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綾小路くんがハーレムを構築する話

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綾小路くんと銭湯に行く話し。

PM7:00

すっかり日も沈んだこの時間。俺は今、銭湯に向かっている。

ここ、高度育成高等学校の学区内にはケヤキモール以外にも娯楽施設がある。その1つが銭湯だ。

かくいう俺も銭湯で疲れた心と身体を癒しに向かっている最中だ。だが……俺は『一人』でその場所に向かっている訳ではない。

そんな今の俺の状況はと言うと……

一之瀬「にゃはは♪お風呂楽しみだなぁ~♪」

櫛田「私も楽しみ~♪」

長谷部「てか、銭湯があるなんて知らなかったな~あはは。」

佐倉「確かに。私も知らなかったなぁ…」

軽井沢「おっきなお風呂に入りに行くのってテンション上がるね~♪」

松下「そうだね~。去年のクルージング以来かも!」

佐藤「ほんとほんと!」

坂柳「ふふ♪やはり、お風呂は女性の嗜みの1つですからね。そう思いません、真澄さん?」

神室「はいはい…」

椎名「皆さんでお風呂入りに行くのなんて旅行みたいで楽しいですね、伊吹さん?」

伊吹「……あたしは別にちっとも楽しくなんてないけどね。」

堀北「相変わらず、うるさいわね貴女たち。」

綾小路「……」


俺は『恵たち』と一緒に銭湯に向かっている。一番最後尾で、女性陣の後ろに着いて行ってる状態だ。


何故こんな事になってるか?それは今日の放課後まで遡るんだが……もう色々面倒なので以下略とさせて貰おう。ただ1つ言えるのは……俺には選択の自由が無いってことだけだ。


それについてはもう覚悟の上だから、諦めもついてる。ただ、今日向かう銭湯の場所について心配事が1つある。


俺はその人物に直接話し掛ける為、『視線』を送った。すると…


軽井沢「さっきからじろじろこっち見て何か用……清隆?」

綾小路「……良く分かったな?」

軽井沢「そりゃ、まぁ……なんかあたしに聞きたそうな眼してたし、だから話しかけたんだけど?」

俺が視線を送っていた相手は恵だ。

此方の視線に気付いた恵は俺の場所まで来て小声で話しかけてきた。

周りに不自然に思われないようにごく自然に距離を詰めて話しかけてくる辺り、良く分かってる。

綾小路「流石だな。」

軽井沢「……それは別にいいのよ//////!で?どうしてこっち見てたわけ?」

綾小路「あー……お前は一緒に来て大丈夫なのかと思ってな。」

軽井沢「!」

綾小路「答えづらいならこのまま無視してくれて構わない。」


今から向かう銭湯は恵にとってあまり芳しくないところなので少々気になっていた。


ここに来てる時点で何も問題は無いと思っているんだが……本人の意思で銭湯に向かってるだろうし。


まぁ、これは念のための質問だ。答えたくないならそれでいいと思ってるし、無理に聞こうとは思ってない。恵は少し間を置いてこう答えてきた。


軽井沢「んー……まぁ、正直乗り気にはなれないわね、あたしは。」

綾小路「なら無理に来なくても良かったんじゃないか?」

軽井沢「女の子同士こういう付き合いも大事なの。それにあんた一人でこのメンツと夜に出歩かせたら何が起こるか分かんないでしょーが!」

綾小路「……なんの心配をしてるんだ?」

軽井沢「うっさい!とにかく、こっちの心配は要らないから大丈夫。後でね、清隆。」


恵は俺に何も心配は要らないと告げて、俺から徐々に離れていった。


本人がそう言うのなら大丈夫だろう。なら、これ以上干渉しない方がいいな。


俺は恵にそれ以上何も視線や言葉を交わすことなく、女性陣の後ろをしっかり着いて行った。


















銭湯。

銭湯に着いた俺たちはそれぞれ代金を払って、男湯と女湯と書かれてる暖簾の前まで来た。

ここは混浴では無いためここからは別れて入る事になる。

櫛田「清隆くーん!また後でね~♪」

軽井沢「あたしたち置いてさっさと帰るとかナシだからね?」

椎名「一緒にお風呂上がりの牛乳飲みましょうね、清隆くん!」

坂柳「ふふ♪では清隆くんまた後でお会いしましょうね♪」

綾小路「あぁ。」


有栖たちは俺に別れを告げて、暖簾を潜って行った。俺も男湯と書かれてる暖簾を潜った。


一度、ここを潜ってしまえば楽なものだ。何故なら男は俺一人。久々に一人で自由な時間があると言っても過言ではない。


せっかくの銭湯なんだ……日頃の疲れと心を存分に癒すとしよう。俺はそう考えて脱衣場に向かった。

男湯side。

俺は腰にタオルを巻いた状態で中に入ると、親子連れや年配の老人が結構居た。意外に盛況のようだ。ただ、辺りを見渡しても俺以外、学校の生徒らしき人物は居なかった。

これは、今の俺にとっては好都合。ここに学校の生徒……特に同学年の男子が居たら、俺の『アレ』を見て弄ってくる可能性が高かったからな…。正直知り合いが誰も居なくて助かった。

もしここに、Aクラスの橋本でも居たりしたら俺を『キング』と呼んでからかってきたに違いない。

綾小路「……下らないこと考えてないでさっさと洗うか。」


俺はそう独り言を呟きながら、洗い場まで向かう。そこに辿り着いた俺は腰に着けたタオルを取り払い、身体全体を軽くシャワーで濡らしてから髪にもお湯をかけた。余計な前情報かも知れないが、俺は髪から洗う派だ。


シャワーの横にあるシャンプーを手に取り、手によく馴染ませてから両手で乱雑に洗う。俺の髪はそこまで長く無いので、洗髪は比較的楽だ。


念入りに髪を洗った後、シャワーで泡を洗い流した。濡れた髪を掻き上げながら、次に身体を洗う準備に取り掛かる。ボディーソープをボディタオルに付けて素早く身体を洗った。


しっかり身体を洗った後、シャワーで一気に洗い流してから、腰にタオルを巻き直して大浴場に向かった。


人があまり居ない大浴場の隅っこに移動した俺は腰のタオルを取って湯船に浸かった。


綾小路「……ふぅ。」


身体の全てを湯船に浸かった俺は心地良いタメ息が漏れた。最初は広い浴場に限るなー……いや、ほんとに。


俺は寮では大体シャワーで入浴を済ますから湯船に浸かるのも久しぶりだ。


風呂は良いなー……今までに蓄積された疲労が取れていく気分になる。ここ最近は精神的疲労も凄く溜まっていたし、尚更そう感じる。


せっかくここに来たんだ。遠慮なく、俺の心と身体を癒して貰おう……俺が身も心も風呂に委ねようとしたその時…


『おや?そこに居るのは綾小路ボーイかい?』

綾小路「……ん?」


後ろから俺を呼ぶ声がした。こんな呼び方する奴は知り合いでは一人しか居ない。


俺は声のする方に目をやった。


すると、そこに居たのは……高円寺だった。


高円寺「こんなところで会うとは奇遇だねぇ~綾小路ボーイ?」

綾小路「高円寺か……確かに奇遇だな。」

後ろを振り返ると、高円寺はタオルを肩に掛けた状態で仁王立ちしていた。

相変わらず、色んな意味で堂々としてる奴だ。

それにしても高円寺に会うとはな…。

高円寺「フフフ、相変わらず君は愛想が悪いようだねぇ。」

綾小路「……俺に愛想は求めない方が良いぞ。」

高円寺「確かに君が愛想を振り撒く姿は想像出来ないねぇ。まぁ、私にはどうでもいいことだがね。」

高円寺は不敵に笑いながら、豪快に湯船に入ってきた。

その際、タオルが湯船に浸からないように頭に乗せていた。

高円寺がマナーを守るのは意外だと正直思った。湯船の入り方はあれだが。

綾小路「よくここに来るのか?」

高円寺「フフフ、よく来ると言えばそうかも知れないねぇ。私は月に4度は湯に浸かりに訪れるからね。」

綾小路「週1ペースか……結構来てるんだな。」

高円寺「寮の狭いバスルームじゃあ、満足に湯に浸かれないからねぇ。私の素晴らしい肉体を休める為にもこのような場所に赴くのは当然のことなのだよ、綾小路ボーイ。」

綾小路「……そうか。」

世間話程度に高円寺に話し掛けてみたら普通に答えてくれた。

てっきり無視されると思ったが意外と気さくに話してくれた。此方から話しを振っておいてなんだが、少々驚いた。

高円寺「綾小路ボーイこそ、今日は一人なのかい?」

綾小路「周りを見れば解るだろ?生憎とボッチだ。」

高円寺「ほう、それは意外だねぇ?君はいつもは眼鏡ボーイとつり目ボーイ、それか平田ボーイと居るからてっきり一緒に来ていると思ったよ。」

綾小路「……よく知ってるな。」

そこで話しが途切れるかと思ったが、今度は高円寺の方から話しを振ってきた。

ボッチだと伝えると、高円寺が驚いた反応を見せた。どうやら、洋介たちと来ていると思っていたらしい。

それにしても眼鏡ボーイ(恐らく啓誠)とつり目ボーイ(恐らく明人)って……クラスメイトくらいせめて名字で呼べばいいと思うんだが…。

高円寺「ふむ。それならクールガールやリトルガールたちと来ているのかな?」

綾小路「何で今の流れで鈴……堀北たちが出てくるんだ?」

高円寺「いやなに。君はクールガールやリトルガールたちと一緒に居るところを何度か目撃したのでね。ただ、私が勝手にそう考えただけさ。違うのなら戯れ言だと思って構わないよ。勿論、答えなくても結構さ綾小路ボーイ。」


