ケーキはドイツ
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第二章
「イタリアだから」
「あちらのなの」
「そう、アイスもフランスと思ってた?」
「そうは思ってないけれど」
それでもと言うのだった。
「そのことも覚えておくわ」
「そうしてね」
マルグリットも笑顔で応えた、そしてだった。
瑠璃は家に帰って母の麻沙美にこのことを話した、見れば母娘でそっくりである。瑠璃がそのままクローンの様だ。
するとだ、母は娘に笑って話した。
「お菓子の家がそうでしょ」
「ヘンゼルとグレーテルの?」
「ドイツのお話でしょ」
「うん」
瑠璃はその通りだと答えた。
「そうよね」
「あのお菓子の家はチョコレートとか飴とかクッキーもあるけれど」
「ケーキよね」
「元はね」
即ち基本はというのだ。
「そうでしょ」
「そうよね」
「もうケーキがドイツ料理っていうのはよ」
「童話でもそうなのね」
「だからお母さんも知ってたわ、美味しいからといって」
そうであってもというのだ。
「フランス料理とは限らないのよ」
「そうなのね」
「それはどの国のお料理でも同じで」
母は娘にさらに話した、リビングで一緒にテレビを観ながら。
「美味しいからそうでないかとかでその国のお料理かは決まらないの」
「他のことで決まるのね」
「そうよ、その国の色々な事情で生まれて」
そうしてというのだ。
「決まっていくものだから」
「美味しいからその国のお料理とは思わないことね」
「そうよ、じゃあ今からおやつだけれど」
くすりと笑ってだ、母は娘に言った。
「そのケーキよ、瑠璃ちゃんが大好きな」
「ドイツ料理ね」
「そうよ、お母さんと一緒に食べましょう」
娘に笑顔で告げてだった。
母はそのケーキを冷蔵庫から出した、その上で一緒に美味しく食べたのだった。
ケーキはドイツ 完
2022・11・23
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