恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのことその八
「完全に妖怪になっているのだ」
「その狐、最早放ってはおけぬな」
「どっからどう見ても邪悪な存在じゃねえか」
趙雲と馬超もそれぞれの槍を構えてだった。
そのうえでだ。司馬尉を囲みつつ告げるのだった。
「一対一が武人の基本だがな」
「今回ばかりはそうも言っていられないみたいだな」
「来るといいわ」
五虎将全員に囲まれる。しかしそれでもだ。
司馬尉は悠然としてだ。彼女達に告げたのである。
「魔皇帝の力、見せてあげるわ」
五人と魔狐の戦いも本格的なものになる。そして鱗は。
かつての同胞龍と闘っていた。技自体は同じだ。しかしだ。
その威力が違っていた。龍の技の前にだ。
鱗は完全に押されていた。その彼にだ。
龍はだ。侮蔑する声で言ったのだった。
「この程度か。やはりな」
「龍、その力をどうするつもりだ」
「知れたこと。俺は極限までの強さを求める」
これが龍の返答だった。
「そしてそのうえでだ」
「この世界、俺達の世界をか」
「世界なぞはどうでもいい」
それはだというのだ。
「しかしそれでもだ」
「それでもだというのか」
「俺は強くなるだけだ」
そしてその為にだというのだ。
「他の者なぞ構いはしない。それだけだ」
「それが今の貴様か」
「どうだ。この力は」
闘いながらだ。龍は鱗に問う。
「貴様も最早恐れるに足りん」
「くっ・・・・・・」
「ではだ」
龍がだ。最後の技を出そうとする。しかしだ。
ここでだ。鱗の隣にだ。彼が来た。
ケイダッシュだ。そしてマキシマもいる。二人がだ。
それぞれだ。鱗に対して言ったのである。
「よお、水臭いな」
「チームメイトに声をかけてくれないのか」
「御前達、何故」
「言った筈だぜ。仲間だってな」
「仲間ならどうあるべきか」
「仲間のピンチには颯爽と現われるものだろ」
「だからこそ来た」
それ故にだとだ。いささかキザに言う彼等だった。
その彼等はだ。今度は龍に対して言った。
「じゃあいいな」
「俺達も貴様の相手をする」
「ふん、三人でか」
「そうさ。三対一だ」
「これならどうか」
「同じだ」
三人になってもだとだ。龍は構えながら話す。
「貴様等に俺は倒せん」
「いや、それはどうか」
鱗がだ。その龍に返す。
「俺一人では貴様に勝つことは難しくともだ」
「それでもだというのか」
「三人ならば勝てる」
こう言うのだった。
「それを言っておこう」
「じゃあ行くぜ」
「いいな」
ケイダッシュとマキシマがだ。呼吸を合わせてだ。
鱗に言う。そして鱗もだ。
彼等と呼吸を合わせてだ。そうしてだった。
三人一度にだ。渾身の技を繰り出す。しかしそれは。
龍によって受けられた。彼は防いだ姿勢で凌いでいる。その彼を見てだ。
ケイダッシュはだ。笑みで彼に問うた。
「何時まで持ち堪えられるだろうな」
「くっ、この力・・・・・・」
「手前も強くなっただろうな。だがな」
「それでもだというのか」
「俺達はもっと強くなったんだよ」
「鱗、だからだ」
マキシマはその鱗に述べる。
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