愛情実証実験

　　　　　　愛情実証実験　
　森永天は某国立大学生物学部で助手を務めている、黒く長い髪の毛をウェーブをかけてセットしていて切れ長の整った目と細く長い奇麗な眉に顎が奇麗な面長の顔に形のいい鼻と紅の小さな艶やかな唇を持っている。
　背は一六五程で野暮ったい服に白衣を着ているのでわからないがスタイルはかなりいい、その彼女が学部の教授の一人である松本厚也一八〇を超える長身で四角い顔と眼鏡を持ち半分白髪の頭を真ん中で分けた筋骨隆々の彼に彼の研究室に来て話していた。
「今回の実験ではです」
「男性は女性にどうして愛情を持つ様になるかをだね」
「実証していくものですが」
「君自身が行うんだね」
「はい」
　ノーメイクのその顔で話した。
「そうしていきます」
「相手は誰かな」
「本人に内密で決めましたが」
　こう教授に話した。
「院生の国本友一君です」
「彼になんだ」
「はい、彼を実験対象として」
　そのうえでというのだ。
「私自身がです」
「行っていくんだ」
「そうしていきます」
「具体的にだね」
「そうです、ではこれからはじめますので」
　淡々として話していく。
「宜しくお願いします」
「それではね、しかしね」
　教授は天に考える顔で言った。
「科学的に実証していくとはね」
「恋愛をですか」
「それはまたね」
　考える顔で天に言うのだった。
「凄いことをするね」
「そうでしょうか」
「そう思うよ」
　実際にというのだ。
「これはね」
「これも学問です」
　天はクールな声で答えた。
「ですから」
「彼にだけ」
「そうしていき」
　そしてというのだ。
「論文も書かせてもらいます」
「そうしていくんだね」
「これから」　
　こう言ってだった。
　天は髪型はそのままであったがメイクをする様にしてだった。
　服装も変えた、これまでは野暮ったいズボンやセーターといったもので一人暮らしの部屋着でそのまま大学に来た感じだったが。
　スカートそれも膝からかなり上のタイトミニにして脚は黒ストッキングとヒールにしてだった。
　上はブラウスそれも第一ボタンを開けて鎖骨が見える様にした、そこに銀のネックレスをして首元が注目される様にしてだった。
　大学の中を歩く様にした、すると。
「あれ誰だ？」
「生物学部の森永さんだろ」
「あの人あんなに奇麗だったか？」
「あんなにスタイルよかったかしら」
「というか服装が変わり過ぎて」
「もう別人じゃない」
　大学の誰もが今の彼女を見て驚いた、だが彼女はクールなままでいて。　
　何でもないという顔でだ、国本一七六程の背で黒髪をショートにしていて眼鏡をかけていて面長目鼻立ちが整ったすらりとしたスタイルの彼に声をかける様にした。
　話すことは生物学のことだ、だが。
「あえてか」
「はい、彼の隣の席に来てです」
　天は教授にクールな顔で答えた。
「そうしてです」
「話をしているんだ」
「そうしています」
「それも毎日だね」
「彼のところに行って」
　自分からというのだ。