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オズのボームさん

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第六幕その二

「それが今のオズの国に大きな影響を与えてるのよね」
「私とも出会ってね」
「私ともね」 
 エリカとビリーナも言ってきました。
「お陰で私達今オズの国にいてね」
「何かと動いてね」
「私なんて今じゃ鶏の国の女王よ」
「私は王宮の猫よ」
「そうなったのもね」
「あんたと会ってオズの国に入ってだしね」
「ドロシーが来てだよ」
 木挽きの馬もドロシーに言います。
「オズの国は凄く変わったんだよ」
「そうよね」
「オズの国と外の世界は確かに隔絶していてね」
「殆ど影響がないわね」
「けれどドロシーが来たことはね」
 このことはというのです。
「オズの国に大きな影響を与えているよ」
「そうよね」
「私が来てもなんだよね」 
 魔法使いは少し苦笑いを浮かべて言いました。
「一時的にオズの国を治めてね」
「ええ、そうしていてね」
「ドロシーと出会ってその座を降りて外の世界に戻って」
「また来てね」
「今では本物のオズの魔法使いだよ」
「そうなったわね」
「それもこれもだよ」
 そうなったこともというのです。
「ドロシーが竜巻に逢った」
「そのことがよね」
「きっかけだよ」
「カンサスの竜巻がオズの国を変えたんだ」
「そのことは事実ね」
「そうよ、ただそれでも影響が来ることが僅かなことはね」 
 オズマが言ってきました。
「事実でオズの国の歴史とね」
「外の世界の歴史はだね」
「学問で別の分野になるわ」
 オズマはボームさんにもお話しました。
「そうなるわ」
「だからこの本達はね」
「ええ、他の場所にね」
「おいて整頓しましょう」
「それではね」
 ボームさんはオズマに頷いて応えました。
「そうしましょう」
「そういうことでね」
「こっちには平家物語と太平記があるわね」 
 つぎはぎ娘はその二つの書を見付けました。
「これも歴史の本ね」
「いや、どちらも正確には歴史の本じゃないよ」
 ボームさんはつぎはぎ娘にこう言いました。
「残念だけれどね」
「そうなの?」
「軍記ものといってね」
 そう分類される本だというのです。
「事実を元に創作されたものなんだ」
「歴史小説みたいなの?」
「そうなんだ」
「そうだったのね」
「そう、だからね」
「歴史の本にはならないのね」
「歴史を元にしていてもね」
 それでもというのです。
「また違うんだ」
「そうなのね」
「三国志演義もなんですよね」 
 神宝が言ってきました。
「実は」
「ああ、あの本も事実とはかなり違うんだよね」
 ジョージは神宝のその言葉に応えました。 
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