オズのボームさん
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第五幕その二
「面白いんだよ」
「そうーーですーーね」
「戦争も災害もないしね」
こうした恐ろしいものもです。
「ただ悪い魔女は出たね」
「東の魔女と西の魔女だね」
臆病ライオンが応えました。
「懐かしいね」
「そうだね」
「あの頃には僅かでも悪い人もいたね」
「オズの国にはね」
「最初から悪人はいたんだ」
オズの国にもです、教授はお話しました。
「オズの国にも、けれど悪いことはしても」
「それでもなんだ」
「外の国の様に戦争や災害は起こさなかったからね」
「よかったんだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「記録も残ったんだ」
「そうしたことがなかったからだね」
「オズの国ではね」
「戦争も災害もね」
こう言ったのは臆病ライオンでした。
「物凄く嫌だよね」
「どっちも絶対に起こって欲しくないものよ」
ドロシーは厳しいお顔で応えました。
「本当にね」
「ドロシーはその災害でオズの国に来てるね」
「竜巻そして海が荒れてね」
「どちらも下手をしたらだったね」
「死ぬところだったわ」
「ええ、運がよかったわ」
その海が荒れた時にドロシーと一緒だったビリーナが言います。
「あの時はね」
「そうよね」
「あんたと一緒じゃなかったら」
ビリーナはドロシーに言いました。
「オズの国と縁があるね」
「さもないとだったのね」
「私だってどうなっていたか」
「そう言うけれど私もよ」
ドロシー自身もというのです。
「死ぬかと思ったわ」
「やっぱりそうよね」
「それだけ災害は恐ろしいものよ」
「死ぬまでのことね」
「そうよ、そして戦争も」
これもというのです。
「南北戦争のことは聞いたけれど」
「酷いものだったみたいね」
今度はエリカが応えました。
「もうアメリカが滅茶苦茶になった」
「そうなったね」
まさにというのです。
「酷い戦争だったらしいわね」
「そうよね」
「そうしたことを思うとね」
「戦争も災害もよね」
「沢山よ」
「思えば僕達が来たのも災害だしね」
ハンクも自分のことから言います。
「本当に災害も戦争もだよ」
「ないことが一番だよ、そのどちらもないからね」
モジャボロも言います。
「オズの国は尚更素敵なんだよ」
「全くだ、海は荒れないし地震も台風も噴火も落雷も火事もない」
キャプテンは具体的に挙げました。
「それで歴史も残るからいいことだよ」
「そう、だからオズのことはよくわかっているんだ」
ボームさんはまたお話しました。
「その歴史がね」
「それでその長い歴史のことがなのね」
つぎはぎ娘は陽気に応えました。
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