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イベリス

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第七十四話 東京を巡ることその十一

「あの新聞社が受ける報いはあの程度では済みません」
「そうなるんですね」
「それだけ恐ろしいということです」
「人はですね」
「何度も申し上げますが霊は人が身体から出ただけです」
 それだけのことだというのだ。
「人は英霊にもなればです」
「怨霊にもなって」
「果ては魔王にもです」
「なるものですね」
「だからこそ最も怖いのです」
 こう咲に話した。
「まさに」
「そうなのですね」
「よく覚えておいて下さい」
「人間の怖さを」
「左様です、天使や悪魔よりも」
 今度はキリスト教の話をした。
「人間はです」
「怖いものですね」
「覚えて下さい」
「それでは」
「妖怪は愛すべき存在で人もそうなのですが」
「それと共にですね」
「恐ろしくもあります」
 そうだというのだ。
「非常に複雑な存在で」
「怖くもありますね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「よく覚えておいて下さい」
「その様に」
 咲にあらためて述べた。
「して下さい、しかし」
「しかしですか」
「あの新聞社は行いをあらためないですね」
「嘘ばかり吐いていますね」
「歩んでいるのは外道であり」
 そうした道でというのだ。
「その果てはです」
「碌なものじゃないどころか」
「最悪の結末がです」
 それはというのだ。
「彼等を待っています」
「それがこれまでの悪事の報いですか」
「そうです、靖国の件だけではないですから」
 この新聞社が犯した悪事はというのだ。
「数多くの悪事を行ってきています」
「普通の会社の比じゃないですよね」
「悪の秘密結社の様な」
 創作で出て来るこちらのレベルでというのだ。
「そうしたです」
「とんでもないところですか」
「そこまで悪事に染まっています」
「ネットでのお話は本当なんですね」
「日本のマスメディアと学校の腐敗は酷いですが」
「その中でもですか」
「あの新聞社は特にです」
 こう咲に話すのだった。
「そうした状況でずっとあります」
「自浄とかないんですね」
「日本のマスメディアと学校に最もないものです」
 自浄はというのだ。
「残念ながら」
「そうなんですね」
「はい」
「色々言われていますが」
「ネットではですね」
「本当にどうしようもない世界なんですね」
「残念ですが」 
 速水は暗い顔で答えた。
「そうした世界ということはご存知下さい」
「わかりました、絶対に入りたくないですね」
「そう思われるならそうすべきです」
 速水も止めなかった。
「腐敗しきった世界であることは事実ですから」
「だからですね」
「私も入ることはお勧めしません」
「マスコミと学校はですね」
「そうです、腐り果ててしまし」 
 そうなってというのだ。
「終戦直後にそうなり」
「今もですか」
「ずっとなのですから」
 腐敗したままだからだというのだ。
「出来るだけです」
「入らないことですね」
「それがいいです、出来れば」
「わかりました」
 咲は速水の言葉に頷き今はアルバイトに専念した、そうして仕事から多くのものを学んでいくのだった。


第七十四話   完


                     2022・8・8 
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