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レーヴァティン

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第二百六十九話 混沌と悪意の神その三

「奴隷や低い身分の者に寛容でな」
「それが保守的な元老院に嫌われてな」
「叛乱を起こされた」
「そうだったな」
「ネロは軍隊を自分では指揮したことがなかった」 
 指揮官に命じて戦わさせることは出来たがだ。
「それが当時は致命的でだ」
「そこを衝かれてな」
「失脚して自害した」
「そうだったな」
「しかしだ、こうして見るとな」
「暴君じゃないな」
「到底な、そしてこうした邪教の場合もあれば」
 その国の時の権力者なり大勢なりから見て認められない事情がありだ。
「まさに人や世に害を為すことを目的としている」
「そうした連中もいるな」
「ラグクラフトの神々の場合はこちらだ」
「悪意に満ちた神様なんて信じてるからな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「もうな」
「そうした連中だな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「ラグクラフトの神々の信者共は」
「だから滅多にいないな」
「相当おかしくないとな」
「そんな神々信じないからな」
「そうだ、だからクトゥルフの信者はな」
「あの世界では少ないな」
「非常にな」
 こう久志に言った。
「俺達の浮島では見当たらないしな」
「幸いにしても一人もな」
「あの世界は百億近い人口がいるそうだが」
「実はな」
 久志も言った。
「クトゥルフが石に変えて海に沈めていても」
「それだけいる」
「そうらしいな」
「しかしその百億近い中でだ」
「どれだけの奴が信じているか」
 クトゥルフの神々をだ。
「数える位かもな」
「百万もいたら驚く」
 そこまでの少なさだというのだ。
「十万もいればだ」
「いい位だな」
「キチガイもああいった神々を崇拝する位ならな」
「相当なものだな」
「キチガイと言っても程度と種類がある」
 一言で済むものではないというのだ、狂人にもまたそうしたものが存在するのだ。だから精神科医も分析を行うのだ。
「そしてああした神々を信じるのならな」
「相当やばいな」
「最悪のキチガイの一つだ」 
 まさにというのだ。
「そう言っていい」
「そんな連中だな」
「だから何かをしようとするなら」
 その時はというのだ。
「それだけでだ」
「処罰しないといけないな」
「そのままテロリストだ」
「テロリストを擁護出来ないな」
「ああしたキチガイは世を滅ぼそうと企てる」
 彼等が信じる神々が悪意を以てそうせんとする様にだ。
「間違いなくな」
「だからだよな」
「若し何かしようとするならな」
 それならというのだ。 
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