高円寺は洋介たちと来ていない事を知ると、今度は鈴音たちの名前が出た。


百歩譲って鈴音とはクラスでも一緒に居るから解るが……俺が有栖たちと行動してる事を知ってるとは…。


ここは、自ら鈴音たちと来ている事は伝えないほうがいいな。高円寺が誰かに話す事は考えにくいが、此方から態々伝える事はしない方が都合がいい。


綾小路「……そうか。じゃあ、余計な誤解を招かないように何も答えないでおく。」

高円寺「そうかい。それにしてもクールガールやリトルガールと言い、随分と君は同学年の女性にモテるようだねぇ?」

綾小路「……どう捉えたらそんな結論になるんだ?俺は何処にでもいる平凡な男だぞ。」

高円寺「フフフ、謙遜も大概にしたまえ。私から見ても君は底が知れない男だと感じているよ。本当はまだまだ実力を隠しているんじゃないのかい?」

高円寺にそんな風に思われていたことに驚く。

他人の事などまるで興味を持たないあの高円寺からのまさかの高評価……喜んでいいかは分からないのが正直な感想だ。

綾小路「さぁ……どうだろうな。少なくともお前ほど実力は高くないと思うぞ?」

高円寺「それは当然さ。何故なら私は完璧な人間だからねぇ、フフフ。」

綾小路「……そうだったな。」

突っ込むのも面倒なので、適当に相槌を打っておいた。

完璧かどうかは置いといて、高円寺の実力が飛び抜けているのは事実。そこは疑う余地はない。

高円寺「さて、私はそろそろ上がるとするよ。長風呂はしない主義でね。」

綾小路「そうか。」

切りよく話しが終わったタイミングで高円寺は上がることにしたようだ。

高円寺は髪を掻き上げながら、勢いよく立ち上がった。此方にも水飛沫が飛んでくるくらいの勢いで。

本人は悪怯れる様子が全く無いところを見ると高円寺らしいと思った。

高円寺「それではまた学校で会おうじゃないか、綾小路ボーイ。」

綾小路「あぁ、またな。」


高円寺は俺に軽く挨拶して湯船を出た。


結構長く高円寺と話していた気がする。二人きりだったと言うのに、あまり気まずい空気にならなかったな……まぁ、普通に話す分には嫌な奴ではないと思う。性格が面倒なだけで…。


そのまま、高円寺は背を向けて脱衣場に歩いて行くと思っていたら……


高円寺「おっと!一つ忘れるところだったよ……この私が、フフフ。」

綾小路「?」

突然、高円寺の足がピタリと止まり此方を振り返った。

忘れていたとは事とは何だろうか?と俺が思っていると…

高円寺はまた俺の方に戻ってきた。

綾小路「どうした?何か忘れ物でもしたのか?」

高円寺「違うよ、綾小路ボーイ。君にアドバイスを送るのを忘れていたのさ。」

綾小路「……アドバイス?」

高円寺「あぁ、そうさ。こんなチャンスは滅多に来ないから心して聞いておくのだよ、綾小路ボーイ?」


高円寺は不敵に笑いながら、突然俺にアドバイスをすると言い出した。


帰る直前に話して行く事なのか分からないが、これも気分屋の高円寺らしい行動と言えばそうかもしれない。


何か良く解らない展開になってきたが、聞き流す程度に受け止めておくか……ここで冷たく高円寺を突き放すのも気が引ける。


例え、相手が高円寺でも。


綾小路「随分、突然だな……一体何のアドバイスを俺にくれるんだ?」

高円寺「無論、女性の扱いについてさ。今、綾小路ボーイはとてもモテてるようだからねぇ。一つ君に助言しておこうと思っていたのさ。女性経験が豊富なこの私がね、フフフ。」

綾小路「俺は別にモテてる訳じゃないんだが…」

アドバイスとは女性の扱い方についてだと言う。

確かに高円寺が上級生に囲まれているところを何度か見たことがある。そういうのは長けてるかもしれないが……俺にそんなこと語られても仕方ない気がする…。

どうせだったら、女性を怒らしたときの対処法を教えて欲しいものだ。主に最上級に怖い相手を怒らせたときの宥め方とかな。

高円寺「まぁ、聞きたまえ綾小路ボーイ。私たちレベルの『モノ』を持つと女性の相手をするとき苦労するのだよ?」

綾小路「俺たちレベルの……『モノ』?……あぁ、なるほど。」

高円寺「フフフ、察したようだねぇ?」

綾小路「……」

私たちレベルの『モノ』と言う発言と、女性経験が豊富と言う言葉から……何を言ってるのか大体理解出来た。

これからしてくれるアドバイスってそういう事か…。

まさかの展開だな……

高円寺「いいかい?女性の相手をする時は紳士的に振る舞い、優しくすることを心掛けたまえ。」

綾小路「……そうだな、それは大事だな。」

高円寺「特に『入れる』時は肝心だよ、綾小路ボーイ。入念に準備しておかないと女性が大変だからね、フフフ。」

綾小路「あぁ、まぁ、うん……分かった。今後そんな機会が俺に訪れるか分からないが…頭の片隅に止めておく。」

高円寺「フフフ、君にその『機会』が訪れることを祈ってるよ。」

綾小路「……それを俺に伝える為に態々、戻ってきたのか?」

高円寺「そうだよ、綾小路ボーイ。君と私は唯一無二の『モノ』を持つ同士……つまり私と君は対等なのさ。だからこそ私のような『経験者』がアドバイスしてあげようと思ってね。」

綾小路「……そうか。まぁ、参考にさせて貰うとする。」

高円寺「フフフ、それがいい。それでは今度こそまた学校で会おう、綾小路ボーイ。」

綾小路「……あぁ。」


高円寺は高笑いしながら、脱衣場に向かって行った。最後に余計なアドバイスを残して。


高円寺からそういう話しをしてくると思わなかったな……。まぁ、去年の混合合宿のとき俺と『アレ』の比べ合いで何か色々言ってたからな。高円寺的に俺を思ってのアドバイスだったのかもしれない。


正直言って余計なお世話だが……まぁ、経験者の貴重な意見を貰ったと思って俺の胸の内にしまっておくとしよう…うん。


それ以降俺は考えるのを止めてジェットバスの方に移動した。

女湯side。

あたしたちは清隆と別れて暖簾を潜ったあと、脱衣場まで来た。

脱衣場ではドライヤーで髪を乾かしてる若い女性のグループ、一人で来てるOLらしき女性、それに母子連れとかが来ていて結構混んでいた。

この時間って混んでるのかな?あたしたち以外学校の生徒は居ないっぽいけど(脱衣場には)

一之瀬「にゃー……結構混んでるんだね~?」

堀北「そうみたいね。」

櫛田「よーし、早速脱いじゃおっか♪んしょっと。」

長谷部「おー!愛里の下着かわいいね~?」

佐倉「はわわ…あ、ありがとう波瑠加ちゃん。」

椎名「伊吹さん、脱ぐの早すぎじゃないですか?私が脱ぎ終わるまで待ってて下さいね!」

伊吹「なんであんたに合わせなきゃなんないのよ、全く…」

松下「銭湯に来るのって初めてなんだよね~私。」

佐藤「松下さんも?実は私も初めて!」

坂柳「真澄さん、私のポーチ持って下さいね♪」

神室「はいはい、分かってるわよ。どうせ杖の管理も私なんでしょ。」

軽井沢「……」


みんなが服を脱いでいく中、あたしは脱ぐのを躊躇っていた。何故ならあたしには……『傷』があるから。この傷のせいで去年のクルージングの時に大浴場に行けなかった。


さっき清隆が遠慮がちに大丈夫か?って聞いてきたのは傷の事を唯一知ってるから。清隆は優しいから、だからこそ無理しなくてもいいって言って来たんだと思う。


来ない選択肢も勿論あった。だけど……あたしだって皆とこういう場所でワイワイおしゃべりしたいし、思い出も作りたい。だからここに来た……それなりの覚悟をして。


落ち着け、あたし……一回深呼吸しよ、深呼吸。すぅーっ……はぁっー……すぅーっ……はぁっー……よし!


