一食浮いたを続け
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第一章
一食浮いたを続け
会社員の中川幸男の評判は悪い、外見は色白ででっぷりと太り一七六位の背で黒髪を真ん中で若手いる。目は細く豚に似ている顔立ちだ。感謝の気持ちを知らず人は利用するだけでしかも横柄な人間として知られている。
太った家鴨の様な顔で身体つきもそうだ、黒髪をセットしていていつもいい服を着て偉そうに言っているが。
「人の為には何もしないな」
「ああ、それで自分のことではへらへらして近付いてきてな」
「そうでない時は尊大だ」
「本当に嫌な奴だ」
「俺あいつ嫌いだ」
「俺もだよ」
内心彼を忌んでいた、だが中川自身はだ。
そんなことは全く気にせずそうした生き方を続けていた、何かあるとだ。
すぐにたかりかつお礼も言わない、ただ飯でも出ればだ。
いそいそとしてやって来てだった。
「おい、飯どれだけ食うんだ」
「おかずまでな」
「自分は働かないでお金も出さないで」
「やること全部人に偉そうに押し付けてか」
「どんどん大飯かっくらうか」
周りは彼の行いを見て顔を顰めさせた、兎角だった。
図々しく吝嗇で怠惰であった、その為。
彼の知人達は何時しか彼についてこう話す様になった。
「縁切りたいな」
「そうですよね」
「何しても感謝しないし」
「自分は人の為に何もしないで」
「仕事とか全部人に押し付けて」
「怠けてばかりで」
「お金借りたりただ飯食う時だけへらへらして」
こう話していった。
「お金は返さない、ただ飯は喰らうだけ」
「しまいには本借りる時人の鞄まで漁るし」
「もう嫌ですよあんな人と付き合うの」
「俺もですよ」
「何か機会あれば縁切りたいですね」
「そうですね」
こうした話をした、そしてだった。
そうした時が来る機会を待った、機会を待つとそちらからやって来るもので。
ある時だ、皆がお金を出し合って食材を買って多くの料理を作ってそれを食べるパーティーを行うことになったが。
その時にだ、話を聞いた中川も来てだった。
いつも通りただ飯を食いにかかった、彼はこの時両親に笑って話した。
「またただ飯食ってくるな」
「それで一食浮いたか」
「そうしてくるっていうのね」
「ああ、そうするな」
家を出る時笑って言うと両親は憮然とした顔で息子に言った。
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