ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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次世代のフュージョン編
第87話
前書き
言うまでもありませんが、劇場版最強のフュージョンのゴテンクスバージョンです。
Z劇場版の中でもこの作品が一番好きなんですよね、あの世の親世代と現世の次世代の融合した最強の2人が2つの世界を守る感じが…最近は本当に親世代ばかりだから…
ベジータは修行の仕上げのためにビルスの星に向かう前に朝食を摂っていた。
目の前には美味しそうに焼かれた肉があり、ベジータはそれをフォークで刺すと頬張った。
美味い。
地球に来るまでは異星人の肉やら栄養補給のための食事しかしてこなかったが、地球に来てからは数々の美食を食べて舌が肥えたベジータですらこの焼き加減と味付けは唸らざるを得ない。
トランクスも美味しそうに食べており、朝食にしてはボリュームがありすぎな料理の数々にブルマも呆れつつも食事に手を伸ばしていた。
「うーん、美味しい!流石悟林ちゃんね!チチさんの手料理を食べてるみたいだわ」
「そう?口に合ったようで何よりだよ。ベジータさん、お代わりは?」
「…貰おう」
ベジータは黙々と食事をしながら朝食の用意をしてくれたいずれ息子の伴侶となるライバルの娘を見る。
惑星ベジータが健在だった頃ならば王族が最下級戦士の娘を娶るのは余程のことがない限りは有り得なかっただろう。
しかし、今ではとうの昔に忌まわしい怨敵に母星は破壊されており、純血のサイヤ人が数えられる程度くらいしか生き残っておらず、しかも女性がいないこともあり、サイヤ人の血を濃く引くのは悟林くらいしかいない。
悟林は最下級戦士の血筋であることを除けば高い戦闘力と気の強さもあって間違いなくサイヤ人の女性としては優良物件だ。
強い女をどんな手を使ってでも手に入れることはサイヤ人の男の誉れだった。
しかし、修行仲間として切磋琢磨する間柄でもある悟林が自分の息子と結ばれるとは…初めて会った時はそんな繋がりを持つことになるとは微塵も思わなかった。
「でも、悟林さん。たまには悟林さんの好きな物とか作ったら良いのに…俺も父さんも食べるよ?」
食卓に並ぶのは都会に合わせた料理である。
幼い頃から悟林やチチの手料理を食べたことのあるトランクスからすればたまにはパオズ山の食材を使っても良いと思える。
「え?まあ、パオズ山の食材は味はともかく……何と言うか、パオズ山の山の幸ってゲテモノに見えるし…ブルマさんにはキツいんじゃないかな…?」
パオズ山の恵みで生まれ育った悟林は当然として、サイヤ人であるベジータや子供の頃からの付き合いであるトランクスはまだしも、生粋の地球人お嬢様であるブルマには精神的にキツい物があるだろう。
代表的な料理と言えば…。
パオズザウルスと七色イボガエルの唐揚げ
百足鰻のスープ
パオズヤモリの姿焼き
等々、味はとにかく美味だが見た目がゲテモノなので、慣れてない人にとって厳しいだろう。
「…確かに」
確かに自分達はともかくブルマがあれらを食べられるのかと思うと疑問が残る。
「ところでベジータさん、修行の仕上げを頑張ってね」
「ああ…お前は来んのか?」
「超究極界王拳の調整をするなら慣れた環境が一番だからね。こういう繊細な気のコントロールは」
「そうか…」
確かに悟林の言うことも分かる。
気のコントロールの修行は集中力が重要で、生まれた母星ほど落ち着ける場所はない。
ベジータは悟林と組み手が出来ないことを少し惜しみながら朝食を終えて準備に向かった。
「頑張って」
「ああ」
