オズのボームさん
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第四幕その二
「何があっても絵になって華があるね」
「そうだよね」
「勝っても負けてもそうだっていうチーム他にないわよ」
「素敵な選手も多いしね」
「とてもね」
「その阪神から審判の人達が来てもらってるの」
オズマがここで言いました、彼女も真っ黒のユニフォームです。
「四人ね」
「誰かな、一体」
モジャボロはオズマにそれが誰か尋ねました。
「四人というと」
「この人達よ」
オズマが手を指示した先にでした。
その人達がいました、モジャボロはその人達を見て目を丸くさせました。
「凄いね、藤村さんに村山さんに山内さんじゃないか」
「主審は監督だった野村さんだね」
弟さんはその人に特に驚いています。
「最近オズの国に来てくれた人だけれど」
「この人達が審判を務めてくれるの」
「よろしゅう頼むな」
主審の人が笑いながら皆に言いました。
「楽しくやろうな」
「こちらこそお願いするよ、いや凄いメンバーだよ」
かかしも驚きを隠せないでいます、お顔がぎょっとなっている位です。
「よく来てくれたよ」
「野村さんはあの街でいつも野球をしていてね」
樵も言います。
「キャッチャーとしてもバッターとしても立派だからね」
「確か四番キャッチャーで監督だったね」
ジャックも言います。
「それで杉浦さんとのバッテリーが凄いよね」
「杉浦さんもあの街におられるね」
トトはこの人のことを言いました。
「あの人も元々あの街に縁があるしね」
「そうだったよ、杉浦さんも大阪のチームにおられたからね」
神宝はトトに応えました。
「だからね」
「今はあの街でね」
「うん、楽しくね」
「野球をしているね」
「とても奇麗なアンダースローだよね」
「僕が見てもうっとりするよ」
「あたし村山さんにお会い出来て幸せよ」
つぎはぎ娘はこの偉大なピッチャーだった人を見てとても嬉しそうです。
「全力で投げるその姿勢がね」
「それはわしのやり方やからな」
「相手にいつも真っ向勝負よね」
「さもないと野球やないと思ってや」
村山さんはつぎはぎ娘に笑顔で返します。
「いつもそうしてるんや」
「誰でもよね」
「そや、もう一球一球そうして投げてな」
そのうえでというのです。
「やってくのがや」
「村山さんよね」
「外の世界でもそうしてきたしな」
「オズの国でもよね」
「そうしてるで」
「いや、審判の人達だけでも凄いよ」
大尉が見てもです。
「阪神のスターだった人ばかりでね」
「わしはあかんかったわ」
野村さんが笑って言ってきました。
「監督やったけどな」
「いやいや、後が続いてるじゃない」
ビリーナはそこを指摘しました。
「聞いてる限りだと」
「土台は築いたって言うんやな」
「そうよ、それをしたのが野村さんだからね」
それでというのです。
「凄いわよ」
「そやねんな」
「じゃあ皆で楽しみましょう」
ガラスの猫は藤村さんの傍にいます、そのうえでの言葉です。
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