綾小路くんがハーレムを構築する話
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清隆くんのお宅訪問 佐倉編
3月初旬の朝。
佐倉「はわわわ……つ、つ、ついにこの日が来ちゃったよ~//////」
朝から私は落ち着かない気分でいた。それは緊張のような興奮のような感じ……
それもそのはず。今日は私の番!
清隆くんと過ごせる1日になる予定……になるから……意気込みはバッチリ……のはずなんだけど……
佐倉「うぅ……ほ、ほんとに上手くいくかなぁ?私なんかのお願い聞いてくれるかなぁ……」
私は一瞬でいつものネガティブ思考に戻ってしまった……
さっきまでの意気込みはどこにいっちゃったんだろう……
うわぁ~ん//////やっぱり不安だよぉ……波瑠加ちゃんー//////
昨日の夜。
~♪~♪~♪
ビクッ……
私はお風呂から上がって髪を拭いていた時に電話が来た。
一体誰かなぁ……私の電話番号を知ってる人は自分で言うのも何だけど数える程度しかいない。
前に星之宮先生から電話来たときは知らない番号だったから出るのが怖かったなぁー……
怖いけど、とにかく今は電話に出て確認してみよう。もしかして……清隆くんかも//////
佐倉「もしもし……」
???『お!やっほー愛里♪やっと出たね~もしかして忙しかった?』
この声は……
佐倉「波瑠加ちゃん!全然大丈夫だよーどうしたの?」
私の一番の友達の波瑠加ちゃんからだった。
いつも学校で一緒だけど……こうやって夜に電話越しで話せるのも嬉しいなぁ♪
長谷部『いやいや~ちょっと明日の事でね~♪』
佐倉「……明日?」
何か重要なことあったっけ……?
あ……!!!。
長谷部『やっぱり……愛里の事だから、クジ引いた瞬間に緊張して今のいままで忘れてたでしょ?』
佐倉「うぅ……どうしよう~//////」
長谷部『もう~愛里は可愛いな~♪……ゴホン。まぁ、その事で電話したってわけ。何か作戦とか考えてた?』
佐倉「そ、そんなぁ~急に作戦って言われても……もう私の番が来たって思うと緊張でそれどころじゃ……」
長谷部『気をしっかり持たなきゃダメだよ、愛里!これを期に他の皆もきよぽんにアピールしてるかもしれないんだから!』
波瑠加ちゃんは語気を強めて私に言った。
佐倉「それはそうだけど……でも……」
波瑠加ちゃんは私の事を心配して電話をしてくれたのかも……
後は私が弱気になってるだろうと思って渇を入れに来てくれたのかな?
私にここまでガツンと言ってくれる女の子は波瑠加ちゃんだけだからスゴく有り難い。
でも……自分で清隆くんを誘う算段や作戦なんて私にはとてもとても……
長谷部『もう……しょうがないなぁ~可愛い愛里に免じて明日は私がしっかりサポートしてあげるから♪』
私がいい淀んでいたら、波瑠加ちゃんが優しい声でそう言ってくれた。
佐倉「え?ほ、ほんと?波瑠加ちゃん!」
長谷部『もち♪……そりゃあ愛里が自分ででスパッときよぽんを誘ってチャッチャッと部屋に連れ込めば話しが早いけどさ~。今の愛里はほっとけないしね~♪』
佐倉「は、波瑠加ちゃんー//////」
簡単に言わないでよ~それに……つ、つ、連れ込むとか言わないでよ~//////
長谷部『あはは♪ごめんごめん。愛里の反応が可愛くてつい♪』
佐倉「うぅ……//////」
長谷部『からかうのはこれくらいにして……愛里なんかいい考えある?』
佐倉「う~ん……」
長谷部『やっぱり、こればっかりは愛里が考えないとダメでしょ。私はサポートはするけど甘やかさないからね~♪』
波瑠加ちゃんは少し……いや、かなり楽しそうにしているのが気になるけど……
……確かに波瑠加ちゃんの言う通りだよね?
波瑠加ちゃんに甘えてばかりじゃ駄目!
それくらい自分で考えないと……
う~ん………あ!!!
