レーヴァティン
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第二百六十四話 神託に頼るその十二
「移動の術で行くなら一瞬だからな」
「そうだよな」
「だからだ」
「ここはか」
「お前等もな」
「東の浮島に行くべきか」
「そうすればお前等が移動の術で東の浮島に行く時にな」
まさにその時にというのだ。
「軍勢もだ」
「あいつ等を率いていたら行けるな」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「是非だ」
「一度東の浮島に行くべきだな」
「そうすれば海の魔神が攻めてきてもな」
「お互いに助けることが出来るな」
「即座に軍勢を派遣することもしてな」
そうもしてというのだ。
「そうなるからな」
「だからだな」
「ここはだ」
是非というのだ。
「お前等も来い」
「そうするな」
「今度はすき焼きを食わせてやる」
「それならこっちはステーキを食わせてやろうか」
「それならもう食った」
英雄は表情を変えず冷静な顔と声で答えた。
「そして美味かった」
「もう食ったのかよ」
「だから馳走してくれるのならな」
「ステーキ以外のものだな」
「そうだ、しかしだ」
それでもとだ、英雄は久志に話した。
「また食えるならな」
「ステーキでもいいか」
「そもそもステーキは牛肉だけか」
起きた世界の日本では牛肉即ちビーフステーキが主流である、その為輸入肉が入っておらず牛肉が高価な時代ステーキはご馳走の代名詞だった。
「違うな」
「当たり前だよ、チキンステーキだってあるしな」
「ポークステーキもあるな」
「ラムやマトンでもな」
即ち羊肉でもというのだ。
「あるぜ」
「どれも美味いな」
「ああ、そういえばお前マトンも食うな」
「二人で旅をしていた時よく食っていたな」
「美味いとも言っていたな」
「実際そう思っている」
食べてみてというのだ。
「マトンもな」
「匂いは強いけれどな」
「その匂いがだ」
まさにそれがというのだ。
「俺としてはな」
「好きか」
「むしろな」
「それ起きた世界だとな」
「日本ではな」
「どうもな」
「あの匂いが駄目だって言うな」
「俺は違う」
久志にこう言って断った。
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