オズのボームさん
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第八幕その二
「最高のーージャックさんーーです」
「僕として最高なんだね」
「そうーーです」
「まあそれぞれの最高の状態だったらね」
木挽きの馬もピカピカです。
「いいんじゃないかな」
「そうだよね」
「つぎはぎ娘も奇麗でね」
「ガラスの猫もね」
「僕達もそうで」
「皆がね」
「あら、私は皆の中で一番だと思ってるわよ」
お風呂の後で奇麗にブラッシングしてもらっているエリカが来ました、トトもハンクもビリーナもそうしています。臆病ライオンと腹ペコタイガーもです。そのうえでそれぞれの頭や尻尾や鬣の先にリボンがあります。
「何といってもね」
「そう言うのがあんたね」
ビリーナがエリカに言ってきました。
「いつも自分が一番よね」
「猫はそうでしょ」
「そうよね」
「けれどそれはあんたもでしょ」
「私も?」
「あんたもいつも胸張ってるからね」
それでというのです。
「そうでしょ」
「そう言われるとね」
「やっぱりそうよね」
「私も今この中で私が一番決まってると思うわ」
「ほら見なさい」
「というかね」
トトは胸を張り合う二人に言ってきました、見れば彼の頭のリボンは青です。エリカはピンクでビリーナは赤です。
「別にレースでもコンテストでもないから」
「だからなの」
「そんな張り合うこともないよ」
「あら、コンテストでなくてもよ」
エリカはトトに言いました。
「別によ」
「一番だと思ってるんだ」
「私は普段から一番奇麗でね」
「皆がそれぞれの中で一番奇麗になってもなんだ」
「私が一番奇麗なんだよ」
「そういう考えなんだね」
「そういうことよ、ただ私は私でそう思っていてね」
そうしてというのです。
「皆にもそう思えとは言わないでしょ」
「思ってもいないね」
「私は私よ」
あくまでというのです。
「私がそう思っていても他の人もそう思えとはね」
「言わないね」
「決してね」
それはというのです。
「何があってもよ」
「それが君だね」
「そういうことよ」
「どう思っていても自分の中だけならいいね」
ハンクも言ってきました、彼もまた奇麗になっています。
「それで終わっているなら」
「そうでしょ」
「誰にも迷惑かけないならね」
「猫はそう思うものだしね」
腹ペコタイガーが言ってきました、お風呂のシャンプーの香りがとてもいいです。
「まあそれはね」
「別にいいね、むしろそう思わない猫なんてね」
臆病ライオンの鬣の緑のリボンがとても奇麗です。
「いないね」
「そうだね」
「僕もそれはわかるよ」
「僕達もだよ」
「何と言っても僕達もネコ科だしね」
「猫の仲間だから」
「よくわかるよ」
こうお話するのでした、お互いの間で。
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