松下 佐藤「「軽井沢さん?」」

軽井沢「たうわ!?」

あたしが目を閉じて心の中で大きく深呼吸していると、松下さんたちに声を掛けられた。驚いたあたしは大袈裟なリアクションを取ってしまった……ちょっと恥ずい。

二人はバスタオルを纏った状態で温泉用ポーチを持っていた。

松下「ボーッとしてどうしたの?早く行かない?皆、先に入って行っちゃったよ?」

軽井沢「あー……ごめんごめん。ちょっと考え事しててさ。」

佐藤「そうだったの?ごめん驚かしちゃって…」

軽井沢「ううん、大したことじゃないから大丈夫。じゃあ、さっさと脱いじゃますか~♪」

松下「おー!大胆だね~♪」

あたしは不審がられないように豪快に服を脱いで裸になった。

二人から傷が死角になるような場所に位置取ったのでバレてない。直ぐにバスタオルを巻いて化粧水の入ったポーチを持った。

軽井沢「それじゃ、行きますかぁ~♪」

松下 佐藤「「おー!!」」

二人の真ん中を歩きながら脱衣場を出る。

あたしは少しの不安を抱えながら浴場に向かった。

















松下「おー!中は結構広いんだね~?」

佐藤「なんか感動するー。」

軽井沢「あたしも初めて来たから感動しちゃうなぁ。」

中に入ったあたしたちは初めて来た銭湯に感動していた。

こんなに広いんだー……ちょっと舐めてたかも…

櫛田『おーい!軽井沢さんたちー!こっちこっち~』

松下「あ!櫛田さんだ。今、いくねー!」

あたしたちを呼ぶ櫛田さんの声が聞こえた。櫛田さんたちは先に洗い場の方に居た。

松下さんが返事をして、あたしたちも洗い場の方に向かう。

櫛田「あ!軽井沢さんたち来たね~♪ここキープしておいたよ?」

軽井沢「ありがとー櫛田さん。」

洗い場にたどり着くと櫛田さんがあたしたちの為に場所をキープしていてくれた。そういう気配りは流石だと思う。

そして、他の皆の様子はと言うと…

長谷部「愛里~背中洗ってあげるね~♪」

佐倉「ありがとう、波瑠加ちゃん♪じゃあ私も後で洗ってあげるね?」

櫛田「帆波ちゃんの背中洗ってあげるよ~♪」

一之瀬「ありがとう桔梗ちゃん♪」

椎名「むむ。これは私たちも負けていられませんよ、伊吹さん!私たちも洗いっこして親睦を深めましょう!」

伊吹「なにと張り合ってんのよ?あたしは自分で洗うからいい。他人にバック取られたくないし。」

坂柳「真澄さん、しっかり身体を清めるんですよ?お風呂上がりは清隆くんに会うんですから、綺麗な身体を見て貰いましょうね♪」

神室「べ、別に私は綾小路の為に綺麗にするわけじゃないわよ//////!」

堀北「身体くらい静かに洗えないの、あなたたち?」

皆はバスチェアに座ってそれぞれ身体や髪を洗っていた。

なんというか……学年屈指の美少女軍団がひとかたまりになって身体を洗っている光景って…凄い光景な気がする。

松下「私たちも洗おっか。」

軽井沢「そ、そうね。」

佐藤「だね。よいしょっと。」


あたしが一之瀬さんたちの洗う光景を見ていると、松下さんがそう言ってバスチェアに座った。


佐藤さんも松下さんの隣に座ってシャワーを身体にかけていた。あたしはバスタオルを着けたまま、二人の真ん中に座った。


ふぅー……緊張する。遂にあたしは皆の前で裸を晒すのか……でも、大丈夫。今回は傷を隠す為の準備をちゃんとしている。


そして、あたしは……意を決してバスタオルを取った。


軽井沢「二人はどっちから洗う派なの?」

佐藤「私は身体かなー。私の髪あんまし長くないから洗うの楽なんだよね。」

松下「私は髪かなー。先に髪の手入れしたいからさ~軽井沢さんは?」

軽井沢「あたしは身体かな~。髪から洗う時もあるけど、どっちかと言えば身体からが洗う方が多いかも。」

佐藤「そうなんだー。てか、二人とも髪長いから手入れ大変そー…」

軽井沢「うーん、そうでもないよ?」


いつもと同じように何気ない会話をしながらあたしはシャワーで身体や髪を濡らした。


あたしが身体を晒しても普通でいられる理由は……傷を隠すファンデーションテープを脇に貼っているから。


このファンデーションテープはタトゥーや自傷行為の後とかを隠す為の物。つまり、あたしには持ってこいの代物だ。


まぁ、こちとらタトゥーをしてる訳じゃないんだけど……でも、だからこそあたしは堂々としてられる。


佐藤「あ!松下さんのシャンプーめっちゃ良い匂いする~」

松下「そう?ありがと♪」

軽井沢「どれどれ~?これは……フローラルの香り?」

松下「そーそー。この匂いめっちゃ好きなんだよね~」

軽井沢「へぇーそうなんだ。でも確かに良い香りだね。」


あたしは身体を洗いながら、二人と自然に会話する。これよ、これ!あたしが求めていたシチュエーションは!シャンプーの話しとか何気ないこういう会話とか、お風呂で友だちとしてみたかったのよ~!


このファンデーションテープは多少水に濡れてもそう簡単に剥がれないようになっているし、自分の肌の色に合わせて調整したからバレる危険はないし。


勇気振り絞って来て良かったかも♪


松下「よーし、髪の手入れOK♪それじゃ、私たちも背中の洗いっことかしちゃう?」

佐藤「あはは。いいね~?」

軽井沢「あたしは身体洗っちゃったから、二人の背中流してあげるね~?」

佐藤「軽井沢さん、ありがとー♪」

松下「じゃあ、お願いしてもいいかな?」

軽井沢「任せて~♪」

もう何も心配は要らなくなったあたしは自ら二人の背中を洗う側に立候補した。

傷のせいでお風呂はいつも憂鬱だったけど、今日はそれを気にしないで済んでる自分がいる。勿論、傷のトラウマが消えた訳じゃないけど……一歩前進出来た気がする。

あたしは少しだけ気が楽になった気持ちで二人の背中を流した。

















カポーン♪

軽井沢「ん~……気持ちいい♪」

佐藤「身体に染み渡っていくね~」

松下「あはは、なんか佐藤さんおっさんみたいだよ~?」

一之瀬「にゃー気持ちいいね~♪」

櫛田「ほんと最高~♪」

長谷部「おっきなお風呂に入るのって格別だわ~。」

佐倉「そうだね~♪」

坂柳「これは、とても気持ちが良いものですね~♪」

神室「あんたがそんなだらしない顔してるとこ初めて見た……まぁ、気持ちは分からなくもないけど。」

椎名「伊吹さんはどうしてお湯に浸からないんですか?ちゃんと入った方が気持ちいいですよ?」

伊吹「お湯が熱いから足だけ入って身体に慣れさせてんの。慣れたら入るわよ。」

堀北「確かに少し熱いわね。」


ところ変わって、今あたしたちは湯船の中。皆と一緒に大浴場のお風呂を満喫してる最中だ。


大きなお風呂に入るのってこんなにも格別なのねー。ほんと、来て良かったわ~♪皆も満足してるようだし、今日は言い争いとか無いかもね~?こんなに気持ちいいとそんな気力すら起きないし。


一度、湯船に入ってしまえば傷もバレないから安心だし!何も気にしないでお風呂を楽しめるなんて最高にいい気分だわ~♪


清隆もこのお風呂堪能してるのかなぁ……。


椎名「清隆くんも今頃お風呂を満喫してるんでしょうか。」

軽井沢「!」

長谷部「きよぽんも満喫してるんじゃない~?こんなに気持ちいいし~♪」

櫛田「だね~♪清隆くんもリラックスして入ってるんじゃないかな?」

一之瀬「リラックスしてる清隆くん……ちょっと見てみたいかも…にゃはは//////」

佐藤「……私も//////」

松下「綾小路くん普段から無表情だもんね。顔が綻んでる瞬間とか私も見てみたいかも。」

あたしがそう考えてると、椎名さんから清隆の話しが急に出てドキッとした。

心の中、読まれたかと思った……焦らせないでよね、全く。

それにしても……やっぱ皆も清隆が気になるのね…まぁ、気持ちは分からなくもないけど。

あたしが同調していると、坂柳さんが……

坂柳「ふふ♪確かに彼のリラックスしてる姿は見てみたいですね。やはり……清隆くんと一緒にお風呂入りたかったですね、皆さん?」

『……え////////////×11!?』


坂柳さんがとんでもないことをサラッと言い出した。そして、あたしたちは大きな声で驚く。そんなあたしも間抜けな声を出して驚いてしまった。


き、清隆と一緒にお風呂って……はぁーーー////////////!?


