星河の覇皇
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第八十二部第三章 国債の発行その十四
「連合はです」
「民間を攻撃し」
「民間の施設も産業もそうし」
「インフラもですね」
「命自体も」
市民達のそれもというのだ。
「奪っていたでしょう」
「そうしていましたか」
「その場合は」
ここで二人はスパゲティを食べ終えた、そして今度はメインディッシュとなった。メインディッシュはかなり大きな牛肉のステーキだった。
ワインは赤ワインだ、ローエンハイムはその赤ワインを一口飲んでからシェリーニに対して話をした。
「合理的に考えるとですね」
「戦争は非常なものです」
「それ故に一般市民も」
「攻撃するものです」
それが戦争だとだ、シェリーニも答えた。
「そうして勝つだけでなく」
「敵も弱める」
「ただ戦争に勝つだけでなく」
「政治目的も達成しますね」
「そうするものなので」
それでというのだ。
「必要とあれば」
「連合軍もですね」
「あの長官殿も」
シェリーニはここでまた八条の名を出して語った。
「本人の好みに関わらず」
「政治的判断としてですね」
「その決断をしていたかも知れません」
「一般市民への攻撃ですか」
「それを」
まさにというのだ。
「決断してです」
「命令を下していた」
「そうかも知れません」
「それが政治であるが故に」
「そうかと、ですが結果として」
「連合は民間は攻撃しなかった」
「それも一切」
病院も攻撃しなかった、それどころか医師達が捕虜となったエウロパ軍人達の治療を行うことを許した。
「そしてです」
「そのことがですね」
「今の復興から発展にです」
「間違いなく続いていますね」
「このことは連合の甘さですが」
「その甘さはですね」
「憎いまでに連合を高潔な国とです」
エウロパから見れば面白くないことにというのだ。
「評価させています」
「歴史にですね」
「後世の歴史家達に」
「一般市民を攻撃しなかったことが」
まさにこのこと自体がというのだ。
「そうかと」
「それは」
ここまで聞いてだ、ローエンハイムはフォークとナイフを使ってステーキを食べつつその顔を少し歪めさせた。
そうしてだ、こう言ったのだった。
「エウロパの者としては」
「癪ですね」
「どうも」
それはというのだった。
「このことは」
「ですが」
「現実としてですね」
「彼等は見せました」
「文明国の在り方を」
「バイキングやモンゴル帝国の様なことはせず」
それは決してだというのだ。
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