクしてきたぜ!!」

“兆”の拳を頬に喰らったGT悟空はダメージを受け、悟空は初めてGT悟空にダメージを負わせたことで笑みを浮かべた。

「オラは負けねえ!」

「俺も負けねえ!強えのは俺だ!!」

「いや!オラだ!オラだ!オラだ!!」

「俺だ!俺だ!俺だ!!」

「「ええい!喧しい!!頭の悪さはどっちも同じか!!」」

下らない口論をしながら激しい攻防を繰り広げる2人の悟空に2人のベジータがツッコミながら闘いを続ける。

「ふん!超サイヤ人3の出来損ない変身かと思ったが違うようだな!!」

「サイヤ人と破壊神の力が合わさった力だ!舐めるなよ!!」

GTベジータの拳がベジータの腹にめり込み、血反吐を吐きながら呻くが次の瞬間パワーが跳ね上がる。

「っ!?」

「今の俺は…闘争心を燃やせば燃やすほど…強くなるんだよ…!!」

ベジータの拳がGTベジータの腹に叩き込まれ、GTベジータも血反吐を吐いた。

「チッ!どうやらダメージを与えれば強くなる変身らしいな…面白くなって来たぜ…だが、俺を超えるまでに貴様の体が耐えられるかな?」

「抜かせ!直ぐに追い抜いてやるぜ!!俺達は強敵と闘う度に強くなる!それが戦闘民族サイヤ人だ!!」

「そうだ!それがサイヤ人だ!!」

2人のベジータの拳が激突する。

超フルパワーサイヤ人4は超サイヤ人ブルーの上位形態に近い立ち位置なのだろう。

しかし、あの大猿の巨体を人間サイズにまで凝縮した肉体は蒼神化上位形態とは比較にならない頑丈さを持っている。

単純な身体能力と高い肉体の強度を持ち、持久力の高さと野生の勘と言うサイヤ人の強みを特化させた超サイヤ人4と未来予知の如き洞察力を持ち、相手の攻撃を捌くことに長けた超サイヤ人ブルーは同じ戦闘力なら良い勝負になったろう。

しかし、別次元の彼らは数多くの強敵と闘い、その上ドラゴンボールに頼らない生き方を決めていたこともあり、この世界の悟空達にはない覚悟があった。

経験の差とその覚悟の差が更に差を広げていく。

「はあ…はあ…おめえ、全然平気そうだな…」

「超サイヤ人4は一度変身すれば結構長え時間は変身してられるんだぜ?その代わり回復はサイヤパワーやブルーツ波がないと駄目だけどよ」

超サイヤ人4にはデメリットがあり、回復にはサイヤ人特有の気とブルーツ波が必要であり、回復手段を選ばないゴッド系列の変身とは違って他のサイヤ人との協力や満月、ブルーツ波を発生させる装置が無ければ即復帰は不可能なのだ。

「へへ…でもよ、こいつは耐えられっかな?」

「お?龍拳か、おめえも使えるんだな」

悟空が拳を構えるとGT悟空が技の名を呟く。

やはり目の前の別次元の自分も使えるようだ。

「そうだ、こいつはとんでもねえ威力だ。絶対に当ててやる」

このまま闘ってもジリ貧になるだけなので一か八かの賭けに出ようとしているが、GT悟空は不敵な笑みを浮かべた。

「当ててみろよ」

「!?お、おめえ…本気か?」

「ああ、俺は逃げも隠れもしねえ。真正面から受け止めてやるよ」

腕を組みながらGT悟空は悟空が全ての力を拳に集まるのを待つ。

「…後悔すんなよ!」

その言葉を聞いたベジータも破壊玉を作り出す。

「こいつは破壊神の技だ。こいつをまともに喰らえば人間など跡形もなく消し飛ぶぞ。いくら究極の超サイヤ人であろうと貴様にこいつを防げるか!!」

「ふん、安い挑発をしやがって。いいだろう、破壊神の技とやらを真正面から打ち破ってやるぜ。俺の最高の必殺技でな!!」

GTベジータは一瞬で片手に緑色の複数の気弾を作って1つにして凝縮する。

「みんな、賭ける気だね…なら私も!!」

「魔貫光殺砲か、受けてたつよ」 

悟林とGT悟林も額に指を当てて魔貫光殺砲の体勢を取ると気を高め始めた。

「行くぞ!龍拳ーーーっ!!」

「喰らいやがれ!!」

「魔貫光殺砲!!」

身勝手の極意“兆”の悟空、我儘の極意のベジータ、超究極界王拳の悟林が最大の技を放つ。

普通の敵なら間違いなく確殺の一撃だが、目の前の相手は自分達の遥か上の次元まで行っていた。

「はあっ!!」

「ファイナルシャインアターーーック!!!」

「魔貫光殺砲!!」

GT悟空は悟空の龍拳をノーガードで受け止め、破壊玉はGTベジータの気功波に爆砕され、魔貫光殺砲同士の激突はGT悟林が簡単に相殺した。

悟空の目の前にゴッドとは違う真紅のオーラが迸っている。

「超フルパワーサイヤ人4…限界突破だ」

「嘘…だろ…そんな世界があるなんてよ…」

「ば、馬鹿な…」

「そう、落ち込むな。貴様のレベルでこの姿を出させたことは誇るべきだ」

「まだまだ界王拳には改良の余地があるってわけだね…」

「もっと修行すればこのレベルに到達出来るよ」

別次元の自分達の規格外の戦闘力に愕然となる3人の腹に手痛い一撃が入り、通常状態に戻ってしまった。

「痛てて…くそお、参った…オラ達の完敗だ…」

「くそ…!自分自身とは言え負けるとは…!!」

「まだまだ修行不足ってわけね…」

「楽しかったぜ、そっちの俺…俺もまだ限界突破を極めてねえ、今でも長く保たねえんだ。もしお互い技を極めて、また闘えたら、またやろうぜ……さっきの激突でまた次元に穴が開いたようだ。行ってみっか」

