オズのボームさん
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第七幕その十二
「奇麗にしているよ、いつもね」
「私なんか最高にお洒落でしょ」
エリカもその毛並みを誇示しています。
「白い毛はね」
「そうしたお洒落も歴史だね」
魔法使いも思うことでした。
「全く以て」
「そうよね、それで今のお話で思ったけれど」
オズマは皆のお話を聞いてから言いました。
「今度のお休みの時はファッションショーしようかしら」
「それぞれの服を着てなのね」
「それで奇麗にもしてね」
ドロシーに笑顔で応えました。
「洗ったりお風呂に入ったり磨いたりもして」
「そうしてなのね」
「それぞれがいいと思う服を着て」
そうしてというのです。
「皆で見て見せ合うことをね」
「するのね」
「どうかしら」
皆に尋ねると皆賛成でした、そしてボームさんも言いました。
「では僕もだよ」
「貴方もなのね」
「普段とは違うお洒落をね」
それをとオズマに答えました。
「そうしようか」
「いいことね、ではね」
「次の休日も楽しみにしているよ」
「今だけでなく」
「そうさせてもらうよ」
「私達四人は王女だから」
ドロシーが言いました。
「オズの国の王女の服に」
「日本や中国のものも持っているわね」
「あちらでは女帝さんや皇后さんが着る様な」
「そうした服よね」
「そうよね」
「あっ、オズの国は男性の国家元首でないので」
神宝はここでこのことに気付きました。
「皇帝の服はですね」
「皇帝と言うと男の人でしょ」
「樵さんがそうですね」
「けれどオズマは王女でね」
「言うなら女帝ですね」
「女王になるわ、王女だけれどね」
この立場でもというのです。
「国家元首として考えたら」
「オズマ姫はですね」
「女帝か女王になるから」
だからだというのです。
「そうなるのよ」
「そういうことですね」
「ええ、だからね」
オズマは笑顔でお話しました。
「そうした式典の時はね」
「龍袍ですか」
「それを着るわ」
「それで何時の時代の龍袍ですか?」
神宝はこのことを聞くことも忘れませんでした。
「中国の」
「中国は時代によって国の名前が違ったわね」
「それで皇室も」
「そうだったわね」
「ですから時代によって龍袍も違います」
「服は時代によって変わるものでもあるしね」
だから服にも歴史があるのです。
「そしてそれは龍袍もね」
「同じですよね」
「ええ、そうよ」
オズマもその通りだと答えます。
「それでそれぞれの時代の龍袍があるわ」
「そうですか」
「日本の服もそれぞれあるけれど」
礼装になるそれもというのです。
「それは中国も同じだから」
「だからですか」
「何時の時代とかはないわ」
「そうなんですね」
「それで今度の休日はね」
皆が好きな服を着て見せ合う時はというのです。
「私は宋の頃の龍袍を考えているわ」
「宋代ですか」
「ええ、そう考えているから」
「わかりました、じゃあ」
「ええ、その時を楽しみにしながらね」
「今はですね」
「お仕事を楽しみましょう」
「わかりました、休憩時間が終わったらまた」
神宝はオズマに笑顔で応えました。
「宜しくお願いします」
「皆で楽しみましょう」
オズマはレモンティーを飲みながらにこりとして応えました、お仕事の日も休日も楽しいことが続くのでした。
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