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オズのボームさん

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第九幕その八

「それが出来るだけでも凄いね」
「それだけ努力すればね」
 ボームさんは思いました。
「九十九パーセントを超えた分が閃きになるか」
「閃きを呼び寄せるのかな」
 モジャボロの弟さんは思いました。
「そうなのかな」
「そうだろうね、外の世界でもね」
 ボームさんはその考えを否定しませんでした。
「そしてオズの国でも」
「一パーセントの閃きは必要でも」
 ムシノスケ教授も考えました。
「それをもたらすのも努力かな」
「ぞうだね、努力はね」 
 まさにとです、魔法使いも考えました。
「しないと駄目でしてこそね」
「閃きも来るんだね、そして努力と合わさって」
 大尉は思いました。
「素晴らしいものが出来るんだね」
「そういえば何もしていなくて閃きは来ないね」 
 ジャックはこのことに気付きました。
「そのことに対してね」
「そうね、遊んでいてもその遊びに閃くのはね」
 つぎはぎ娘は自分の大好きな遊びそして歌や踊りから思いました。
「遊んでいる時よ」
「何かする、努力をしてこそ閃くものかもね。エジソンさんは苦悩の中で思って」 
 閃きの大事さをとです、ボームさんは思いました。
「発明のね」
「どうしても生み出せなくて悩んでる時だね」
 トトは思いました。
「発明王でもそんな時があったんだね」
「うん、中々これだって時がない時はね」
 ボームさんはトトに答えました。
「やっぱりね」
「あるね」
「そうした時はだよ」
「そうも思うんだね」
「どうしてもね」
「そうなんだね」
「そしてモーツァルトさん、おそらくダ=ヴィンチさんもね」
 レオナルド=ダ=ヴィンチさんです、この人も今はオズの国にいるのです。
「何かしていないと苦しかったけれど」
「それをしている時は楽しくて」
 エリカは言いました。
「苦しいとは思っていなかったのね」
「それはその人のそれぞれの心の持ち様で」
 それ次第でというのです。
「苦しいと思うか思わないかは」
「違うのね」
「そうじゃないかな」
「エジソンさんは外の世界でも凄く沢山の発明をしたけれど」 
 ハンクは思いました。
「苦悩する時もあったんだ」
「そうだろうね」
「そうなんだね」
「あまり寝ないで発明に専念していたけれどね」  
 それでもというのです。
「そんな時もあったんだろうね」
「そうだったんだね」
「あの人もね」
「気の持ち様も大事かな、しかしエジソンさんに来た閃きは多いよ」
 木挽きの馬はこのことは間違いないと言いました。
「だから外の世界でもあれだけ発明出来たんだよ」
「そのことは間違いないね」
「その努力が招いたね」
「間違いなくね」
 ボームさんははっきりと言いました。
「今お話して心から思ったよ」
「そうだね」
「だから私はいつも猫の遊びを楽しんでるのよ」
 ガラスの猫は澄ましていました、そのうえでの言葉です。 
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