おっちょこちょいのかよちゃん
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239 女帝の要塞へ
前書き
《前回》
杖の奪還に向かう途中、スターリンと交戦する事になった冬田、湘木、そして三河口。スターリンは三人を切り刻もうとギロチン、丸鋸、槍などを飛ばすが、三河口はそれに対抗すべくさりから貰った鎖鉄球で全てを薙ぎ払う。そしてスターリンを追い詰めるのだが、取り逃がしてしまった。そしてかよ子達はヴィクトリア女帝の屋敷に到着し、ヴィクトリアもまた赤軍や東アジア反日武装戦線に協力してかよ子を返り討ちにする準備をしていたのだった!!
オリジナルキャラ紹介・その21
鎌山健次郎(かまやま けんじろう)
大阪の高校二年生。初登場168話。友人の立家隆太と共に異世界の戦いに参戦する。項羽、虞美人の軍と行動を共にし、現在はありや濃藤などと共に安藤りえの救出に向かっている。風を操り、鎌鼬を起こす鎌を使って戦う。防御特化の武装の能力を所有する。好きな食べ物は串カツ、うどん。
平和主義の世界の本部の管制室。かよ子の母は娘がある区域に到達した事を確認した。
「山田かよ子君達はヴィクトリア女帝が統治する区域に入ったか」
「ええ、そうみたいね」
「でも、かなり激しい戦いになりそうね」
奈美子も懸念する。
「確かに苦戦は免れないだろう。だが、他の領土攻撃班も次々と別方向からその区域に集まってくれているから援護も多い。私も祈るよ」
「ええ」
先代の杖、護符、杯の所有者はただ杖の奪還が上手く行く事を祈る。
フローレンスは捕虜とした西川純と佐々木規夫を連れて本部へと戻る。途中で通信機より連絡が入った。
「はい、こちらフローレンスです」
『こちらイマヌエルだ。山田かよ子君達は杖を持っていると思われるヴィクトリア女帝が占領する区域に入った。他の協力者となる領土攻撃班や多くの仲間もそちらに集まっているよ』
「そうですか。上手く行きます事を祈ります」
『ああ』
(山田かよ子ちゃん達にも応援の為に連絡を入れますか・・・。本来は私も行きたいのですがこの者達を放ったらかしにします訳にもいきませんので・・・)
フローレンスは別の人物達に連絡する。
山口、川村、ヤス太郎、すみ子達組織「義元」はエレーヌやジャンヌの軍と共にある区域に到達していた。
「ここが例の『女王』が統治する区域だ」
「女王・・・」
「ヴィクトリア女帝の事ですよ。ですからかなりの強敵です」
「よし、あの山田かよ子って奴の杖がここにある訳だな」
「すごい、とても苦しくなるくらいの恐ろしさ、ね・・・」
すみ子は見聞の能力によってかなりの胸騒ぎを感じていた。
「よし、行くぞ」
その時、皆の通信機が鳴る。
一人の少女がチーターに乗りながらこの世界の男性二名と共にある地域へと辿り着いていた。
「ここね」
「ああ、そのようだ」
「そこにこの世界の最強の杖があるってわけね」
そして通信機が鳴る。
かよ子達は羽根を飛ばしてヴィクトリア女帝の館の方角へと進む。その時、通信機が鳴った。
「え?」
かよ子は通信機を取り出そうとして落としてしまった。羽根の上に落ちたので問題なかったがまたおっちょこちょいをやってしまったなと思った。
『こちらフローレンスです。この世界の最上位の杖を奪還します皆様、杖の所有者はヴィクトリア女帝の館に突入されました。かなりの激戦になりますと思われますので他の領土攻撃班の皆様、援護および共闘をよろしくお願い致します。私もそちらに向かいたかったのですが、言い訳がましいですが他の用事もありまして向かいます事はできません。しかし、皆さんのご活躍できっと取り返せますと信じております。それでは頑張ってくださいね。失礼致します』
「フローレンスさん・・・」
かよ子はフローレンスの励ましの言葉で少し気持ちを軽くする事ができたのであった。
ヴィクトリア女帝の館。側近が女王に報告する。
「女王様、大変です!杖の所有者達がアルフレートを突破し、此方に近づいてきております!それだけではなく周囲からその協力者とも思われる人物が攻め込んできている模様です!」
「何だと!?よし、決戦だ!赤軍の者も呼び警護させる。返り討ちになさい!」
「はっ!」
「あなた!」
「どうした?」
「杖の所有者や彼女らに協力する者達が我が区域に侵入してきているのよ!返り討ちにしないと」
「解った。息子や娘達も動員させよう!」
アルバートは息子や娘を呼び出し、警護および迎撃の準備を行わせた。
和光達もヴィクトリアの従者の呼び出しによって戦線に立つ。
