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レーヴァティン

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第二百六十六話 東に来てその七

「それもな」
「それはいいな」
「梅干しも好きか」
「ああ、それがあるとな」
 久志は英雄に笑顔で話した。
「和食だってな」
「その様にか」
「思うんだよ、三食あってもな」 
 梅干しはというのだ。
「困らないぜ」
「そこまで好きか」
「織田信長さんだってそうだったな」
「あの人だな」
「食事の時まず梅干を食ってな」
 そうしてであったのだ。
「種を左手にぷっと吐き出して」
「受け止めてな」
「それで食ったらしいな」
「そうだな」
 実際にというのだ。
「どうやら」
「梅干しに関しては信長さんと同じなんだよ」
「三食あってもか」
「いいぜ、梅干しは」
「なら今から出そうか」
 英雄は久志の話を受けてこう申し出た。
「そうしようか」
「ああ、そこまでしなくていいさ」
「なければそれでいいか」
「それならな」
「わかった、ならな」 
 それならとだ、英雄も頷いた。そうしてだった。
 二人は仲間達と共にすき焼きそして寿司を食べはじめた、久志はまずは寿司の卵を食べてそこからだった。
 鮪や鯛を食べた、そこから。
 一旦酒を飲んですき焼きの肉をといだ卵で食べて言った。
「いやあ、本当にな」
「美味いか」
「美味いだけじゃなくてな」
 それにというのだ。
「懐かしい味だな」
「こちらの世界だとか」
「ああ、醤油の味付けがな」 
 これがとだ、すき焼きをさらに食べつつ話した。肉だけでなく葱や糸蒟蒻も実に美味そうに食べている。
「いいな」
「西の浮島ではないからな」
「ああ、東の浮島から輸入していてもな」
「貴重品でだな」
「最高級の料理の隠し味でな」
 それでというのだ。
「使う位だよ」
「そちらでも醤油はあるな」
「あるぜ、けれどな」
 それでもと言うのだった。
「しょっつるなんだよ」
「あれか」
「大豆のじゃないんだよ」
 こう英雄に話した。
「あっちじゃ魚醤って呼んでるけれどな」
「しょっつるはな」
「醤油は醤油でもな」
「また味が違う、美味いが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもだな」
「ああ、どうしてもな」
「味が違ってな」
「すき焼き等にはな」
「使うことはな」
 どうしてもというのだ。
「考えられないな」
「本当にな」
「それでだよ」
 久志はすき焼きを食べながらさらに話した。 
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