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第四十二話 カレーライスを食べてその二

「辛い方がいいと思って」
「食欲出るのね」
「お父さん最近食欲落ちてるからね」
「そうなの」
「ご飯食べる量が減ってるから」
「沢山食べてもらいたいからなの」
「人間食べないと駄目よ」
 母は断言した。
「だからね」
「辛いカレーにするの」
「そうよ、お父さんって辛いもの好きでしょ」
「香辛料使ったのがね」
「だから今日はカレーにして」
 そうしてというのだ。
「暫く唐辛子とか湖沼使ったね」
「辛いものにするのね」
「そうするからね」
「それで今日はカレーなのね」
「そうしたの。食べにくい時は香辛料よ」
 何といってもという口調での言葉だった。
「本当にね」
「辛いと確かに食欲出るわね」
 留奈はカレーの鍋を見つつ言った、火加減を確認している。
「唐辛子にしても胡椒にしても」
「そうでしょ」
「大蒜や生姜もね」
「どっちも使ってくわよ」
 そうしたものもというのだ。
「元気も出るしね」
「大蒜も生姜もね」
「スパゲティとか八宝菜も考えてるけれど」
「そういったのに使っていくのね」
「スパゲティのソースに大蒜沢山入れて」
 その様にしてというのだ。
「八宝菜には生姜を」
「それを沢山入れるのね」
「お野菜も沢山使ってね」
 このことも忘れないでというのだ。
「作るわよ」
「お父さんの為に」
「お父さんには元気でいてもらわないとね」
 絶対にという言葉だった。
「もっと言えば家族全員がよ」
「元気でないと駄目ね」
「それにはまず食べないとね」
 何といってもというのだ。
「駄目よ」
「だから元気が出るもの食べるのね」
「あんたも食べなさい、サラダもね」
「サラダもトマト入ってる?」
「プチトマトがね」
「それはいいわね」
 留奈は母の返事に笑顔で応えた。
「私トマト大好きだから」
「それで入れたのよ」
「有り難う、お母さん」
 母に笑顔で応えた。
「それじゃあね」
「サラダも食べるわね」
「喜んでね」
「あんたお野菜食べるから有り難いわ」
「トマト以外も?」
「ええ、お兄ちゃんもだしね」 
 留奈の兄である彼もというのだ。
「お父さんもだし」
「私蓮根苦手だけれど」
「蓮根位はいいのよ」
「そうなの」
「蓮根一つ位苦手でもね」
 そうであってもというのだ。
「別にね」
「そうなのね」
「そうよ、他のお野菜は食べるから」
 そうであるからだというのだ。 
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