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ハッピークローバー

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第四十三話 全く以て同感その十三

「私わからないわ」
「お姉ちゃん面白くないって思ってるのね」
「実際読んでもお話繰り返しで戦闘力のインフレで」
 そのインフレがこの漫画からはじまったと言われている、スカウターのそれが果てしなく上がっていくのだ。
「引き延ばしだけで」
「面白くないのね」
「あの漫画読むの嫌で掲載誌読まなくなった人もいるそうよ」
「極端ね」
「そこまで作品としての出来はね」 
 肝心のそれはというのだ。
「もうちょっとだけ続くぞで繰り返しで」
「ずっと続いて」
「いや、本当に何処が面白いのかってね」
 その様にというのだ。
「私も読んで思ったわ」
「アニメもなのね」
「時間の無駄でしょ」
 理虹はそちらにも駄目出しをした。
「何で皆ファンアンケートに票を入れて」
「ずっと人気あったのよね」
「アニメも観てたのかね」
「わからないのね」
「最初の頃は面白かったけれど」
 それでもというのだ。
「天下一離れてから」
「ループばかりで」
「全然進まなくなったのに」
「何処が面白いか」
「もうそこがよ」
 妹に本気で話した。
「私としてはね」
「わからないのね」
「全くね」
 それこそというのだ。
「何一つよ」
「じゃあその漫画は終わって」
「早く終わらせるべきだったわね」
 終わることが作品にとって最もいいことという今話していることとはまた違うことを言うのであった。
「終わるべき時にね」
「終わらせればよかったのね」
「そうしなかったから」
 だからだというのだ。
「何処が面白いかわからない駄作にね」
「なったのね」
「人も変に長生きしたら老害になるっていうし」
「作品も面白くなくなるのね」
「延々同じ展開をだらだら引き延ばしてやるだけなら」
 それならというのだ。
「もうね」
「面白くないわね、確かに」
「それで私達のお父さんやお母さんの年代の人達なんてアンケートに面白いって入れてたか」
 だからこそ連載は続いたのである。
「それがね」
「わからないのね」
「全くね、実際読んでも全く面白くなかったから」
「どの辺りからそうなったの?」
「そうね、宇宙に出てからね」 
 それからだというのだ。
「そこからマンネリが酷くなったから」
「その頃からなの」
「せめて宇宙で終わって」
 そこでの戦いでというのだ。
「人造人間とかのお話はね」
「いらなかったのね」
「よくあれ面白いって言った人いたわ」
 理虹はこれまた本気で語った。
「逆に聞きたいわ、何処が面白かったのかって」
「単行本も凄い売れたのよね」
「お金出して読む価値もなかったでしょ」
 あまりにも面白くなく、というのだ。
「だから駄作って言われたのはね」
「漫画界に燦然と輝くって」
「当然だと思うわ」
「じゃあ今まで人気があるからって続いていたら」
「呆れてたわね」
 絶対にとだ、理虹は言い切った。 
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