悟林もさっさと食事を終えると片付けた。
やはり幼い頃から家事を叩き込まれたからか作業が速い。
「今日も美味しかった。」
「ありがと」
「(はあ、私も近いうちにお祖母ちゃんになるのか…ベジータは孫が出来ても若いんだろうし、何とかドラゴンボールを悟林ちゃんにバレないように…)」
「ブルマさん、ドラゴンボールの下らない利用は禁止したはずだよ? 忘 れ て な い よ ね ?」
笑顔の下に恐ろしい怒気を発しながらブルマに尋ねる悟林。
「は、ははは…ドラゴンボールを変なことに使うわけないでしょ…」
この前もトランクスとのことをからかったら瞳が碧に染まり、全く笑っていない怒りの笑顔の恐ろしさを思い知らされたブルマであった。
ブルマの気の強さは悟空達と言った歴戦の猛者を黙らせるが、同じく気が強く、その上腕っぷしもある悟林にはどうも勝てない。
「ごめん、全然信じられない。おかしな行動を取ったらお尻ペンペンするからね?」
「私の尊厳を壊すの止めてくれない!?」
「…ブルマさんに壊れるような尊厳なんてあったっけ?」
「よーし!悟林ちゃん!たまには女同士で腹割って話しましょうか!本当に失礼ね!そう思わないトランクス!?」
「………」
「何とか言いなさいよ!」
カプセルコーポレーションにはブルマの怒声と悟林の笑い声が響いた。
そんな平穏な時間がしばらく経つ一方、地獄の某所。
紫色の液体が溜まる年季の入ったタンクとどす黒い液体が溜まる真新しいタンクの前で、ヘッドホンをつけた若い鬼がノリ良く音楽に合わせて踊っていた。
そこに眼鏡をかけた上司らしき青鬼がやってきて、その若者を叱りつける。
「おい!タンク係…おい!タンク係っ!!」
「ん?へーい!」
「へーい!じゃないだろ!また踊りに夢中で前回みたいにタンクを爆発させてみろ、閻魔様に報告して給料下げてもらうオニ!」
どうやらこのタンクを壊した経験があるようだ。
「…これ以上給料下げられたらタダ働きになっちゃうオニ…」
この若い鬼は何度もミスをやらかして給料を下げられていたらしい。
…この鬼が仕事をクビにならないのを見ると地獄の人材難も深刻なのが分かる。
「だったら真面目に働くオニ。最近は極悪人の数が増えてきて極悪人用のタンクをフル稼動しても間に合わないオニ!今から古いタンクも出してくるから早くタンクを換えるオニ!!」
少し前まであの世にいたフリーザ、セル。
そしてつい最近はセルマックスやらモロやらモロに従っていた犯罪集団の死人の処理のせいで邪気浄化の作業は慌ただしく正に地獄のような忙しさだ。
最新型のタンクでも一度に浄化しきれない時点で最近の極悪人共が如何に恐ろしいのかが分かる。
怒りながらも慌ただしく走り去っていった青鬼に若い赤鬼は困ったように呟いた。
「あいつ、本当にお節介焼きだオニ…悪い奴じゃないんだけど…」
しかし、何度もやらかして給料が本当に僅かになってきているため、赤鬼は踊りたい欲求を我慢して全てのタンクを交換する。
爽やかな汗をかいてそれを拭いた後に再び踊り始めた。
普通ならばこれでしばらくの時間は大丈夫だっただろう。
しかし、今回は運悪くモロの魂の浄化作業の時だった。
あっという間に全てのタンクが満タンとなり、爆発した。
「へーーーいっ!?」
そして赤鬼は異形の怪物となってあの世は大混乱に陥り、閻魔大王達の奮闘も虚しく怪物が現れてからしばらくして現世に死人が蘇った。
「ありゃー」
「“ありゃー”じゃないわよー!!」
カプセルコーポレーションに死人が押し寄せてきて取り敢えずトランクスと一緒に蹴散らしながらブルマ達を安全な場所に避難させた。
「悟林さん、どういうことなんだろう?」