これなら……もしかして上手くいくかも。
佐倉「あ、あのさ波瑠加ちゃん……これなんてどうかな?」
長谷部『お!何か思い付いた?どんなアイディアかなぁ?』
佐倉「自分から自然な感じで清隆くんを誘うのは私には難しいからさ……」
長谷部『うん……確かに愛里には難易度高いかもしれないけどさ……』
佐倉「いつもさ……テスト前に勉強会開いてるでしょ?勉強会みたいなの開いてその流れで、清隆くんに勉強教えて感じで誘えないかなぁって……」
長谷部『おーー!なるほどね~』
佐倉「って感じなんだけど……ど、どうかな?」
長谷部『うん……スゴくいいんじゃない?てか、これなら自然に誘えるじゃん!絶対上手くいくよ~♪』
佐倉「ほ、ほんと?」
長谷部『間違いないね。完璧完璧♪やるじゃん~愛里♪』
波瑠加ちゃんからお墨付きをもらってスゴく安心した。
長谷部『これなら私はサポートいらないかもね~?』
佐倉「ちょっ……それはダメだよ~波瑠加ちゃん。」
長谷部『冗談冗談♪愛里の作戦はそれくらい大丈夫ってこと!まぁ、サポートは任せて!明日勉強会開けるように上手く誘導するからさ!』
佐倉「うん!お願いします。」
長谷部『OKOK。じゃあ……』
波瑠加ちゃんは電話を切ろうとしてたけど……
佐倉「あのさ……波瑠加ちゃん」
長谷部『うん?』
佐倉「あ、ありがとね//////♪心配してくれて……相談も乗ってくれて……」
長谷部『え?ちょっ……やめてよ~愛里///
そんな風に言われると恥ずいからさ~……それにそういうのは明日上手くいってからにしなきゃ!』
佐倉「あ……えっと……う、うん!そうだよね!」
長谷部『そうでしょ?じゃあ、明日ね~♪おやすみ~』
佐倉「うん!おやすみなさい♪」
私たちは一通り話し終わった後に電話を切った。
ふぅ……波瑠加ちゃんが電話してくれて良かった~。
波瑠加ちゃんはやっぱり優しいなぁ♪
波瑠加ちゃんのお陰でスゴく元気が出たし……明日頑張れる気がする。
よ、よーし……明日は頑張ろう!
そんな意気込みを持って私は眠った。
AM7:30
それが昨日の私の出来事。
佐倉「はぁ……昨日立てた私の作戦なんかで本当に大丈夫かなぁ……」
私はネガティブな感情を抱えたまま、制服に着替えて学校の準備をしていた。
ううん……今からこんなに弱気になってちゃダメだよ!ポジティブに考えなきゃ!
私には波瑠加ちゃんだってついてるんだし……きっと大丈夫だよ!
そういえば……
波瑠加ちゃんはどうするんだろう……?
今日が私で明日が波瑠加ちゃんの番だったよね……?
波瑠加ちゃんは清隆くんと過ごしたいって思ってるのかなぁ?昨日は私のために電話してくれてサポートまでしてくれるって言ってくれたから私は勇気が出たけど……
……波瑠加ちゃんは清隆くんの事どう思っているんだろう?
……って余計な事考えてちゃダメだよ私!今はそんな事を考えていられる余裕は無い!
今は今日の作戦の事だけに集中しよう!そうじゃなきゃサポートしてくれる波瑠加ちゃんにも申し訳が立たないもん!
私は一生懸命自分を奮い起たせて学校に向かった。
昼休み。
ガヤガヤ……
長谷部「うわぁ……今日も学食は人が多いね~」
佐倉「う、うん……そうだねー波瑠加ちゃん」
三宅「いや、いつも通りだろ?」
幸村「奥の席空いていたぞ?ここに座ろう。」
綾小路「そうだな。」
佐倉「清隆くん……隣に座ってもいいかな?」
綾小路「あぁ、構わない。」
佐倉「あ、ありがとう//////」
や、やった//////!
