| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダー エターナルインフィニティ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百二十二話 エル=アラメインの勝利その七

「何度も何度も死んでよ」
「それでも挫けないから」
「そんな昴を知るとね」
「助けずにいられないんですね」
「貴方もそうでしょ」
「最初はわかりませんでした」
 エミリアはやや俯いて答えた。
「昴のことが。ですが」
「何故そうしてきたかね」
「私の為でもあったので」
 そのことを知ったからだというのだ。
「今では昴のことが」
「誰よりも大事ね」
「そう思っています」
「誰も彼を軽蔑出来ません」
 理詰夢も言うことだった。
「若し軽蔑出来るならです」
「彼を知らないわね」
「そして人間を知りません」
 理詰夢は凪に答えた。
「それなら出来ますが」
「昴と人間を知るとね」
「出来ません、一度心が折れたとしても」
 かつて彼がそうなったことも話した。
「誰が攻められるでしょうか」
「何度も否定され罵られて死んだからね」
「心も折れます」
 そうなることも当然だというのだ。
「むしろそうならない方がです」
「おかしいわね」
「私もそうなれば」
 昴の様な目に遭えばというのだ。
「いえ遥か前にです」
「心が折れるわね」
「そうなっていました」
 こう凪に話した。
「間違いなく」
「あたしもよ。とっくの昔にね」
「心が折れて」
「諦めていたわ」
「そうでしたね」
「むしろあの時点まで心が折れないでいただけでね」
「彼は立派でした」
 その時の昴、話を聞いた彼のことを思いつつ言うのだった。
「まことに」
「あそこまでなって折れなかったなんて」
 有子も言った。
「昴さんは立派です」
「そしてまた立ち向かえた」
 理詰夢は有子にも話した。
「それで何故軽蔑出来るのか」
「そうですね」
「そんな彼だからです」
「皆さん助けに行きますね」
「彼が何も言わなくても」
「その姿を見て」
「助けます」
 そうするというのだ。
「そうせずにいられまえん」
「貴女とてもいい人が傍にいるわね」
 凪はここでエミリアにこう言った。
「だからね」
「大切にしないと駄目ですね」
「ええ、そうしてあげて」
 昴、彼をというのだ。
「いいわね」
「はい」
 エミリアの返事は一言だった。
「そうしていきます」
「貴女も痛みは知っているわね」
「心のですね」
「苦労してきたでしょ」
「この髪の毛の色とハーフエルフであることに」
「それならよ」
 必ずというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