そんなのダメに決まってるでしょうがーーー//////!!!もちろん、嫌なわけじゃないけど……じゃなくて!


軽井沢「ちょっ…!なにいってんの、坂柳さん//////!?」

坂柳「おや?皆さんは違うんですか?」

神室「そんなこと考えてるのあんただけでしょ!つうか、男と一緒に入るなんて私はゴメンだから//////!」

堀北「そうよ!か、彼と一緒にお風呂だなんて…そんなの絶対に有り得ないんだから//////!」

伊吹「アイツと一緒の風呂とか絶対嫌だし//////!」

最初に反応を見せたのは伊吹さんたちだった。3人とも噛みつかんばかりに否定していた。

清隆が相手となると、途端に取り乱してる気がするんだけど……この3人。

櫛田「私は清隆くんとお風呂入るのは歓迎だけど~……ちょっと恥ずかしいかなぁ…//////?」

一之瀬「私も恥ずかしいけど……清隆くんが相手なら良いかなぁ~…にゃはは//////」

椎名「私は恥ずかしいよりも清隆くんと一緒に入りたい欲が勝りますね♪」

長谷部「まぁ、きよぽんがどうしても一緒に入りた~いって言ってくるなら……私と愛里は別に良いけどね~//////♪」

佐倉「ふぇっ//////!?」

佐藤「き、きき、清隆くんと一緒にお風呂……そんなのダメぇ~//////!」

松下「はーい、佐藤さん落ち着いて~。これは仮の話しだから深く考えないようにね~?」


続々と清隆と一緒に入りたい問題の問いに答える櫛田さんたち。そんな冗談真に受けないでいいのよ?


つか、なんで皆清隆が相手なら大丈夫なのよーーー!


清隆と一緒に入るのなんてそんなのあたしが絶対許さないんだからねーーー!!!


坂柳「ふふ♪少しからかうつもりで言ったんですが……存外皆さん可愛らしい反応を見せますね?」

軽井沢「そんな冗談大概にしてほしいんですけどー…」

坂柳「善処します。ですが、私も清隆くんとなら一緒に入っても良いと思っていますよ?勿論、機会があれば……ですが。ふふ♪」

軽井沢「……」


あたしに妖艶な微笑みを浮かべながら此方を見てくる坂柳さん。


坂柳さんの場合、冗談に聞こえないのが怖い……本当に実行しそうだし…。でも、あたしの目が黒い内はそんなこと絶対させないんだから!清隆はあたしのモノだし//////!


あたしが心の中で強く決意していると……


『あらあら~?一之瀬さんたちじゃないのぉ~♪』

『……ん?お前たちも来てたのか。』


後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。しかも……二人。


あたしたちは皆で後ろを振り返ると、そこに居たのは……茶柱センセたちだった。


一之瀬「星之宮先生!」

軽井沢「茶柱センセ!」

星之宮「奇遇ね~?皆でお風呂入りに来たの?いいわね~うふふ♪」

茶柱「まさかこんなところで会うとはな…」

先生たちはタオルで前だけを隠した状態で、大人の色気が存分に際立つ格好で現れた。

相変わらず、テンションの高い星之宮先生といつもと変わらずクールな茶柱センセ。

先生たちとこんな場所で会うなんて思ってもいなかったな。

星之宮「せっかくだし、私たちも混ざってもいいかしら~?」

一之瀬「もちろんいいですよ~♪」

星之宮「じゃあ、早速……」

茶柱「知恵。あまり生徒のプライベートに干渉するもんじゃない。私たちは離れるぞ。」

星之宮「えー!?交ざろうよ、サエちゃん!」

茶柱「私たち教師がこの場に居たら堀北たちが窮屈だろう。良いからこっちに来い!」

星之宮「そんなぁ~…」

あたしたちの間に交ざろうとしていた星之宮先生だったけど、茶柱センセは腕を掴んで止めた。

星之宮先生がちょっと気の毒かも…そんなに混ざりたいのかな?

すると、櫛田さんたちが…

坂柳「先生方。私たちは別に窮屈じゃないので大丈夫ですわ。ですよね、皆さん?」

櫛田「そうですよ!茶柱先生も一緒に入りましょうよ~♪」

長谷部「確かにこんな機会滅多にないしね~」

一之瀬「皆で入った方が楽しいしね♪」

坂柳さんを筆頭にして茶柱センセたちを止めた。

まぁ、あんだけ落胆してる姿の星之宮先生を見たら人の良い一之瀬さんたちは止めるわよね。

あたしも先生たちと入るのが嫌ってわけじゃないし、混ざってくるのは特に問題はないからいいけど。

星之宮「ほら~皆もこう言ってるんだし一緒に入りましょ、サエちゃん!こういうスキンシップも大事だし!ね?」

茶柱「……仕方ないな。」

星之宮「やった♪じゃあ、お邪魔しまーす!」

一之瀬「どうぞどうぞ~♪」

茶柱センセが結果的に折れた形で話しは着いた。

星之宮先生は嬉しそうにあたしたちの間に入ってきて、茶柱センセは遠慮がちに湯船に入ってきた。

星之宮先生は一之瀬さんや櫛田さんたちの近くで、茶柱センセは堀北さんの近くに腰を落ち着けた。

星之宮「はぁ~……仕事終わりのお風呂は生き返るわ~♪」

一之瀬「にゃはは♪ほんと、気持ち良いですよね~♪」

櫛田「星之宮先生たちはここによく来るんですか?」

星之宮「たまーにかしら?仕事で疲れた時に二人で来るのよ~。」

長谷部「へぇーそうなんですね。お二人はプライベートも仲良いんですか~?」

星之宮「そうね~。そう言われるとそうかな~♪」

茶柱「……冗談はよせ。いつもお前が勝手に私に付きまとってくるだけだろう。今日だってそうだしな。」

星之宮「ちょっ!サエちゃんひどぉーい!皆、これはサエちゃんのツンデレだからね?私たちとっても仲良いからね?」

櫛田「あはは…」

星之宮先生たちってプライベートも一緒なんだ。仲良さ気だもんね。

茶柱センセにはあしらわれてるみたいだけど…

星之宮「それにしても気持ちいいわね~♪どうせならお風呂入りながらお酒飲めると最高なのにな~。こう、入りながらクイっと!」

一之瀬「お酒……ですか?」

星之宮「そうよ~。大人はその為に生きてるって言っても過言じゃないんだから。皆も大人になればきっと解るわよ。」

軽井沢「そういうもんなんですか?」

星之宮「えぇ。なんだったらこのあと一緒に飲みに出掛ける~?」

佐藤「うえっ!?」

茶柱「おい、未成年を酒の席に誘おうとするんじゃない。教育問題になるぞ。」

星之宮「もう~分かってるわよ、サエちゃん!ジョークよ、ジョーク♪あー早くお酒飲みたーい!」

茶柱「全く……少しは教師らしく振る舞え。」

星之宮先生ってやっぱり、教師らしくなさすぎでしょ(悪い意味で)

教室とかでも二日酔い?で教卓にうつぶせで寝てたの見たことあるし、頭の中はお酒の事ばっかなのね。

典型的なダメな大人の見本なんじゃ……星之宮先生には悪いけど。

星之宮「それにしても一之瀬さんたち……」

一之瀬「どうしたんですか、星之宮先生?」

長谷部「私たちの顔に何かついてますか~?」

佐倉「?」


星之宮先生の口が静かになったと思ったら、一之瀬さんたちのある部分をじーっと視ていた。それはもう舐め回すように。


視ているのは顔じゃない……お湯に浮かんでいる大きな『アレ』だ。あたしは悔しいから、出来るだけそれを直視しないように気を付けていたのに……。


3人に共通する『アレ』……それは。


星之宮「ううん、顔には何もついてないわよ?顔じゃなくてね~間近で見るとスゴい破壊力だなぁ~って思ったのよ……その、おっぱい♪一之瀬さんのちょっと触らせて~♪」

一之瀬「ほ、星之宮先生!?急になに言って……きゃあ//////!い、いきなり触らないで下さいよ~//////」

星之宮「なにこの弾力……スゴい柔らかーい♪それに肌もスベスベじゃない!」

櫛田「そんなにスゴいんですか?私にも触らせて~帆波ちゃーん♪」

一之瀬「桔梗ちゃんまで!?二人がかりは流石に……にゃあん//////!」

櫛田「うわぁ~ほんとスゴーい♪(チッ!なんて大きさだよ!なんだって私よりデカイ乳ぶら下げてるやつがこんなにいんだよ、くそが!私にもこれくらいあれば清隆くんを…)」