清隆くんに了承を得て、私は隣に座る事が出来た。
今、私たちは学食に来ていた。
清隆くんを中心としたこのグループが出来てからはほぼ毎日ここに来て皆でお昼を食べる。
私は放課後にワイワイするのも好きだけど……皆でお昼を食べるのも好きだなぁ♪
ちなみに真ん中が清隆くんで右隣が波瑠加ちゃん、私が清隆くんの左隣で、向かい側に明人くんと啓誠くんという形で座った。
綾小路「ここの学食やっぱり……旨いな。」
長谷部「きよぽん……それ、いつも言ってない?」
三宅「確かに……清隆はいつも噛み締めて食べてるよなー」
幸村「まぁ、実際ここの学食は栄養バランスもよく考えられているから安心だ。」
長谷部「あはは♪そこまで考えて食べてるのってゆきむーくらいでしょー」
幸村「な……!栄養バランスは大事な事なんだぞ!!!」
長谷部「はいはい……分かった分かった」
啓誠くんは波瑠加ちゃんの適当な返事を見兼ねて栄養とは何たるかを話し始めた……
波瑠加ちゃんと明人くんは適当な返事をしつつ、啓誠くんを茶化していた……
この感じ……いつも通りで落ち着くなぁ~
佐倉「……」
チラッと隣に座っている清隆くんを見る。
私と一緒で波瑠加ちゃんたちの会話には参加していないし、いつもと同じ無表情だけど……楽しそうにしているのを感じた。
綾小路「どうかしたか?愛里?」
佐倉「……ふぇっ//////?」
綾小路「いや……食べている所をずっと見られると緊張するんだが……」
佐倉「あわわ……えっと……その//////」
綾小路「?」
私、そんなに清隆くんを見詰めてたのかなぁ……//////?
それに……そんなに清隆くん見詰めないで~……恥ずかしいよぉ//////
波瑠加ちゃんはこちらの様子を見てニヤニヤしていた……
佐倉「ご、ごめんね、清隆くん!その……あまりにも美味しそうに食べてたから……つい//////」
綾小路「そうか?」
佐倉「うん//////」
私たちがそんな話しをしていると、波瑠加ちゃんが……
長谷部「あれ~お二人さん……随分仲良しですな~♪?」
佐倉「そ、そんなんじゃないよ~//////」
案の定私たちをからかいってきた……もう~//////
長谷部「愛里ったら照れちゃって~可愛い~♪」
三宅「あんまり、愛里をいじめるなよー波瑠加」
長谷部「はいは~い♪」
幸村「本当に分かってるのか?」
長谷部「ゆきむーまでひどいなぁ~分かってるって♪」
幸村「全く……。なぁ、突然なんだが……皆は一年生最後の試験はどういう内容になると思う?」
啓誠くんは急に真剣な面持ちで話した。
長谷部「いきなりどうしたん?ゆきむー」
幸村「いや……」
長谷部「何かゆきむーらしくない感じ~」
三宅「やっぱ……難しい試験になるんじゃないか?」
佐倉「わ、私もそう思うな。清隆くんは?」
頭の良い啓誠くんでも、やっぱり不安あるんだろうな……
私はさりげなく、清隆くんにも聴いてみた。
その瞬間……清隆くんに視線が集まる。
綾小路「そうだな……俺も明人と一緒だな。一概には言えないが、難しい試験になるのは間違いないと思う。」
清隆くんらしい答えだなぁ……
長谷部「まぁ、あんまりさー難しく考えるのも良くないんじゃない?」
三宅「そうだな。まだ試験まで時間はあるから、今から気に止んでも仕方ないしな。」
幸村「そうだな。何か悪かったな……暗い気持ちにさせてしまって。」
長谷部「ゆきむーったら真面目だね~……そうだ!」
佐倉「どうしたの、波瑠加ちゃん?」
波瑠加ちゃんはこちらを見て、急にニヤっとした。
長谷部「今日放課後にちょっとだけ勉強会開かない?試験の対策に繋がるか分からないけどさ。」
