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レーヴァティン

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第二百六十五話 西から去りその九

「野垂れ死にだ」
「そうなるな」
 耕平は英雄に応えた。
「そやから国賓になることはな」
「ない、まずな」
「なってたらその国はな」
「本当におかしいな」
「そうなってるわ」 
 まさにというのだ。
「そんな国すぐに滅びるな」
「そこまでの奴が国賓になる様に要職にいるとな」
「まあ大抵は国家元首やな」
「まともな政をしている筈がない」
「実際にな」
「そしてそうした客はな」
 あらためてそうした輩の話をした。
「間違ってもな」
「もてなしてはあかんわ」
「最悪家に居ついてな」
「好き放題やるわ」
「寄生虫の様になる」
「世の中そんな奴もおるんや」
「実際にな、流石にあいつ等は違うが」
 久志達についても話した。
「そうした奴がいるのも世の中だ」
「ほんまにな」
「そうした奴はもてなさずな」
「ぶぶつけやな」
「それだ、箒もな」
「逆さに立てて」
「追い返すことだ」
 こう言うのだった、そうしてだった。
 英雄はこう話してだ、そのうえで景色を観た。下には雲があり空は果てしなく青く拡がっている。その白と青の世界を観てだった。
 英雄はしみじみとだ、こう言った。
「いい景色だ、だが急ぐ時はな」
「その景色もな」
「楽しんではいられない」
 とてもというのだ。
「そんな時もある」
「残念なことにな」
「時間は難しい」
 こちらのことはというのだ。
「どの世界でも有限でだ」
「それでやな」
「景色もな」
「くつろいで観られる時もあればな」
「急いでな」 
 そのうえでというのだ。
「それどころではない時もある」
「そやな」
「敵が来るならな」
 それならというのだ。
「もうだ」
「急いでいられへんわ」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「だからあいつ等にもな」
「東の浮島にも来てもらうしな」
「あらゆる資源は有限だが」
「時間もやな」
「時間も資源と考えるとな」
 それならというのだ。
「そうなる」
「それでやな」
「急ぐ時はだ」
 実際にというのだ。 
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