「来たか、連中が」
「それに別の敵も攻め込んで来ているみたいね」
「追い払ってやるさ」
レーニンはスターリンと会っていた。
「それでその少年は鎖鉄球を使っていただと?」
「ああ、追い詰めるようにもそれで反撃されてしまってな、逃げるしかできなかった」
「そうか、だが、その鎖鉄球とやらをどこで手にしたというのだろうか?」
「さあ、解らん。向こうの世界の長が用意したわけでもあるまい」
「赤軍の西川純も囚われてしまっているからな。事情を聴きたいのだが、奴とアンドリューがやられた時にその者は立ち会っていたな。そこには護符の所有者もいた。護符の能力か何かであろう。確かそのものと同行しているのは・・・?」
「斧を持った少年とまだ小さい少女だ。確か羽根を持っており、以前は杯の所有者と共に行動していた」
「そうか」
今はレーニンの心の中にいる杉山は二人の会話を聞いて考察する。
(つまり三河口は武器を手に入れたって事なのか?あいつが一緒にいるのはおそらく冬田、だな・・・。あいつはりえ達を羽根に乗せてたからな)
杉山は杯の所有者を襲撃し、妲己に連れて行かせた事を思い出した。
「ところでレーニン。今杖の所有者が杖を奪い返すべくヴィクトリア女帝の本拠地に乗りこんでいるらしいが?」
「ああ、抹殺したいところではあるが、体の核として動いているこの少年が杯の所有者だった少女の祝言を来賓したいと言うのでな。そちらの方は赤軍や東アジア反日武装戦線に援護を委託している」
「ほう」
杉山は同級生でもある杖の所有者が気になった。
(あいつら、頑張っているのか・・・。だが、その杖は強くなるかもしれねえな・・・。俺がこいつが道具を全て欲しがっていたようにその能力を貰おうじゃねえか・・・)
かよ子達は遠くに巨大な西洋の城のような建物が見えた。
「あれがもしかして・・・!!」
「間違いない、ヴィクトリア女帝の館だ!」
同行しているラクシュミーが確認した。だが、その時、前方から光が見えた。そして光線が飛んできた。
「・・・な!!」
かよ子の武装の能力が無意識に発動された。
「うおっと!」
地面が燃えた。
「杖がない癖にやるな!」
「貴様、ヴィクトリア女帝からの使いだな!」
「如何にも。このパーマストン子爵が返り討ちにさせてもらう!」
パーマストン子爵の剣から光線が放たれる。かよ子はもう一度、武装の能力で跳ね返した。
「あの剣はもしかして・・・!!」
かよ子はアルフレートが持っていた短刀と似たような感じがしていた。
「あれもその短刀と似たような気配がするな・・・!」
大野が見聞の能力で感じ取っていた。
「・・・って事は私の杖の能力に似せたもの・・・!?」
かよ子は今持っているアルフレートの短刀を見る。
(・・・使ってみる?)
ラクシュミーがライフルをパーマストン子爵に発射する。だが、パーマストン子爵も剣でライフルの光線を振って消した。
「そんなものが通用するかっ!」
パーマストン子爵は更に剣から光線を発した。ラクシュミーのライフルよりも更に強力な光線だった。
「ラクシュミーはん、危ない!」
上市の手袋が光線を消した。
「ふ、その手袋をはめている時しか守れん。貴様の他の部位を狙えば死ぬという訳だな!やれ!」
「はい!」
パーマストン子爵の兵が突進する。
「と、止めないと!!」
かよ子の武装の能力が発動された。兵があっけなく吹き飛ばされる。
「邪魔だよ・・・!!」
かよ子の武装の能力が更に強く発揮される。
「・・・これが奴の武装の能力・・・!!そうか、杖を奪われた怒りが重なって危険な程強力になっているという事か!」
パーマストンは剣を振るう。大きな炎が放射される。
「お、大きい炎が来るブー!!」
「よし!」
ブー太郎は水の石の能力を使用し、椎名は水の玉で波を作って消火した。
「そう来たか!」
パーマストン子爵は鏡を出現させた。水の攻撃が反射された。
「な、こっちに跳ね返ってくるブー!!」
「う、うわあ!!」
かよ子の羽根の結界が発動した。何とか防御する。
「あの鏡が邪魔・・・!!」
かよ子は短刀を見て考える。
(この短刀、使えるかな・・・?)
後書き
次回は・・・
「ヴィクトリア軍との戦い」
パーマストン子爵と交戦するかよ子はアルフレートから奪った短刀が使用可能か試してみる事に。その短刀は果たしてかよ子に使いこなせる事はできるのか。そして杖の奪還を手助けしようとするすみ子達にも別の敵が立ちはだかる・・・!!
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