「んー?死人はあの世の…閻魔様の管轄だからねぇ…多分あの世でトラブルがあったんだよきっと。何なのかは知らないけど」
「姉ちゃーんっ!」
「あ、悟天」
彼女とのデートをしていたはずの悟天が慌ててやってきた。
「何事なの姉ちゃんこれ!?折角パレスちゃんと楽しくデートしてたのにいきなり死人が現れてさ!」
「そうか…大変だったな…」
自分もデートを妨害された苦い過去があるためにトランクスは悟天に同情した。
「本当だよ!デートは滅茶苦茶にされるわスマホは壊されるわで散々だよ!!まあ、超サイヤ人になってぶっ飛ばしたらパレスちゃんにメロメロになられたのは嬉しかったけど…」
「お前はブレないな本当」
自分の気持ちに素直すぎる悟天にトランクスは溜め息を吐いた。
「ちゃんとパレスちゃんは避難させた?」
「勿論、安全な場所にパレスちゃんの家族も避難させたよ」
「よろしい!でも、どうしよう…お父さんがいないからあの世には行けないし…」
「何で孫君やベジータがいない時にこんなことになるのよ!フリーザとかモロとかレッドリボン軍とか!!」
「そう言えばお父さん達は変な人達と一緒に悪い奴を倒しに行ったんだったね…まあまあ落ち着きなよブルマさん。ブルマさんだって自分から危ない目に遭いたいんでしょ?だったら良かったじゃない。危ない奴らから来てくれて」
確か、グラノラとか言う奴と闘うために変な連中と共にどこかの星に行ったらしいが。
まあ、セルマックスは悟林達が楽しんだので父親達はグラノラとやらで楽しんで欲しい。
悟林なりの親孝行だ。
それにしても本当にブルマの思考は理解出来ない。
臆病な癖に妙に好奇心旺盛で危険地帯に飛び込もうとするのにこうして悟林に引っ付いてる。
「良くないわよーっ!私は安全なとこで見たいの!!悟林ちゃん!もし危なくなったら義母になる私を全力で助けなさいよ!?」
「どうしよう…一気に助けたくなくなったよ…」
「悟林さん、ごめん…母さんが…」
強烈な頭痛に襲われ、頭を抱えるトランクス。
最近はベジータもブルマの奇行に頭を痛めているのでこの苦労性はベジータの遺伝なのかもしれない。
「悟林!」
「姉さん!」
「あ、ピッコロさん!ついでに悟飯。どうしたの?」
「つ、ついで!?」
ピッコロのおまけのような扱いにショックを受ける悟飯。
しかしもう悟飯の扱いに関しては全員が慣れており、ピッコロも普通に流して会話を続ける。
「どうやら閻魔大王様の身に何かあったようだ。今から天界に向かい、あの世に向かうぞ」
「え?行けるの?」
「昔、悟空に界王様の元で修行させたりあいつを迎えに行ったのは誰だと思っている」
「あ、そう言えばピッコロさんは元神様だったね。それじゃあ私達をあの世に…」
「いや、俺は元神だ。既にあの世に行く権限はないがデンデなら行くことが出来る」
「へえ、なら話は早いね。今すぐあの世に行って問題を取り除いてこよう」
「いや、でも姉さん!死人がどんどん蘇ってこのままじゃ地球が!」
「…確かにね」
周りを見渡すとフリーザ軍の戦闘服を着た連中もいるし、確かに放置は不味い。
「取り敢えず、一度あの世に行ってみよう。あの世がどんな状況なのか見てみないと」
トランクスの提案に全員が同意すると早速天界に行き、デンデの神の権力であの世に…閻魔界に向かった。
「はい、ここが閻魔界です」
「へえ、ここが死んだ人が最初に来る所なんだ…」
「何か玉みたいなのが浮かんでるな…閻魔界ってこう言う所なの?」
「ううん、ここはここまでおかしいとこじゃなかったよ。ねえ、悟飯」
多分悟空がここにいても悟林と同じ気持ちになるはずだ。
この辺りを知るであろう弟にも尋ねる。
「いや、何で僕に聞くんですか?」
「え?だってお前も死んだことあるじゃん」
