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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その三十五

「実はです」
「ややという位かな」
「標準では。血液検査でもいつも異常なしですし」
「糖尿用でも痛風でもないよ」
「そして内臓もです」
 こちらもというのだ。
「健康そのもので」
「何処も悪くないんだよ」
「左様ですね」
「これでも毎朝ジムで汗を流しているしね」
 王宮の中にあるそれでだ、これは宮中の医師に言われてそのうえで毎日そこで運動をしているのだ。
「食事もね」
「多くてもですね」
「宮中の食事だから」
 それだけにというのだ。
「栄養バランスは考えられているし」
「だからですね」
「健康にはね」
「いいものばかりで」
「そんなにね」 
 それこそというのだ。
「悪くない筈だよ」
「左様ですね」
「けれど体形がそうだと」
「無論陛下のお身体のことはです」
 健康かどうかということはだ。
「ケベック市民もわかっています」
「わかっていてだね」
「言っています」 
 デブの王様だの何だのというのだ。
「愛称の様なもので」
「どうかという愛称だね」
「ですがブルボン家のはじまりのフランスでは」
「うん、王の通称はね」
「酷いものも多いですね」
「短躯王というものもあるよ」
 カロリング朝のピピンである、父のカール=マルテルと子のシャルルマーニュは大男だったが彼はそうであったのだ。
「あの禿頭王というのもね」
「ありましたね」
「太陽王もあって」
 そのルイ十四世のものだ。
「他には美顔王というのもあるけれど」
「確かフィリップ四世ですね」
「結構な謀略家のね」
 美顔王と言われ残っている肖像画もその通りであったがその謀略や行いは随分と悪辣なものも目立った。
「そうした仇名だったよ」
「では肥満王は」
「既にあったね」
「そうでしたか」
「確かね、まあそう言われても」
 王も今は笑って話した。
「私としてはね」
「構いませんか」
「それを受けるのもね」
「王の務めですね」
「誹謗中傷には反対するけれど」
「それ位のことはですね」
「受けることもね」
 それもというのだ。
「王の度量だからね」
「だからですね」
「かつてのイギリス王も受けたね、髪の毛のことを」
「ないことをですか」
「誰だったかな、二十一世紀の」
 王はここで記憶があやふやになった、誰であったのか少し思い出せず内心戸惑うものも感じていた。
「整った顔立ちだったけれど」
「髪の毛はですか」
「二十代でどんどん進んで」
 王はあえてオブラートに包んで話した。 
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