長谷部「それなら愛里のだってきっと負けませんよ?ねぇ~愛里♪」

佐倉「ふぇっ!?ちょっと待……ひゃん//////!」

長谷部「おぉ~これは!吸い付いて離れないマシュマロのような柔らかい感触……これは癖になっちゃうね~♪」

佐倉「は、波瑠加ちゃ……んん!そんな揉んじゃダメ~…//////」

星之宮「ほんとー?後で私にも触らせてね~佐倉さん♪次は櫛田さんの行くわよ~!」

櫛田「え!?……ひゃあ//////!」

軽井沢「……」


『アレ』と言うのは胸のこと……そして、今は星之宮先生と櫛田さんが一之瀬さんの豊かな双丘をこれでもかと揉んでいる。長谷部さんも佐倉さんの胸の感触を楽しんでいた。


それは正に……巨乳同士の乳繰り合い。


いやいや、分かってたけどね?制服の上からでもスゴイんだから、そりゃ実際にそれを目の前で見たら、スゴイに決まってるじゃない。


だから、今更焦っちゃダメあたし!目を背けるのよ、目の前の現実から。


松下「なんかスゴい光景だねー?」

佐藤「う、うん。」

椎名「……何をどうすればあのように大きくなるんですかね?」

坂柳「……全くです。」

あたしが現実逃避をしていたら、松下さんたちは一之瀬さんたちのおっぱいを見てそれぞれ反応していた。

反応するなと言うのは無理があるからね……あれ見たら。

てか、坂柳さんと椎名さんが恨めしそうに見ながら言ってるのが意外。坂柳さんたちも気にしてるんだ……なんか急に親近感湧く。

佐藤「ほんと、どうしたらあんな大きくなるんだろ?正直羨ましい…」

松下「本当だよね。これを機に話しとか聞いてみたいなぁ~」

軽井沢「松下さんは今のままでも良くない?スタイル良いし胸も形いいじゃん。」

松下「いやいや、それ言ったらここに居る皆だってスタイル良くない?一之瀬さんたちは例外としてさ。」

軽井沢「まぁ、確かに…」


佐藤さんの発言から拡がるあたしたちの会話。まぁ、あたしたちも年頃の女の子だし胸の発育関連は悩みよねー……。


あたしだってね……あのおっぱい見たら……そりゃね、正直……超羨ましいんですけどーーー!!!


なによ、あのおっぱいは!発育の暴力じゃない!どうすればあんな成長すんのよ!?てか、なに?佐倉さんたちはあの胸でいつも清隆と腕を組んでんの?あたしもせめて櫛田さんくらいあればぁ~!(結局冷静になれずに発狂中。)


堀北「全く……胸の大きさくらいで一々騒がないでほしいわね。」

神室「同感。」

伊吹「……風呂くらい静かに入りたいんだけど。」


そんな中、クールな堀北さんたちは気にも止めていなかった。まぁ、堀北さんたちはスタイルいいしね?


伊吹さんは興味無さそうだし、あたしたちの悩みなんて解らないでしょーね。


なんだって清隆の周りはおっぱい大きくてスタイルの良い美少女が集まってくんのよ!


茶柱「はぁ……ウチの馬鹿が騒がしくてすまないな。後でキツく言っとく。」

堀北「大丈夫です。星之宮先生の場合、あれが通常運転でしょうから気にしていません。」

茶柱「フッ。生徒にそう認識されてる時点で教師として失格かもな。」

乳繰り合ってる星之宮先生に冷たい視線を向けてから、茶柱センセがあたしたちに謝ってきた。

堀北さんの言う通り、あの先生が騒がしいのはいつものことだと思うから驚かないかな。

まぁ、いまやってることはセクハラな気がするけど……。

星之宮「ちょっと~サエちゃん!聞こえてるわよ!教師失格なんて酷い言い草じゃなぁーい!」

茶柱「……どこがだ。自分の生徒にセクハラする時点で教師失格だろ。」

星之宮「これはセクハラじゃないもん。ただのスキンシップだもん!」

茶柱「そんな過激なスキンシップがあるか。」

星之宮先生は茶柱センセたちの話しが聞こえていたようで、わざわざ反論しに来た。

しかも、茶柱センセの前に仁王立ちで。

さっきまであんなに騒がしかった一之瀬さんたちの様子はと言うと……

一之瀬「にゃー…//////」

櫛田「く、くすぐったかったぁ…//////」

佐倉「うぅ…//////」

長谷部「ごめんって愛里~。後で私のおっぱい揉んでも良いからさぁ♪」

3人とも両胸を抑えながらぐったりとしていた。

あれは相当メチャクチャに揉まれたようね……御愁傷様だわ。

長谷部さんは元気みたいだけど…

星之宮「ありゃりゃ~少しやり過ぎたかな?ごめんね、一之瀬さんたち~!お詫びに後で飲みもの奢ってあげるから許してね♪」

茶柱「それで済ます気かお前は……全く。とにかく、もう騒ぐなよ?これ以上煩くするなら私はもう上がるからな。」

星之宮「はいはい、分かってるわよ~サエちゃん♪後は大人しくしてますぅー。」

星之宮先生は茶柱センセの隣に座ると、ようやく腰を落ち着けた。

二人の先生が並ぶと大人の色気がスゴい。ついでに言うとお湯に浮かんでる胸の存在感も。

坂柳「ふふ♪今日は賑やかで楽しいですね。この時間を清隆くんとも共有したかったですね~♪」

長谷部「きよぽんあっちで一人だもんね?」

星之宮「あら?綾小路くんも来てるの?」

椎名「はい。清隆くんとここに居る皆さんでお風呂入りに来たんです。」

茶柱「ほう……綾小路も来てるのか。」

坂柳さんたちがまた清隆の話しをし始めた。

確かに今、清隆はボッチだもんね……本人は慣れたもんなんだろうけど。

清隆が来てるって分かった瞬間、茶柱センセが嬉しそうに見えたの気のせいかな?

星之宮「綾小路くんも来てるなら……ここが混浴だったら良かったのにな~♪」

一之瀬「にゃ//////!?急になに言ってるんですか、星之宮先生!」

佐倉「こ、混浴……//////!?」

星之宮「そしたら、私が綾小路くんに色んなサービスしてあげたのに~♪」

櫛田「それってどんな…」

星之宮「それはもちろん……『大人』のサービスってやつ?うふふ♪」

軽井沢「んな!?」

佐藤「お、大人のサービス……//////」

坂柳さんの次は星之宮先生が混浴だったら良かった発言であたしたちを混乱させた。

大人のサービスって……あんた教師でしょーが!!!そんなイヤらしいこと言っちゃダメでしょ!?

てか、なんで清隆が絡むと皆そんな危ない発言すんのよーーー!

坂柳「教師である貴女がそんな発言して宜しいのですか?問題になりますよ?」

一之瀬「そうですよ、星之宮先生!」

星之宮「冗談冗談♪そんな恐い顔しないでよ~。一之瀬さんたちの綾小路くんに手は出さないから(多分♪)」

坂柳「冗談も節度があると思います。今後気を付けて発言して下さい、星之宮先生?」

星之宮「うふふ、ごめんなさいね?可愛い反応するからつい♪」

坂柳さんたちに制される星之宮先生。

ほんと、この先生ってなに考えてるか分かんない……ある意味危険かも。

坂柳「分かってくだされば結構です。さて、場も落ち着いたところで……真澄さん。清隆くんの『あの件』について調べは終わってますか?」

神室「あぁ、あれね……まぁ、一応…」

坂柳「ふふ、そうですか♪それは良かったです。では、早速報告して貰っても宜しいですか?」

坂柳さんたちが急に神妙な面持ちで会話を始めた。

清隆……の件?

