サバサバとは何か
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第二章
「言うまでもないことで」
「そうなの」
「問題はそれを言わないことでしょ」
「言葉に出さないとなの」
「普段ね、言ったらね」
その時点でというのだ。
「言葉って返らないでしょ」
「それはね」
「言霊ってあるしね」
由紀はこの言葉も出した。
「言ったらね」
「言葉は終わりね」
「返らないし」
言ったら最後というのだ。
「力も持つから」
「それでなの」
「言ったらね」
それでというのだ。
「それで人の評価も定まるのよ」
「じゃあ私はくよくよしたこと言わないから」
「思ってもね」
それでもというのだ。
「それで普段の発言や行動がね」
「昔のことや小さいこと言わなくて」
「凄くあっさりしてるから」
だからだというのだ。
「そう言われるのよ」
「サバサバしてるの」
「そうよ」
実際にというのだ。
「それでね」
「そうなのね」
「だから染美はね」
「サバサバしてるってなの」
「言われるのよ」
そうだというのだ。
「そうなのよ」
「そういうことね」
「そう、サバサバとかいうのはね」
そうした評価はというのだ。
「結局他の人の主観よ」
「それだけのことね」
「そうよ、他の評価もね」
サバサバ以外ものというのだ。
「同じでしょ」
「そんなものね」
「もっとも主観だとね」
この場合もだ、由紀は染美に話した。
「もっと違うかもね」
「自分の自分への評価は」
「それはね、自分がそう思っても」
「他人の評価は違う」
「そうかもね、まああんたが自分をサバサバでないと思うなら」
それならと言うのだった。
「それもいいかもね」
「主観でそうなら」
「客観と別ならね、まあ主観と客観は違う」
「そういうことね」
「そうでしょ、誰でもね」
由紀はビールをジョッキで飲みつつ話した、そうしてだった。
染美は頷き他の同期と共に飲んだ、その中でそれもそうだと思った。それでだった。
もうサバサバと言われてもどうにも思わなかった、そうして仕事をしていき日常を過ごした。そのうえで結婚してだった。
子供にはくよくよすると言われた、すると笑顔でそうかもねと言った。
サバサバとは何か 完
2022・11・17
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