恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのことその一
第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのこと
森の奥での戦いのことはだ。彼等にもすぐに伝わった。それでだ。
刹那がだ。こう同志達に尋ねた。
「どうする。生き返らせるか」
「死骸だけでも使うのね」
「そうだ。そうするか」
こうだ。ミヅキにも返す。
「そうするか」
「一つの手ではあるわね」
ミヅキもだ。刹那のその考えを否定しない。
しかしすぐにだ。彼女はこう言ったのだった。
「けれど。最早ね」
「敗れたからか」
「それはあの骸の時でわかっていると思うけれど」
「一度敗れた奴はまた敗れる」
「負け犬は負け犬よ」
冷酷にだ。ミヅキは言った。
「生き返らせても。所詮はね」
「役立たずは置いておくか」
「それがいいと思うけれど」
「そうだな。ではだ」
こう話してだ。彼を傀儡として使うこともなくなった。そうしてだ。
その話からだ。彼等はだ。今度はこの話をするのだった。于吉がここで言った。
「では。次ですが」
「俺だな」
鱗にだ。外見は非常によく似た男が出て来た。しかしだ。
その全身から黒い瘴気が漂っている。その彼が言ったのである。
「俺が行きそうしてだ」
「都で暴れられますか」
「そうする」
まさにだ。そうすると于吉に述べるのだった。
そしてだ。そのうえでだった。彼はまた言った。
「この龍の力を奴等に見せる」
「そうですか。では楽しみにしています」
「それでだが」
于吉が言うとだ。今度は左慈だった。
その彼が出て来てだ。そのうえで龍に言ってきたのである。
「俺達も一緒に行っていいか」
「そうね。最近暴れていないしね」
「身体がなまってきているわね」
バイスとマチュアも出て来た。楽しげに微笑んで出て来たのだ。
そのうえでだ。こう仲間達に言ったのである。
「それなら一緒に都に行ってね」
「暴れようかしら」
「来たいなら来るといい」
龍もだ。彼等の申し出を断らなかった。
それでだ。こう彼等に告げたのだった。
「共に暴れたいのならな」
「よし、それではな」
「私達もね」
「同行させてもらうわ」
「おいおい、楽しいものになりそうだな」
社もだ。出て来て言う。
「決戦前に都に行って大暴れか」
「挨拶にはなるわね」
司馬尉もいた。彼女も実に楽しそうである。
「御葬式の前のね」
「葬式か。それなら鎮魂歌が必要になるな」
社はまた明るく言う。
「じゃあ是非共俺が行かないとな」
「いえいえ、鎮魂歌なら私です」
ゲーニッツだった。彼は人間としての仕事から言ったのである。
「彼等へのレクイエムとミサを執り行いましょう」
「そうね。人材は揃っているわ」
司馬尉はゲーニッツのその言葉を聞いてさらに楽しげな笑みになる。
そうした話をしてだった。彼等はだ。
闇の中に沈んだ。そうしてそこから動くのだった。
都に帰った劉備達はだ。再びだった。
闇の者達の行方を捜した。その結果だった。
遂にだ。北に斥侯を送っていただ。馬岱がだ。孔明に話したのだ。
「何か北の方でね」
「おかしなことがありましたか?」
「うん。北匈奴いるじゃない」
当時匈奴は南北に分裂していた。その北の者達がだというのだ。
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