「僕は一度も死んでません!!」
「あれ?そうだっけ…とっくに何回か死んでると思ってた」
「そう言えばお前は一度も死んだことがなかったな…俺も忘れていた」
「ピッコロさんまで!?」
まさか姉だけでなく師匠にまで生死記録を忘れられていたとは思わなかった悟飯はショックを受ける。
「…うーん、おーい!閻魔大王様ーーーっ!!私の声が聞こえるーーーっ!!?助けにきたよ!!」
『おお!孫悟林か!良いところに来た!閻魔宮に結界を張られてしまったのじゃ!!』
結界に閻魔大王の顔が映り、どうしてこのような状況になったのかの事情を説明してくれた。
「よーし!閻魔大王様!今から出してあげるからね!!みんな、結界を破るよ!!」
「行くぞ!!」
悟林と悟飯の魔閃光、ピッコロの爆力魔波、悟天とトランクスのかめはめ波が同時に直撃した。
しかし、結界は壊れるどころか罅すら入らない。
「姉さん、エネルギーを吸収されています!」
「よーし!なら今度は魔貫光殺砲で…」
『全ての原因は屋根の上だ!屋根の上の奴をぶっ飛ばせ!!』
「え?」
「屋根の上の奴…?」
悟天とトランクスもかめはめ波の体勢を解いて屋根を見上げる。
「取り敢えず移動するぞ」
全員が上昇して屋根に移動すると黄色い体に黒い外郭が特徴のでかい怪物がいた。
『うわああああっ!?』
いきなりの登場に全員が驚愕する。
「うひゃあ、悟飯みたいな間の抜けた顔をした奴だねぇ」
「そうですね…って、どういう意味ですか!?」
「平和ボケしている時のお前はあのような感じだぞ」
「そ、そんなぁ…」
姉と師匠に手酷く言われている兄の姿を見て悟天は平和ボケしないようにもう少し修行しようかなとちょっぴり思った。
「で、でも…あの程度のパワーなら僕でも何とか出来ます!行くぞ!!」
潜在能力を解放すると怪物に殴りかかるが、怪物は空間に穴を開けてそこに拳を突っ込むと悟飯の背中に拳が叩き込まれ、怪物に向かって吹っ飛び、ついでにデコピンを喰らって周囲に浮かぶ玉に叩き付けられた。
「やるねぇ君…何者だい?」
「悟林、気を付けろ。奴は見かけより…」
あっさりと返り討ちにされて痛みに悶えてる悟飯を放置して悟林の興味は怪物に向けられ、ピッコロが警戒を促す。
「ジャネンバーーーーッ!!」
怪物…ジャネンバが気を解放すると全員の気が引き締まる。
「なるほど、中々強いようだね…少し本気でやらないと…」
「悟林さん!現世に死人が増え続けて地球は大混乱状態です!」
「え?もうそんなに増えちゃったの?仕方ないなぁ…悟天とトランクス君。こいつを任せていい?私はピッコロさんと一緒に現世に戻る。頼んだよ?」
「「はい!」」
「悟飯は何とか結界を壊しといて、それじゃあ…」
トランクスと悟天がジャネンバに接近すると顔面を殴り飛ばして結界の上から叩き落とした。
「よし、行くぞ悟天!」
「うん!」
「ピッコロさん、私達も現世に!」
「うむ!」
「あ、姉さん、ピッコロさん…行っちゃった」
1人閻魔界に取り残されてしまった悟飯。
途方に暮れるが、閻魔大王から一言。
『おい!孫悟飯!早くこの結界を何とかしてくれい!!頼んだぞ!!』
「えー…どうしよう…」
果たして全員で攻撃してもビクともしなかったこの結界に悟飯単独でどうにかなるのであろうか?
後書き
因みにこれはグラノラ編が並行している設定です。
因みにドラゴンボールの宇宙一強化に技による強化は含まれませんので超フルパワー究極界王拳でグラノラはあっさりと沈んでガスは灰になります。
今の悟林の究極神化はブルー進化と身勝手ブルーの段階にまで進化しているので
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