オズのボームさん
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第七幕その三
「だからだよ」
「それでだね」
「そう、だからね」
それ故にというのです。
「忍術だってね」
「極めていて」
「凄いんだよ」
「幸村さんはいつも学問や修行をされてるんだよね」
トトは本棚を拭きつつ言いました。
「そうだよね」
「そうそう、そうしてね」
「武芸も極められたんだよね」
「十八般全てね」
「忍術だけじゃなくて」
「十勇士の人達の主君であると共にね」
「だから忍術も使えて」
臆病ライオンも言ってきました。
「壁歩きも出来るんだね」
「手裏剣も投げてむささびの術も使えるね」
腹ペコタイガーは忍術ということから思うのでした。
「水遁だけでなく五遁の術も全部」
「あの人はそうだね」
「他の武芸と一緒にね」
二匹で本を運びつつ言います、本を運ぶことも順調です。
「極めておられるんだよね」
「忍術も」
「忍者は最初オズの国にいなかったんだよね」
こう言ったのはかかしでした、奇麗にした本棚にやはり奇麗にした本をどんどん入れて収めていっています。
「そうだよね」
「そうそう、僕も最初は知らなかったよ」
樵はかかしと一緒に本棚に本を入れていきつつ言いました。
「そんな人達がいたなんてね」
「そうだよね」
「けれど来てみると」
「お侍さんもそうだけれどね」
「凄い人達だよ」
「不思議な術を一杯使える」
「仙人さんも凄いけれど」
ファイター大尉も本棚に本を入れていっています。
「中国の」
「しかし日本の忍者もね」
「かなりのものだね」
「魔法と見間違うばかりに」
「凄いものがあるよ」
「全くだよ」
大尉は言いました、ですが。
ジュリアはここで、です。こう言いました。
「外の世界での忍術は違うらしいわね」
「ええ、どうやらね」
トロットはジュリアと一緒に壁を拭いています、つぎはぎ娘の様に壁を歩いてそのうえでモップをかけています。
「水蜘蛛とかむささびとかね」
「そうした術はなくて」
「体術を使って隠れるもので」
「あんな魔法みたいなことは出来ないみたいね」
「そうなんです」
忍者のお国である日本人の恵梨香が答えました、オズの国の名誉市民の五人は今はせっせと本を奇麗にしています。
「外の世界では忍術は隠れるものなんです」
「僕達も超人みたいに思ってたんですが」
カルロスも言ってきました。
「実際はそうでした」
「確かに忍者の装束は着ていますけれど」
ナターシャはそれでもと言います。
「何メートルも飛び上がるとかもないです」
「手裏剣も何発も一度に投げられないんです」
ジョージは忍者の代名詞であるこの武器のお話をしました。
「鉄で重いですし」
「煙玉を投げてどろんと消えるなんて」
神宝はこちらのお話をしました。
「これも無理です」
「オズの国の忍者はお伽の国の忍者ね」
ベッツイは五人のお話を聞いて思いました、この娘は本棚を拭いています。
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