恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十八話 一同、泉で泳ぐのことその八
狼狽する顔になりだ。こう言うのだった。
「お金を賭けるのはよくないわ」
「そんなことしたら大変なことになるわよ」
「大丈夫にゃ。クラウザーさんお金は賭けないって言ってるにゃ」
「子供相手にそんなことはしないって言ってるにゃ」
「クラウザーさん嘘は吐かないにゃ」
三人は笑顔でお金の心配はないと言う。実際にだ。
クラウザーは騎士道精神の持ち主でありだ。嘘は嫌っている。確かに影の世界にいるがそれでもだ。彼は真面目な男なのである。
その彼がそう言っていると聞いてだ。孔明と鳳統もだった。
とりあえずは安心してだ。こう言うのだった。
「それじゃあ何も賭けないのなら」
「クラウザーさんいやらしい人じゃないし」
「安心するのだ」
本人がぬっと出て来た。孔明達から見れば異様なまでに大きい。
そのクラウザーがだ。こう言うのだ。
「私は子供相手に金は求めない」
「そうですよね。クラウザーさんは」
「そうした方ですよね」
「そうだ。ましてやだ」
その口髭の顔にやや不愉快なものも見せてだ。クラウザーはさらに言う。
「身体を求める様な下衆なことは断じてしない」
「何処かの変な漫画にあるみたいなですね」
「そうしたことは」
「そうだ。一切しない」
こう言うのだった。
「何があろうとだ」
「そういうことお嫌いなんですね。クラウザーさんは」
「そうなんですね」
「それは騎士道に反する」
そうした行為はだというのだ。
「だからしないのだ」
「クラウザーはいい奴にゃ」
猛獲は両手を上げ満面の笑みを浮かべて言う。
「暗黒の世界にいるかも知れないけれどいい奴にゃ」
「ただ。シュトロハイム家が代々そういう家でしたね」
「その大秦の貴族の方の裏の警護を代々務めておられる」
「表の仕事もある」
クラウザー自身がそのことも話す。
「だが主な仕事はそれなのだ。私の家はな」
「だから裏の世界にですか」
「関わっておられるのですね」
「しかし私は騎士だ」
自分でも言うのだった。
「そのことは言っておく」
「ですか。じゃあよかったら」
「一緒にお願いします」
「でははじめるとしよう」
クラウザーはトランプのカードを出してきた。その巨大な手にはあまりにも小さい。
「それでいいな」
「はい、お願いします」
「それじゃあ」
こうしてだった。二人はだ。
猛獲達と共にクラウザーとポーカーを楽しむことにした。その後でだ。
バーベキューを食べながらだ。そのポーカーのことをだ。劉備達に話すのだった。
「クラウザーさん実はですね」
「賭けごとについてはその」
「普段とは違って」
「結構」
「せこいのだ?」
張飛は直感から指摘した。黄色のビキニを着ている。
「そうなのだ?クラウザーは」
「はい、やること為すことです」
「妙にそうなんです」
「ううん、意外なのだ」
豚肉の巨大なものを頬張りながら首を捻る張飛だった。
「クラウザーはそういう奴だったのだ」
「はい、あまり上品な言葉ではないですが」
「クラウザーさんは」
「意外だな。確かに」
見事な白ビキニ姿の趙雲もクラウザーのその一面には目を少しだけ見開く。
そのうえでだ。こう言うのだった。
「何ごとにも貴族らしく大きく構えている御仁だが」
「賭けごとになるとこれがです」
「妙に小さなことにこだわって」
「勝負に出るのも妙に」
「細かいといいますか」
「あの旦那賭けごとになると性格変わるんだな」
胸がかなり露わになっている際どいだ。赤と黄色のワンピースの馬超も首を捻る。
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