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イベリス

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第七十五話 デモその九

「そうしたことは」
「それね、実は私達そういうのしないし」
「誰もね」
「何か危なそうだし」
「結構変な子来る可能性もあるっていうし」
「パーティーならいいけれど」
 クラスメイト達は咲にそれぞれどうかという顔になって答えた、誰も合コンには否定的であることが明らかだった。
「どうもね」
「私達はお勧め出来ないわね」
「他の出会いがいいわよ」
「ほら、運命の出会いってあるでしょ」
「クラスが一緒で仲良くなったりとか」
「部活とかでもね」
「ううん、部活は皆そういうの興味ない感じだし」
 所属している漫研の部員達をそれぞれ思い出して述べた。
「それにクラスも悪い人いないけれど」
「これはっていう人いない?」
「そうだっていうのね」
「咲っち的には」
「そうなの、それにね」
 咲はクラスメイト達と共にデザートを食べつつ話した、もう皆そろそろ食べ終えてドリンクを飲み干そうとしている。その中で言うのだった。
「失恋してそのこと周りに言われた人いるそうだし」
「ああ、神戸の本校ね」
「あっちであったことらしいわね」
「告白して振られて」
「告白する様にけしかけた友人と思った連中は自分達も言われると見て縁切ってきて」
「太ってるのに告白するなとか」
「散々言われたらしいから」
 咲はまさにその話だという顔になってクラスメイト達にさらに話した。
「そういうこと聞いたらね」
「恋愛も怖い」
「告白しても若し振られたら」
「その人散々言われて地獄見たらしいしね」
「親友の人とその後で新しく出来た本物の彼女さんに救われたらしいけれど」
「若しその人達がいなかったら」
「そのお話聞いて本当に怖いと思ったから」
 だからだというのだ。
「私としてはね」
「恋愛は怖い」
「そうした認識あるのね」
「そのお話聞くとそうよね」
「怖いって思うわよね」
「そうでしょ、振られるのも怖いけれど」
 このこと自体もというのだ。
「けれどね」
「それ以上に友達と思っていた相手に裏切られる」
「それで周りからそのことを散々言われる」
「それって怖いわよね」
「確かにね」
「深刻なトラウマになるわよ」
 それこそとだ、咲は言った。
「そんな目に遭ったら」
「そうよね」
「恋愛って本当に怖いわね」
「そうしたお話聞いたら」
「本当にね」
「だからね」
 それでというのだ。
「何処か恋愛はいいかなってね」
「思うのね」
「そうなのね」
「まあこのお話は極端だけれどね」
「若気の至りってレベルじゃないから」
「失恋のこと言う方は軽い気持ちでも」
「言われた方は凄く傷付くわよ」
 咲は眉を顰めさせて言った。 
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