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実はブラック軍隊

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第二章

「それは」
「敵に地雷原でも何でも突っ込ませて」
「いや、地雷はそうしてじゃなくて」
「普通はそうするのを」
 それがというのだ。
「ソ連軍は人は幾らでもいるって考えて」
「中学生でも兵隊にするから」
「だから何でも突っ込ませて」
 そうしてというのだ。
「逃げようものなら後ろから撃ってたんだ」
「撃ち殺されたくなかったらですか」
「突っ込めってね」
「最悪ですね」
「指揮官はちょっと負けたら処刑だし」
「悪の組織みたいですね」
「そうだよ、目付役の党の政治将校も」
 その彼等もというのだ。
「ちょっと負けるか結果が出ないと」
「処刑ですか」
「そうだよ、それで無理矢理戦わせて」
 そうしてというのだ。
「幾ら死んでもいい」
「代わりは幾らでもいるですね」
「そうした考えで戦争したからだよ」
「勝てたんですか」
「二千万は死んでね」
「二千万・・・・・・」
 西田はその数に呆然となった。
「東京都の人口の倍位ですか」
「そうして勝ったんだよ、ちなみにものもね」
 物資もというのだ。
「碌になくて常に戦う」
「二十四時間ですか」
「そんな感じだよ」
「ブラック過ぎますね」
「自衛隊とどっちがいいかな」
「自衛隊です」 
 西田は真っ青な顔になって即答で返した。
「勝っても」
「それで当時のソ連皆軍隊に入れて戦わせて」 
 損害を無視してというのだ。
「沢山死んだからね」
「二千万ですね」
「二十代の男の人の九十五パーセントが死んだんだよ」
「勝っても人いないですね」
「だからそのダメージがね」 
 これがというのだ。
「後のソ連崩壊の原因になったともね」
「言われてるんですか」
「そうだよ、それならだね」
「自衛隊の方が遥かにいいですね」
「あの軍服の素材もかなり悪かったみたいだしね」
 服のそれもというのだ。
「デザインは兎も角」
「わかりました、やっぱり自衛隊ですね」
 西田は店長にこう返した、そして以後ソ連軍をいいということはなくなった。とんでもない軍隊だと言うだけで自衛隊を褒め続けたのだった。


実はブラック軍隊   完


                  2022・11・19 
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