なによ、それ……メッチャ気になるんですけどー…。

櫛田「あの~ちょっといいかな、坂柳さん?」

坂柳「なんでしょうか?」

櫛田「話し割って申し訳ないんだけどさ……聞いてもいいかな?清隆くんの件ってなに?」

軽井沢「そうそう。そんな言い方されると気になるんですけど…」

一之瀬「私も気になるなぁ。」

坂柳「ふふ♪気になりますか?そんなに気になるのなら聞いていても構いませんよ?」

あたしたちが戸惑っていると、櫛田さんが代表して坂柳さんに質問してくれた。

なんかその言い方イラつくんですけど……

櫛田「ふーん……じゃあ、聞かせてもらうね。」

椎名「清隆くんのお話しをするなら交ぜて貰います。」

一之瀬「私もお言葉に甘えて聞かせて貰っちゃおうかな?」

堀北「それなら私も聞かせて貰おうかしら。」

長谷部「きよぽんの話しなら聞かないわけにはいかないよね~♪」

星之宮「先生も聞かせてもらおっと♪面白そうだしね~♪」

皆、退くに引けなくなったのか坂柳さんたちの話しを聞くため坂柳さんたちの近くにきていた。

無論、あたしも是が非でも聞き逃さないよう坂柳さんたちに近づいた。

坂柳「今、しようとしてる清隆くんの件と言うのは……彼の『愛称』についてのお話しなんです。」

一之瀬「にゃ?清隆くんの……愛称?それって、いわゆるあだ名の事だよね?」

長谷部「あだ名って言うと~……私のきよぽんみたいな?」

坂柳「そうです。私の下僕……コホン。私のクラスメイトが清隆くんを愛称で呼んでいまして。」


坂柳さんたちがしようとしてる話しは清隆にの愛称……つまりあだ名についてらしい。


てか、今、坂柳さんナチュラルに下僕発言したよね?クラスメイトの事をそう思ってるって中々なんですけど……坂柳さんだから、あんま驚きは無いけど。


長谷部さん以外で清隆をあだ名で呼んでるやつか……ここはあたしも踏み込んで聞いてみよっと。


軽井沢「ちなみに誰がどんなあだ名で呼んでんの?」

坂柳「橋本くんです。彼が清隆くんを呼ぶ愛称はそう……『キング』と呼んでいらっしゃいます。」

軽井沢 長谷部 櫛田「「「キング?」」」

椎名「『キング』と言うと……そのままの意味でしたら、王様のことですよね?」

一之瀬「キングは他の意味合いだと最強とか最高って意味でもあるよね?それと清隆くんはなんの関係があるんだろう?」

坂柳「さぁ……私にも検討がつかないですね。混合合宿以降、彼のことをあだ名で呼んでいてずっと気になってるんです。」

あー橋本くんか……それなら清隆のことをあだ名で呼びそうかも。

なんか、色々軽そうだもんね?てか、その橋本くんにあたし迫られたことあるし(バレンタインのとき)ほんと、キモかったなぁ……。

そういえばあの時、清隆に連絡先聞いてた気がする。

堀北「そんなに気になるのなら、直接その橋本くんに聞けばいいんじゃないかしら?何故、神室さんを経由してるの?」

長谷部「あ、確かに!坂柳さんが直接聞けばあだ名の由来くらい簡単に教えてくれそうだもんね?」

櫛田「坂柳さんは橋本くんに聞いてみたの?」

坂柳「勿論、何度か本人に聞いてみました。ですが……その話題を振ると必ず言葉を濁されてしまうんです。」

椎名「そうなんですか?」

坂柳「はい。何度聞いても私に教えてくれないので、秘密裏に真澄さんに調べて貰っていたんです。ねぇ、真澄さん?」

神室「……まぁね。橋本のやつ私にも話してくれないから、調査するの大変だったけど。」

神室さんはウンザリした面持ちでそう話した。Aクラスの女帝の坂柳さんにすら橋本くんが教えてくれないって……なんなんだろ?

なんか裏がありそうね……ますます気になる。

櫛田「なるほどね~。でも、なんで橋本くんは坂柳さんたちに教えてくれないんだろ?」

軽井沢「何か言いづらい事情があるとか?」

椎名「考えたくないですが……蔑称の意味合いがあるんですかね?」

松下「でも『キング』でしょ?そんな悪いあだ名に見えないし、話しづらい理由があるようには思えないけどなぁ。」

佐藤「そうだよね~。むしろカッコいいあだ名な気が…」

長谷部「まぁ、でも『キング』より~……私のきよぽんって愛称の方が可愛いしセンスあるけどね?ねぇー愛里♪」

佐倉「そうだね。可愛い愛称の方が親しみやすいよね!」

一之瀬「にゃはは♪確かにきよぽんってあだ名可愛いかも♪」

長谷部「でしょ~?まー、最初のあだ名候補は『あやのん』だったんだけど。」

一之瀬「にゃ?そうなの?」

長谷部「そうそう~。綾小路だから『あやのん』。で、そのあと清隆って名前なの知ったから『きよぽん』に変えたの。」

椎名「なるほど。人に歴史有りというやつですね。」

清隆の『キング』と言うあだ名から、広がる皆の会話。

長谷部さんは自分のあだ名の方が可愛いって言い出してるし……まぁ、可愛いけども。てか、最初の候補あやのんだったとか女の子か!

坂柳「……盛り上がってるところ悪いのですが、調査してくれた真澄さんにお話し聞いても宜しいでしょうか?」

神室「……」

櫛田「それもそうだね。」

長谷部「ごめんごめん。話し逸れちゃってたね。」

坂柳「いえいえ。では改めまして……真澄さん、調査結果をお願いします。」

ここで坂柳さんが皆の話しを止めてくれた。

そして、皆の視線が神室さんに集まった。なんか、神室さんずっと黙ったままだった気がするけど……どうしたんだろ?

とにかく、聞き逃さないようにしないとね。そうあたしが身構えていたら…

神室「…………言いたくない//////」

軽井沢「へ?」

櫛田「ど、どうして?」

神室「……どうしてもなにも言いたくないの。私もう上がるから。」


神室さんは言いたくないとあたしたちに告げた。ふて腐れたように湯船から上がろうとする神室さんに皆、呆然としていた。


ちょっと待ってよ……ここまで来て言わないっていうのはないでしょー!!!


ここは是が非でも止めないとダメね。気になってしょうがなくなっちゃう!!!


坂柳「真澄さん、ちょっと待ってください。言いたくないとはどういう意味ですか?まだ調査が終わっていないのですか?」

神室「調査は終わってる。橋本と龍園が綾小路の話しをしてるの聞いたし。」

坂柳「なら、話して下さい。」

神室「……嫌//////」

坂柳「嫌……ですか。まさか貴女が私に逆らう日が来るとは思いませんでした。」

神室「……別に逆らってる訳じゃない。ただ、私の口から言いたくないだけ。それが例えあんたの命令でもね。」

あたしが止めるより先に坂柳さんが止めた。坂柳さんの口調は冷静で、怒ってないように聞こえるけど……あたしは怖かった。

体はここに居る誰よりも小さいのにこの威圧感と存在感……流石Aクラスを牛耳る女帝だと思った。

それでも、普通に言い返せる神室さんも相当肝が据わってるけど。

坂柳「そうですか……それなら質問を変えます。何故話してくれないのかお教え願えますか?理由も無く、言えないというのは此方も納得出来ませんので。」

神室「それは……その…別になんだっていいでしょ//////!とにかく、言いたくないの!」


言い返せても、論破は流石に出来ないみたいね……まぁ、坂柳さんが相手ならしょうがないけど。


それにしても、なんでこうも頑なに教えてくれないんだろ?こっちとしては聞きたくてしょうがないから、なんでもいいから答えてほしいんですけど…


まさかとは思うけど……椎名さんが言っていた蔑称の意味合いがあるから言いたくないとか?いや、それならそれで神室さん普通に言いそうだしなぁ…。


坂柳「仕方ありませんね。教えて下さらないのであれば……此方も考えがあります。皆さん、真澄さんを逃がさないようお願いします♪」

椎名 櫛田 長谷部「「「了解(です)♪」」」

神室「は?……ちょ、ちょっと!?」

櫛田「はーい、捕まえた♪ここまで来て言わないなんてナシだよ、神室さん?」

椎名「すみません、神室さん。私も気になって仕方が無いので♪」

長谷部「逃がさないよ~神室さん。」

一之瀬「ご、ごめんね、神室さん?私も気になるからさ…」

坂柳さんの一声で動いた櫛田さんたち。あっという間に神室さんは囲まれた。

神室さんの両腕は櫛田さんと椎名さんに取られて、長谷部さんと一之瀬さんは神室さんの進行方向を塞いだ。

最後に坂柳さんは神室さんの背中に移動した。

坂柳「これでどう足掻いても逃げられませんね♪」

神室「あんたらね……言っとくけど、私は絶対に自分の口から言わないから。知りたいなら、自分で調べてくれない?」

坂柳「おや?まだ抵抗しますか。それなら直接『身体』に聞くしかありませんね♪多少手荒になってしまいますが……星之宮先生お願いします♪」

星之宮「任せなさぁーい♪」


神室さんはこの状況でもあたしたちに顔を背けて喋ってくれないみたい。本当に言いたくないのね……ここまで来たら気になるよりかは、不安が大きいんだけど…。


そこで、坂柳さんが星之宮先生を呼んだ。星之宮先生は神室さんの真正面に座った。


それはもうヤラしい手つきをしながら。身体に聞くっていうのはもしかして……?


