真剣に遊ぶ
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第二章
「間違ってもな」
「だから散歩も連れて行ってるな」
「毎日二回な、そしてだ」
「遊ばせてるな」
「ケージから出られる様にしてな」
ケージの出入り口はいつも開けられている、だからふわりは自由に出入り出来る。前の飼い主達の様に閉じ込めることはしていない。
「遊びたいならな」
「外に出てか」
「遊べる様にしているんだ」
「そうなんだな」
「人間も遊ぶことが好きなら」
それならというのだ。
「犬もだ、特に犬はな」
「身体動かすの好きだからか」
「遊ぶことが好きだ、だからな」
「遊ばせてやるべきか」
「そうだ、いい運動にもなるんだ」
今は洋介が持っているものに近寄ったり離れたり前足を出したりして猫の様にして遊んでいるふわりを見て話した。
「だから遊ばせてやるんだ」
「こうしてか」
「思う存分な」
「そうするんだな」
「ああ、いいな」
息子に強い声で告げた。
「これからもだ」
「ふわりはふわりが遊びたいだけか」
「遊ばせるんだ、ただな」
「遊ばせる時だけだな」
「そのメリハリは躾だからな」
それになるというのだ。
「それはな」
「忘れないことか」
「ああ、ふわりもう遊ぶ時間は終わったぞ」
父は息子に話してからふわり自身にも声をかけた。
「ケージに戻れ、いいな」
「ワン」
ふわりは文太の言葉に鳴いて応えた、そうしてだった。
自分からケージの中に戻って今度はその中でゆっくりしだした、洋介はそんな彼女を見つつ父に対して言った。
「遊ばせて躾もしっかりか」
「それも人間と同じか」
「躾、教育だよな」
「それも忘れないことだ」
「身体を動かさせてか」
「しっかりした子にもなってもらうんだ」
躾即ち教育も忘れずに行ってというのだ。
「いいな」
「ああ、これからもそうしていくな」
洋介は父の言葉に頷いた、そしてご飯の時間になるとふわりにご飯をあげた。ふわりは今度はご飯それに同時に与えられた水を嬉しそうに飲んで食べて楽しんだ。
真剣に遊ぶ 完
2022・11・24
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