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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その十一

「そうした手配もしていますし」
「撤退しているティムール軍も落伍は少ないですが」
「あちらも統率は取れていますが」
「オムダーマンはさらにです」
「そのティムール軍よりも上です」
 その統率能力はというのだ。
「まさかここまでとは」
「迅速なだけではありません」
「まるで大河の流れです」
「全く動じていません」
「自然な流れです」
「そうした采配です」
 進軍のそれはというのだ。
「それもシステムではなく個人の統率で行えるとは」
「自分の手足の様に」
「これでアッディーン大統領の恐ろしいところですね」
「迅速な進軍とそれを行う完璧な統率」
「このことはです」
「よく観ていきましょう」
「これからも」
 観戦武官達は口々に話した、そして。
 ある大尉が他の武官達にこんなことを言った。それは彼だけでなく他の武官達も見て考えていることだった。
「ティムール軍が第二次防衛ラインを敷くまでに」
「充分にですね」
「それを敷くまでにですね」
「ティムール軍に追いつき」
「そして攻撃に移れますね」
「この進軍速度ですと」
「そしてです」 
 大尉はさらに話した。
「またその時は」
「あの攻撃ですね」
「謎の魚雷攻撃ですね」
「それを行いますね」
「おそらくですが」
「ティムール軍の後方や側方から」
「あの攻撃を仕掛け」
 そうしてというのだ。
「ティムール軍を破りますね」
「おそらくですが」
「またあの攻撃を行いますね」
「あの攻撃は」
 大尉はさらに話した。
「まだ謎ですが」
「急に、ですからね」
「神出鬼没な攻撃で」
「何故ああした攻撃が出来るか」
「どうして行っているか」
「謎です」
「全く以て」
 他の武官達も話した。
「あれは何なのか」
「どういった攻撃か」
「今もわかりません」
「我々も」
「他国の武官達もその様ですが」
「一体どうして攻撃しているか」
「何なのでしょうか」
「わかっていることは」
 それはというと。
「魚雷を使用している」
「それだけですね」
「そのことはわかっています」
「ですがわかっていることはそれだけです」
「他のことはわかっていません」
「それも一切」
 こう話すのだった。 
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