幸村「波瑠加からそんなこと言うなんて……珍しいな?」
綾小路「確かにな。」
長谷部「む……ゆきむーたち失礼だな~私だって色々考えてるんだからね~」
波瑠加ちゃんは頬をふくらませて怒っていた……波瑠加ちゃん可愛いなー。
三宅「まぁ、俺は別にいいぞ?今日は部活休みだしな。」
明人くんが一番最初に波瑠加に賛成した。
佐倉「私も!やっぱり、何かしてないと不安だし……」
長谷部「でしょ?……もちろん、この中で一番頭が良いゆきむーが私たちに勉強教えてくれたらだけど?」
波瑠加ちゃんは啓誠くんの方を見て、啓誠くんの答えを待っていた。
幸村「そうだな……予習、復習はしておいても損はないしな。」
長谷部「んじゃあ、決まりね~。ちなみにきよぽんは強制参加だから、よろしくー」
綾小路「……俺は強制なのか?」
長谷部「だってさー前回……一人だけ参加しなかったしーいいでしょ?」
波瑠加ちゃんは私の方を見ながら、ウィンクをしてきた。
私のために清隆くんを上手いこと参加させようとしているのが、分かった。
綾小路「……分かった、参加する。」
やったー//////♪
長谷部「はい、決まりね~♪放課後に図書室で勉強するってことで。」
佐倉「が、頑張ろうね!清隆くん。」
綾小路「あぁ。」
話しが一通り終わったところで、ご飯を食べ終わった私たちは教室に戻る。
波瑠加ちゃんの機転のお陰で、何とか放課後に勉強会を開くこと出来た。
良かったよ~。
長谷部「何とかここまで、上手くいったねー!」
清隆くんたちと少し距離が離れてから波瑠加ちゃんは私に話しかけてきた。
佐倉「うん!ありがとうー波瑠加ちゃん!」
それにしても、波瑠加ちゃんの話しのまとめ方凄かったなぁー……。
長谷部「いや~実際焦ったけどねー……ゆきむーから特別試験の話しが出るからさー……私がさりげな~く試験の話しをして、その流れで勉強会開こうって言うつもりだったからさ~」
そんな風に全然見えなかったけどな……ここまで話し進められただけでもスゴいよ!
佐倉「波瑠加ちゃんの機転のお陰だよ~!」
長谷部「安心するのはまだ早いよ、愛里!勝負は放課後何だから!」
佐倉「う、うん。」
長谷部「まぁ、多分だけど、愛里の頼みならきよぽんは断らないと思うけどね~……」
佐倉「ほんと?」
長谷部「まぁ、何となく?とにかく放課後気張るよ、愛里!」
佐倉「は、はい!頑張ります!」
放課後、図書室。
幸村「全く……二人とも相変わらず、文系は駄目だな?」
長谷部「えへへ♪」
幸村「えへへ……じゃないだろう?まぁ、一時よりは良くなったがな。」
長谷部「でしょ?それに今は私の方が、みやっちより優秀だもんね~♪」
三宅「……次は俺の方が点を取る。」
佐倉「ふふ、頑張って!」
長谷部「え~愛里は私の応援でしょ~?」
私たちは約束していた通り放課後に図書室に来ていた。大体、図書室に来てから一時間くらい経つ。
静かな空間で勉強で出来ていたせいか、皆集中していた。いつもはパレットでガヤガヤしてるからね……
啓誠くんがそれぞれ皆に合わせて作ってくれた問題を解いて、啓誠くんが採点してくれている。
幸村「やっぱり……清隆は優秀だな。」
今回も清隆くんは啓誠くんの作った問題を難なくクリアしたみたい。
スゴいな~//////
綾小路「啓誠の教え方が上手いだけだ。」
長谷部「む~……きよぽんめ~」
佐倉「スゴいね!清隆くん//////」
綾小路「そういう愛里も苦手な数字でほぼ満点だろ?普段から勉強している証拠だな。」
佐倉「……//////」
清隆くんに……褒められちゃった~//////!!!
やったー//////……って浮かれている場合じゃないよ~……!!!