神室「な、なにする気?」

星之宮「またまた~分かってるでしょー?私が今からナニをするのか……うふふ♪」

神室「ちょっ!教師がそんなことしていいわけ!?」

坂柳「私が許可するので良いんです。さぁ、星之宮先生。真澄さんが口を割るまで、その形の綺麗な胸をどうぞ好きになさってください♪」

星之宮「では、遠慮無く♪覚悟はいい……神室さん?」

神室「はぁ!?わ、私の胸なんて揉んでも面白くないでしょ!」

星之宮「それは揉んでからのお楽しみよ?神室さんのおっぱいも揉みがいがありそうね~♪」

神室「こ、来ないで//////!」

坂柳「真澄さん、逃げようとしても無駄ですよ~♪お次は私が真澄さんの胸を堪能しますから……ふふ♪」


やっぱり……あの手つきは胸を揉むための動きだもんね…。


口割るまでって、坂柳さん結構エグくない?しかも神室さん身動き出来ない状態だし。


でも……それくらいしないと話してくれなさそうだし、ここは敢えて見てみぬ振りしようかなー。良心が傷むけども……ごめん、神室さん!


星之宮先生が今、まさに神室さんの胸を揉もうとしたところで…


神室「わ、分かったから//////!言う!言うわよ!」

坂柳「ふふ♪聞き分けが良くて助かります♪星之宮先生一度、手を止めてください。」

星之宮「あーん、あともうちょっとだったのに~……残念だけど仕方ないわね。」

神室さんは観念したかのように坂柳さんにそう言った。思惑通りという坂柳さんの表情。

星之宮先生は残念そうな表情を浮かべて離れた。

坂柳「それではこの状態で話して貰いましょうか?逃げられたら困るので♪」

神室「この悪魔…」

坂柳「悪魔で結構♪私が手段を選ばないのは良く知っているでしょう?さ、早く仰って下さいね、真澄さん?」

ようやっと、清隆の『キング』の由来が聞ける!ほとんど脅迫に近いやり方だと思うけど……

周りの皆も何処かソワソワしていて、聞き逃さないように神室さんの近くに来ていた(堀北さんと伊吹さんも声が聞こえる位置まで近づいていた)

あたしも聞き逃さないように耳を澄まして集中した。そして…

神室「はぁー……言っとくけど、後悔しても知らないからね?」

坂柳「それは此方が判断することです。」

神室「……一度しか言わないから、よく聞いておきなさいよ?」

坂柳「つべこべ言わず、話して下さい。」

神室「……分かったわよ。いい?『キング』って言うのは綾小路の……ボソボソ//////」

『………////////////!?!?×11』

星之宮「あらあらあらあら~♪」

茶柱「……//////」


ついに神室さんはスゴく小さな声で『キング』の由来を話し始めた……次の瞬間!


あたしたちの間はシーンとなった。皆は声も出ずにその場で固まり驚いていた。


星之宮先生だけは笑顔で余裕綽々と言った感じで聞いていた。暫くの沈黙の後……皆、思い思い話し始めた。


坂柳「まさか……そのような経緯からついた愛称だったとは…//////確かな情報なんですよね、真澄さん?」

神室「……私が冗談でこんなこと言うと思ってんの?」

椎名「な、なるほど……それはその…何て言うか…神室さんが言い渋ったのも理解出来ますね、はい//////」

伊吹「男子ってほんとバカ…//////」

堀北「……聞かなきゃ良かった案件ね//////」

長谷部「そ、そんなにきよぽんのスゴいのかな//////?」

櫛田「そりゃ、あだ名にするくらいだし…//////」

松下「あはは……なんていうか、びっくりだね…//////」

佐藤「……あうぅ//////」

佐倉「あわわわ…//////」

一之瀬「にゃ~…//////」

軽井沢「……//////」


坂柳さんが一度、神室さんに事実確認した後、あたしたちの間に流れる動揺。


たぶん皆、頭の中で整理出来ていないんだと思う。あの坂柳さんたちでさえ狼狽えてるし……。


てかさ……あたしだって整理できていないんですけどーーー////////////!!!


一之瀬「そ、そろそろ上がろっか//////?なんか暑くなって来ちゃったし…//////」

坂柳「そ、そうですね。清隆くんも待ってるでしょうし…//////」

櫛田「う、うん。長風呂は禁物だしね…//////」

椎名「……ですね//////」

伊吹「……あたしも上がる//////」

長谷部「わ、私たちも上がろうかなぁ…//////ほら、愛里いくよ~?」

佐倉「はうぅ…//////」

居たたまれなくなったあたしたちに一之瀬さんが提案した。

それに同調して、櫛田さんたちも湯船を出た。皆、顔が真っ赤だったけど……のぼせたわけではないと思う。

佐倉さんに至っては今にも倒れそうな様子で長谷部さんが介抱していた。

星之宮「皆、狼狽えちゃって可愛いわね~♪じゃ、私たちも上がりましょ~サエちゃん?」

茶柱「……そうだな//////」

堀北「……//////」

次に立ち上がったのは先生たちと堀北さん。先生たちは話しを聞いても普段通りだった。

この程度では動じないのね……これが大人の余裕か。

堀北さんは無言だったけど、動揺してるように見えた。

松下「じゃ、じゃあ私たちも上がろっか//////?」

軽井沢「そ、そうね//////」

佐藤「……ぷしゅ~//////」

神室「……」


皆に続いて、最後にあたしたちと神室さんが湯船を出る。


佐藤さんは佐倉さんと同様に顔が真っ赤で今にも倒れそうだったから、あたしと松下さんで支えながら歩いた。


その間、誰も脱衣場に向かうまで一切喋っていなかったけど……あたしたちの後ろに居た神室さんが小声で『だから言ったのよ…』って言ってたのをあたしは聞き逃さなかった。
入浴後。

綾小路「……うまいな。」

入浴を終えた俺は今、風呂上がりのコーヒー牛乳を飲んでいる。初めて飲んでみたが中々うまい。

流石は昔から親しまれている飲みものなだけある。風呂上がりに飲むにはぴったりだ。

久しぶりに湯に浸かったし、ゆっくりも出来た。今日は非常に有意義な時間だったと言える。ただ、1つ気掛かりがある……それは…

軽井沢「……く~♪コーヒー牛乳最高~♪」

松下「生き返るって感じするよね~♪」

佐藤「ほんとほんと!」

長谷部「イチゴ牛乳おいしいね~愛里♪」

佐倉「うん、おいしいね♪」

一之瀬「お風呂上がりって一段とおいしく感じるよね♪」

堀北「そうね。」

櫛田「確かに~♪」

椎名「牛乳おいしいですね~♪伊吹さんも飲んでますか?」

伊吹「飲んでるわよ……フルーツ牛乳。」

坂柳「ふふ♪お風呂上がりは牛乳に限りますね。そう思いませんか、真澄さん?」

神室「……はいはい、そうね。」

星之宮「……ぷはぁ~♪ビールおいしいわ~♪これよ、これ!この瞬間が一番幸せ~♪」

茶柱「……生徒が居る前ではしたないぞ、知恵。」


それは……恵たちの様子。傍目から見れば普段通りの恵たちに見えるだろう。何も気掛かり等無いように思える。


だが、今の状況はとても不自然な状態になっている。その状況と言うのは…


『…………////////////×12』

綾小路「……」


恵たちが風呂から上がって以降……俺から距離を取っている。一切目を合わせてくれない上に此方から目線を送ると絶対に逸らされる。それはもう、俺を視角に入れないような勢いで。


明らかに様子が可笑しい……風呂入る前は普段通りだった。それなのにこの状態。『何か』あったとしか考えられないが、その『何か』が俺には分からない。


恵たちの表情や態度から察するに……俺と話すのが気不味いような……もしくは顔を合わせづらいような空気が漂っている感じだろうか?


