おぢばにおかえり
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第七十二話 キャンバスライフその八
「詰所で毎日会ってるのに」
「その毎日がですよ」
「そうなの」
「僕にとってはいいんですよ」
「変な子ね」
「そうですか?」
「ええ。それで今日は特に決まってないの」
新一君に聞き返しました。
「そうなのね」
「はい、これといって」
「それじゃあね」
何か気が向いて新一君にこう言いました。
「大学のキャンバス見る?」
「天理大学のですか」
「そうする?」
「案内してくれるんですか」
「新一君がよかったらね」
こう答えました。
「そうさせてもらうわ」
「じゃあお願いします」
「それじゃあね」
「はい、じゃあまずは何処に」
「何処にって言われても」
困りました、正直言いまして。
「ちょっとね」
「ないですか」
「ええ、とりあえずね」
考えながら答えました。
「大学の中に入りましょう」
「僕図書館は行きました」
「ああ、あそこね」
天理大学の図書館の蔵書はかなり多いです、何でも日本有数だとか。
「色々あるわね」
「あそこはあります」
「じゃあ食堂は?」
「あります、同曜日とか行ってますよ」
「そうなのね」
「だから少し馴染みはありますが」
それでもというのです。
「まだまだ詳しくないです」
「だからなのね」
「案内して欲しいです」
「それじゃあね、ただね」
私は新一君に言いました。
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