何とかしないと勉強会終わっちゃうよ~……私がそう心の中で慌てていたら……
三宅「すまん、皆……俺はここで抜ける。」
長谷部「あれれ?何か予定あったん?」
三宅「あぁ、部活の先輩に呼ばれててな。今日はこれで……じゃあな。」
綾小路「またな。」
長谷部「じゃあね~みやっち。」
明人くんが急いで、図書室を出て云った後……
幸村「……俺も今日の授業の復習と予習もしておきたいから、今日のところはこれで終わりにしよう。」
長谷部「あらら……ゆきむーも?相変わらず、勉強の虫だね~?」
幸村「普段からのルーティーンってやつだ。また明日な。」
長谷部「ゆきむーまたね~」
啓誠くんも帰っていった……。
今、ここに残っているのは私と波瑠加ちゃんと……清隆くんの3人。
綾小路「さて……啓誠も帰ってしまった事だし、今日の勉強会はここまでだな。」
長谷部「そうだね~。んじゃ、とりあえず私たちも図書室出ますか。」
佐倉「そ、そうだね……」
私たちは帰り支度をして、図書室を出た。
今の並びは私が真ん中で右隣に波瑠加ちゃん、左隣に清隆くんの状態で歩いてる。
綾小路「そういえば、今日は珍しく波瑠加は集中してたな?」
長谷部「ちょっとー!きよぽん酷くない?私だってやるときやるもんね~だ。ね~愛里?」
波瑠加ちゃんは少しふてくされ気味に言った……
確かに、波瑠加には悪いけど今日は集中して頑張っていた気がするな~。
佐倉「あはは。うん、そうだね。でも今日啓誠くんが作ってくれた問題難しかったよね?」
長谷部「だよね?でも、きよぽんは難なく解いてたみたいだし……やっぱり普段から、勉強してる感じ?」
綾小路「まぁ、復習程度だ。啓誠みたいに普段から予習とかはしてない。」
長谷部「へぇー……」
波瑠加ちゃんはそう言った後、こちらをチラッと見た……
何となくだけど、波瑠加ちゃんに今がチャンスだよ!……って眼で語っている気がした。
確かに……今なら、自然に清隆くんにお願い出来る感じがする。
よ、よーし!!!頑張れ、私。
佐倉「あ、あのさ……き、清隆くん!」
綾小路「ん?どうした、愛里?」
清隆くんは足を止めて、こちらを向いた。
佐倉「えっと……その…//////」
綾小路「?」
長谷部「どうしたのー愛里?(頑張れー愛里!)」
清隆くんは私が話すまで、待ってくれているけど……
う、うわぁ~ん//////そ、そんなに見詰められると……私//////。
もう……勢いで言っちゃえー//////
佐倉「さ、さっき数字の問題でね……ちょっと解らないところがあったから清隆くん教えてくれない……かな//////?」
伝えたい事は大体言えた気がする……
後は、清隆くんの返事次第……
緊張と心臓のドキドキがうるさい……
私は目を瞑って清隆くんの返事を待った//////そしたら……
綾小路「……俺で良ければ別に構わないぞ?」
佐倉「ふぇっ……ほ、ほんと//////?」
綾小路「あぁ。」
私は恐る恐る清隆くんの方を見た。
こんなにあっさりOKしてくれるなんて…ゆ、夢じゃないよね……?
うわぁーい//////波瑠加ちゃん私出来たよ~!思わず私は波瑠加ちゃんに目を向けた。
長谷部「二人とも勉強熱心だね~……まだ、勉強するんならもっと集中出来る環境の方がいいんじゃない?例えば……どっちかの部屋とか?」
波瑠加ちゃんはウィンクをしながら、私が自然に自分の部屋に誘いやすいようにフォローしてくれた。
波瑠加ちゃん……ありがとうー//////
私はもう一度勇気を出して……
佐倉「それならさ……き、清隆くん……私の部屋でもいいかな//////?」
綾小路「……愛里の部屋?いいのか?俺が行っても」
佐倉「うん!もちろんだよ//////!!!」
綾小路「まぁ、愛里が一番集中しやすい環境の方がいいしな……分かった。波瑠加もどうだ?」
や、やったー//////♪
こ、こんなに簡単に上手くいくなんて……
波瑠加ちゃんのお陰だよぉ♪
長谷部「私はこの後、ちょっと買いたい物もあるからこの辺で……じゃあね~二人で頑張ってー(やったね、愛里!後は頑張れ!)」
綾小路「そうか。また明日な。」
佐倉「そうなんだ……またね、波瑠加ちゃん!(ありがとうー波瑠加ちゃん!頑張ります!)」
波瑠加ちゃんはケヤキモールの方に向かって行きながら私たちに手を振って別れた。
本当にありがとう……波瑠加ちゃん!
