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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその十二

「宜しくね」
「今時間ありますからね」
「そうなのね」
「ではまずはどちらに」
「図書館の方に行きましょう」
 こう言ってそちらに案内することにしました、二人でキャンバスの中を歩いていきます。するとでした。
 長池先輩にお会いしました、先輩の方から私に挨拶してくれました。
「ちっち、こんにちは」
「先輩こんにちは」 
 私達は笑顔で挨拶を交わしました、ですが。
 新一君はここでも先輩を物凄く不機嫌そうに見て睨みました、先輩はその新一君を見てお顔を強張らせて。
 俯いてしまいました、私はその二人を見て言いました。
「新一君、挨拶しなさいよ」
「こんな人にしませんよ」
「またそんなこと言って」
「いいから」
 先輩は暗いお顔で私に応えてくれました。
「ちっちは気にしないで、通り掛かっただけだしね」
「そうですか」
「それで今日はどうしたの?」
「実はこの子がキャンバスを案内して欲しいと言ってまして」
「それで一緒にいるのね」
「校門で会いまして」
 このこともお話しました。
「それでそこからです」
「そうなのね、じゃあ楽しんできてね」
「楽しんで、ですか?」
「ええ、そうしてきてね」
「何で楽しんでかわからないですが」
「それはね、じゃあこれでね」
「はい、また」
 長池先輩とはこの日はこれでお別れしました、ですがその間新一君はずっと長池先輩を睨んでいました。
 それで、です。先輩が去ってから言うのでした。 
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