ホームレスを救った犬達
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第一章
ホームレスを救った犬達
パリで銀行員をしているフランソワ=ナルテは黒髪をオールバックにしている長身ですらりとしたスタイルの初老の男だ、目はグレーで理知的な雰囲気に満ちている。
子供はもう独立していて妻のマルゴそれに白く大きなハスキーに似た外見のソラという雄犬と暮らしていて毎日ソラの散歩をしているが。
ある日のことだった。
「あっ、ソラ」
「ワンワン」
急にだった、ソラが道でテントをもうけて暮らしている髭を生やしたブロンドの髪のラフな身なりの三十歳位の男性に近寄った、それを見てだった。
「これはまずいな」
「そうね」
グレーの短い髪に青い目と面長の顔を持つ小柄な妻今日は一緒に散歩をしている彼女と一緒に困った顔になった。
「ホームレスの人みたいだけれど」
「初対面の人に近寄るなんてな」
「犬嫌いじゃなかったらいいけれど」
「そうだな」
心配してすぐにソラを追ったが。
「ワンッ」
「ああ、いい子だな」
男性は自分の前に来て尻尾を振るソラに笑って応じてだった。
彼を抱き締め頭を撫でた、夫婦はその彼を見て言った。
「いい人みたいだな」
「幸いね」
「ホームレスみたいだし」
「どんな人かと思ったら」
「ちょっと話しかけてみるか」
夫が言ってだった。
そのうえで男性に声をかけた。
「あの」
「はい、何でしょうか」
「犬お好きですか」
「ええ、まあ」
男の人は笑顔で応えた。
「そう言っていいです」
「そうですか」
「ええ、今は家も仕事もないですが」
男性はそれでもと自ら話した。
「子供の頃家に犬がいまして」
「だからですか」
「はい、好きですが」
彼はソラを撫でつつナルテに笑顔で話した。
「この子は初対面でも僕に懐いてくれますね」
「そうですね、本当に」
ナルテも応えそこに来た妻もここから彼と話した、彼はルイ=ブルームといいかつては工場で働いていたが会社が潰れ失業中とのことだった。
ソラはこの日からブルームのところに来るといつも自分から駆け寄った、それは他の犬が好きで心優しい人なら誰でもであり。
そうした人の癒しになりブルームはやがて再就職を果たし部屋にも入られたが。
ナルテにだ、両方が決まった時に連絡先を渡して彼に申し出た。
「これから一週間に一度でも」
「ソラとですね」
「はい、お会いして宜しいでしょうか」
「勿論です」
これがナルテの返事だった。
「では私も連絡先をお話しますので」
「これからもですね」
「ソラに会ってあげて下さい」
「それでは、彼は僕が辛かった時癒してくれた友人ですから」
ホームレスだった時にというのだ。
「これからもです」
「友達でいてくれますか」
「ソラがいいのなら」
「ソラがそう言う筈がないですから」
「それでは」
「はい、どうぞ」
笑顔でやり取りをしてだった。
ブルームは仕事と部屋を得てからもソラと定期的に会って親睦を深めた、フランスのパリでの話である。
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