「ああ、必ずな…おめえ達、ちゃんと帰れんのか?」

「ふん、もし違う世界だとしてもまた次元に穴を開ければ済む話だ。おい、貴様。貴様もベジータならこの程度で折れるなよ?」

「誰に向かって言ってやがる。俺はサイヤ人の王子、ベジータだ!貴様がどれだけ強かろうと俺は必ず超えて見せる!!」

「そうだ!それでいい!!」

「私も帰るよ。旦那も娘も心配してるだろうし…」

「へ?娘?」

「結婚してるんだから子供もいるに決まってるだろ。娘の名前はサダラって言うんだ。父さんが話の時に言ってたのが私と旦那の娘なんだ…そっちの若い旦那と仲良くな。じゃあな!!」

開いた次元の穴に飛び込んだ別次元の悟空達。

「…負けられねえな」

「当たり前だ!別次元の未来であろうと関係ない!必ず超えて見せる!!」

「旦那…娘……幸せなんだな、あっちの私…私も頑張ろ。色々と……あれ、みんなは?」

周囲を見渡すと悟空達の闘いの余波をまともに喰らった悟飯達が伸びており、慌てて叩き起こした。


(GT世界)


悟林がいるGT世界で、大分戦力事情が変わっている。

強さ的には悟空、ベジータ、悟林が相変わらずの主力。

嫁さんより弱いのは情けないと思っているのかトランクスが強くなっている。

究極ドラゴンボール探索編では悟空、悟林、トランクス、パン、悟林とトランクスの娘のサダラの計5名で探索。

因みにサダラの方はちゃんと両親から離れないと言う約束付きで許可が出ており、無断のパンは悟林によって頭にたんこぶの塔が出来上がり、とどめのお尻ペンペンで沈黙している。

パンは相変わらず伯母が苦手なようで、特に初期は生意気発言の度に拳骨を喰らっていた。

トランクスが鈍っていない上に娘のサダラの方も結構鍛えているのでパンがピタル星でベビーに寄生される。

救出方法はサダラが暴れるパンに莫大な気を注入して無理矢理ベビーを追い出し、パンは過剰の気の供給で気絶する。

地球にベビー襲来時はトランクスの代わりにパンが洗脳されており、ベビー側の戦力が原作より弱体化している。

ベビー戦では悟空が超サイヤ人4になるまでの流れは基本的に同じだが、悟林は尻尾を生やして強化した究極化になってベビーを撃破した。

続く超17号戦は最初から悟林が相手になっていたために悟空が来るまでの時間稼ぎは出来た。

流石の超17号も超サイヤ人4レベルの2人がかりでは分が悪く劣勢となるが18号を吸収してパワーアップして超サイヤ人4すら子供扱いするほどのパワーを誇るが、ベジータ達のサポートによって弱点を見抜かれ、悟空の龍拳と悟林の魔閃光によって消滅。

邪悪龍編では悟林がベジータの尻尾再生のための修行と超サイヤ人4覚醒のための準備をしていて参戦するのはベジータと同じく超一星龍戦。

超ブルーツ波発生装置で超フルパワーサイヤ人4に変身した悟空とベジータはフュージョン、超究極化を進化させた悟林は強化した界王拳を併用して闘う。

後にフュージョンが解けたり、消耗したりで劣勢となるが、一か八かの賭けで全てのサイヤパワーを悟空に託し、超フルパワーサイヤ人4限界突破に進化させ、最大最強の10倍かめはめ波で超一星龍を消し飛ばす。

そのため、悟空は神龍と一体化しておらず生き残っているが、ドラゴンボールの乱用の危険性を考えた悟空達はドラゴンレーダーを破棄し、ドラゴンボールを封印した。

そのうちの1つ…四星球は悟空の祖父、孫悟飯の家に隠された。


(キャラ紹介)


“サダラ”


GT世界に存在するトランクスと悟林の娘。

登場はしないが容姿は悟林そっくりで尻尾が生えている。

悟林に頼まれて名付けたのはベジータ。

サイヤ人王族として相応しい名前と言ったらサイヤ人最初の母星の名前を与えた。

両親が両親なのでGT世界では3歳でありながら超サイヤ人に変身出来る。 
 

 
後書き
トランクスってプライドが高いとこがあるから嫁さんが強かったら絶対に強くなりそう。

嫁さんより弱いってのはってドラゴンボール探しの時に悟空にちょっと呟いてたりして…。

悟林は究極化ルート続行させました。 
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