しかし、こうも一方的に避けられると流石の俺でも傷つくんだが……


星之宮「はぁーい♪綾小路く~ん。」

綾小路「……どうも。」

星之宮「一之瀬さんたちの言ってた通り本当に来てたのね~?会えて嬉しいな~♪ねぇ~サエちゃん?」

茶柱「……うるさいぞ、知恵。」

俺が恵たちの様子を観察していると、星之宮と茶柱が此方の方にやって来た。

星之宮は缶ビールを片手に俺の肩を組むようにして絡んできた。

まさか、茶柱たちまで居るとはな……風呂上がりのせいか、いつも以上に大人の色気が出てる気がする。

綾小路「お二人も来てたんですね?」

星之宮「そうよ~?奇遇ね~綾小路くん♪」

茶柱「私たちは仕事帰りに寄ったんだ。そういうお前は一之瀬たちに誘われて来たんだろ?」

綾小路「……まぁ、そうですね。」

茶柱「フッ……モテる男は大変だな、綾小路?」

綾小路「……別にモテてる訳ではないと思いますけどね。」

茶柱は不敵な笑みを浮かべながら、そう言った。茶柱は俺を弄る時、心の底から楽しそうにしている気がする。良い趣味してるな、ほんと。

それより、今は茶柱たちの相手をしてる場合じゃないんだが……

茶柱「そう謙遜するな。」

星之宮「そうだそうだ~♪いつも一之瀬さんたち侍らせてるくせに~♪」

綾小路「……誤解を招く言い方は止めて欲しいんですが。」

星之宮「だって事実でしょ~?今だって二人の美人教師侍らせてるし~内心嬉しくて仕方ないんでしょ~?このこのぉ~♪」

星之宮は俺の胸辺りに肘をついてからかってきた。

この二人を一辺に相手するのは流石にキツいな……絡みが面倒だ。

とりあえず、今は我慢の時。この二人が飽きるまで適当に相手しておこう。

綾小路「……そうですね。今日の先生方はいつにも増してお綺麗ですから、俺は幸せ者ですよ。」

茶柱「……な//////!?」

星之宮「あらあら♪お世辞が上手いわね~綾小路くん?」

綾小路「俺はお世辞じゃなく、本心からそう思ってます。先生方はとても綺麗ですから。」

星之宮「……//////(綾小路くんは年上をたぶらかす才能もあるようね~?それでいてアッチのサイズも規格外……か//////俄然、興味湧いてくるなぁ~うふふ//////♪)」

茶柱「……//////(綾小路はお世辞を言ってるだけだ……こんな事で嬉しがるな、私//////!そして、さっきのあだ名の事も忘れろ、私//////!)」

俺は思ってる事をそのまま茶柱たちに伝えた。茶柱たちが美人なのは間違いないからな……性格はともかく。

話しも一段落したし、ここらで恵たちについて探りをいれてみるとするか。

綾小路「あの……先生方に1つ聞きたい事があるんですが…」

星之宮「聞きたいこと?あ!もしかして~……一之瀬さんたちの様子についてかな?当たり?」

綾小路「……」

星之宮「やっぱりね~♪綾小路くんさっきから一之瀬さんたちの事ばっか見てたしね~?そんなに皆の様子気になる?」

星之宮は俺が帆波たちに視線を送っていたことに気付いていたようだ。

俺は出来るだけ周りに悟られないように努めていたんだが……この人に勘づかれるとは俺もまだまだだな。

ここは変に言葉を濁すよりも、素直に答えておこう。

綾小路「……まぁ、そうですね。」

星之宮「先生教えたげよっか?」

綾小路「何か知ってるんですか?」

星之宮「そりゃ、勿論♪知りたい?」

綾小路「何か知っているのなら、教えて欲しいですね。」

星之宮「じゃあ、教えたげるね~♪」

茶柱「!!!」

星之宮の口振りから察するに事情を知っているように伺える。

信用出来るかは別として、何かヒントになるかもしれない。ここは聞いてみるとしよう。

俺が肯定した瞬間、茶柱が驚いた顔していたのは気のせいだろうか?

星之宮「皆の様子が可笑しいのは~……ズバリ!お風呂上がりだからよ、綾小路くん?」

綾小路「……どういう意味ですか?」

星之宮「お風呂上がりの姿って普段、異性に見せないでしょ?女の子からしたら、今の状況は緊張しちゃうのよ。」

綾小路「そういうものなんですか?」

星之宮「そうよ~。お風呂上がりは素っぴんだし、高校生なんて特に一番色気づく年頃だから色々と気になっちゃうもんなのよ♪ねぇ~サエちゃん?」

茶柱「……あ、あぁ、そうかもしれないな。」

綾小路「……なるほど。」

ダメ元で聞いてみると、意外にもまともな答えが返ってきて驚いた。この人の性格上、俺をからかってくると思っていたから余計に。

それはともかく……言われてみれば説得力がある。それなら俺と顔を合わせづらい理由も合点がいく。確かに俺はそういった配慮が足りなかったのかもしれない。

星之宮「綾小路くんは一之瀬さんたちと行動することが多いんだから、こういう女の子の気持ちも読み取れるように頑張らなきゃダメよ♪女の子はデリケートな生き物なんだからね?」

綾小路「……善処します。」

星之宮「偉い偉い♪じゃあ、話しも終わったし~…私と何処かで休憩でもしな……いったぁーい!なにすんのよ、サエちゃん~?」

茶柱「……ふざけてないで帰るぞ、知恵!」

星之宮「うぅ……暴力反対…」

星之宮は俺に軽くアドバイスした後、何か言いかけたところで……茶柱に制裁を加えられた。

最後まで教師らしく振る舞えないのもこの人らしいな。

茶柱「全く……じゃあ、私たちは先に帰る。お前たちも気を付けて帰るんだぞ?」

綾小路「俺は大丈夫ですよ。先生に心配されるほどヤワじゃないんで。」

茶柱「フッ……相変わらず、可愛くない奴だな。じゃあな、綾小路。」

星之宮「バイバーイ、綾小路くーん♪一之瀬さんたちの事よろしくね~?」

綾小路「……はい。」


茶柱は最後に皮肉を言いながら、銭湯を後にした。星之宮は茶柱に引き摺られながら銭湯を出るまで俺に手を振っていた。俺も一応、頭を下げて対応した(仕方なく)


本当に騒がしい先生だなと思ったが……今回は助言をくれたので、何も言わないでおこう。


俺はこの後、恵たちとどう対面するか考えることにした。




















星之宮「……うふふ♪」

茶柱「何、笑ってるんだ……気持ち悪い。」

星之宮「サエちゃんってば、私がお風呂であった話しをそのまま綾小路くんに伝えると思って驚いてたでしょ?」

茶柱「……」

星之宮「そんな野暮なマネしないし、お風呂で話した内容も綾小路くんには絶対秘密にしておくから安心して♪」

茶柱「……どうだかな。」

星之宮「もう信用ないな~……あ!でも~さっきの話しで俄然綾小路くんに興味持っちゃったから~気を付けてね?」

茶柱「……ふん。」





















帰り道。

一之瀬「……//////(にゃ~……あだ名の話し聞いてから清隆くんの顔まともに見れなくなっちゃったよ~//////清隆くんのどれくらいスゴいのかな……ってそんなエッチな事考えちゃダメだよ、私//////!)」

櫛田「……//////(男の子から見ても大きいって言うんだから相当だよね……うん//////色々覚悟しといた方が良さそうかも…//////)」

長谷部「……//////(きよぽんの大きいのかぁ~//////愛里が一人できよぽんの相手するの大変そうかもね~……その時は私が手伝ってあげるしかないかな~なんて//////♪)」

佐倉「……//////(清隆くん……『キング』……ぷしゅ~////////////)」

堀北「……//////(落ち着くのよ、鈴音。キングの由来とか私は何も聞いてないし知らない……今日の事は全て忘れるのよ//////!)」

伊吹「……//////(あたしは別に綾小路のあだ名の話しとか知りたいわけじゃなかったんだから聞かなきゃ良かった……ほんと、最悪//////!)」

椎名「……//////(『キング』のお話しが本当なら清隆くんのお相手をするのは容易では無さそうですね……//////今後の為に私も色々勉強しておく必要がありますね…//////)」

坂柳「……//////(清隆くんは『雄』としても最高傑作だったのですね……//////それならば、私も貴方の最高傑作を受け入れる準備はしっかりしておかないとですね//////♪)」

神室「……//////(橋本のやつ綾小路に下らないあだ名なんてつけて…//////これじゃあ、アイツがキングって言う度に思い出しちゃうじゃない……あぁ、もう//////!)」

松下「……//////(綾小路くんって知れば知るほど色んな意味でスゴいんだね……ギャップがヤバいかも//////)」

佐藤「……//////(清隆くんの一体どれくらい大きいんだろ……きっと私の想像よりもずっと…あわわわ//////)」

軽井沢「……//////(清隆はなんなの?全てにおいて完璧なの//////!?しかも、ソッチの方までスゴいって……あたしの身にもなりさいよーーー////////////!!!)」

綾小路「……」


帰り道は俺が話す間もなく、女性陣は俺から距離を取ってあっという間に離れてしまった。遠目から見ても恵たちは談笑してる様子がなく、静かに足早に寮に向かっていた。


そんなに俺と対面するのが嫌だったのだろうか……と俺は精神的ダメージを受けながら帰路についた。


部屋に戻ると恵たちからそれぞれチャットで『(あたし)頑張るね(から)』……と謎の決意表明みたいなのが届き、俺は混乱したのであった。

 
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