恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十七話 華雄、よい水着を着るのことその七
「御禁制のお薬、吸われてたんですよね」
「ですからあれは」
「安心しろ。他の者に勧めるつもりもない」
余計に話が怪しくなる。尚このことも意識してはいない。
「だがそれに博打に遊郭もだ」
「そうしたこと全てがですか」
「幻十郎さんにとっては風流なんですか」
「風流。風狂と言うか」
飲みながらだ。幻十郎は話していく。
「そうしたものだな」
「ううん、私達にはよくわからないですけれど」
「そうしたことは」
「わからなくて困るものでもない」
そうしたものでもないというのだ。
「ではだ」
「ううんと、風流ではなく風狂なんですか」
「幻十郎さんのそれは」
「そうだろうな。ではこれからもこの下らぬ世で」
何をするかというと。
「風狂に生きるとしよう」
「じゃあ俺は剣と酒に生きるか」
覇王丸は酒に酔った赤い顔で話す。
「そしてだな」
「はい、お静さんのことはです」
「絶対に果たして下さい」
孔明と鳳統はこのことには必死の顔で覇王丸に言う。
「幾ら何でも剣の為に愛は捨てないで下さい」
「それはあまりにも悲しいです」
「そうだな。あの猫耳の娘にもかなり言われてるしな」
覇王丸はここで少し困った笑顔も見せる。
「元の世界に帰ったらお静ともな」
「頑張って下さいね」
「そのことは」
こうだ。孔明と鳳統は覇王丸に強く言うのだった。食堂においてもだ。戦士達はそれぞれの生き方を語り合い時を過ごしていた。
そしてだ。華雄はというと。
彼女もまた水着を選んでいた。張遼も一緒だ。場所は服屋だ。
その中でだ。華雄は眉を顰めさせて張遼に言っていた。
「困ったな。どうもな」
「ええ水着がないんか?」
「どうも最近目立てていない」
自覚はあった。はっきりとだ。
「だからだ。いい水着を選びたいのだが」
「そうやな。うちもな」
華雄に言われてだ。張遼もだ。
困った顔になりだ。こう言うのだった。
「ええ水着がないんや。これがな」
「これはどうかという水着があってもだ」
「これや、っていう水着はないんやなこれが」
「どうしたものか」
困った顔のままでだ。華雄は言っていく。
「実は体型には自信がある」
「ああ、あんた身体の線ごっつうええで」
「だからそれなりのものを選びたいがだ」
「うちも胸には自信あるで」
張遼はさらしに巻いているその胸を華雄に誇示して言う。
「これな。そやからどんな水着でもな」
「着こなせると思っているな」
「そやから余計に困るんや」
両手の人差し指を合わせてだ。そして言うのだった。
「何を着たらええかな」
「全くだ。何がいいのだ」
二人は今真剣に困っていた。
「何を着れば。どの水着がいい」
「悩むなあ。ほんま」
「あれっ、あんた達何してるの?」
二人が困った顔でいるとだ。そこにだ。
董白が来てだ。それで二人に声をかけてきた。
「水着選んでるの?」
「あっ、これは陽殿」
「水着選んでるんかいな」
「そうよ。私はもう決まったわ」
微笑んでだ。董白は二人に話す。
「こっちはね」
「そうですか。しかし我々はです」
「これっちゅうのがなくて」
二人は困った顔だった。ここでも。
「果たして何を着ればいいのか」
「二人で話してるんや」
「それだったら選んでもらったら?」
董白は困った顔の二人にこう述べた。
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