これから、清隆くんと二人きりになると思うと緊張するけど……//////
今はとにかく、この瞬間を楽しまなきゃ!
私はそう決心しながら、清隆くんと一緒に私の部屋まで歩いて向かった。
私の部屋。
ガチャッ……
佐倉「き、清隆くん。ど、どうぞ//////!」
綾小路「……お邪魔します。」
清隆くんは周りを確認して、靴を揃えてから私の部屋に入った。
それに続いて私も部屋に入り、私が先導して部屋に案内する。
これで、完全に私と清隆くんの二人きり……//////
しかも、私の部屋で……密室……はわわわ//////
今のうちから、こんなに緊張してたら持たないかも……//////
平常心平常心……。
綾小路「愛里の部屋綺麗だな。」
佐倉「!!!。そ、そうかな//////?」
綾小路「あぁ。」
佐倉「そ、そっか……良かった。普段から掃除はしているけど、ここには波瑠加ちゃん以外来たこと無いから…」
綾小路「波瑠加もよく来るのか?」
佐倉「う、うん。大体が突然なんだけど……」
綾小路「波瑠加らしいな……大変だな、愛里。」
佐倉「最初は戸惑ったりしたけど、最近はそんな事なくて……むしろ来てくれるのがスゴく嬉しいよ//////!」
この気持ちに嘘偽りはない。
波瑠加ちゃんと一緒に居る時間はとても楽しいから。
綾小路「そうか。」
佐倉「うん!」
よ、良かった~。
いつも通り普通に喋れてる気がする……//////。
この調子で行こう!
綾小路「それじゃあ、勉強するか。上手く教えられるか分からないが……」
佐倉「は、はい。お願いします。」
1時間後。
綾小路「この問題はこの数式を使えば簡単だぞ。」
佐倉「なるほど……こう?」
綾小路「あぁ、正解だ。」
佐倉「や、やった♪」
私は苦手な数学を中心に清隆くんに解き方を教えて貰っていた。
はぁ~……今、スゴく幸せだなぁ//////
清隆くんと一緒に二人きりで勉強出来るだなんてー……
しかも……こんなに清隆くんと近い距離で//////
綾小路「愛里……大丈夫か?」
佐倉「ふぇっ//////?」
綾小路「いや、勉強して一時間は経っているからな……少し休むか?」
清隆くんは心配そうに言ってこちらを見ていた……
清隆くんはほんと優しいなぁ…//////
このシチュエーション夢みたいだから、噛み締めておかなくっちゃ……じゃなかった……//////
はわわわ……//////
佐倉「あ、えっと……そ、そうだね//////今、コーヒー淹れるね?」
綾小路「手伝うか?」
佐倉「ううん、大丈夫だよ!清隆くんはお客さま何だし、ゆっくりしてて//////!」
私は清隆くんに顔を見られないようにそそくさとキッチンに向かった。
それにしても……清隆くんはいつでも優しいなぁ//////♪
私はルンルン気分で清隆くんの待つテーブルにコーヒーを持っていった。
佐倉「清隆くん。はい、どうぞ!」
綾小路「すまないな、愛里。」
私からコーヒーの入ったマグカップを受け取りながら、清隆くんは言った。
佐倉「これくらい当たり前だよ。それに……こちらこそ、教えてくれてありがとうだよ//////!」
綾小路「俺は教えるのがあまり得意じゃないと思うんだが……大丈夫だったか?」
清隆くんは少し不安そうに聴いてきた。
そんなこと、全然ないのになぁ……むしろ、とても分かりやすかった。
もちろん、啓誠くんの教え方も分かりやすいけど……
清隆くんの場合は、一問一問とても丁寧に解き方を教えてくれて、私には合っていた。
佐倉「お陰様で♪とっても分かりやすかったから大丈夫だよ!ありがとう、清隆くん//////♪」
綾小路「いや、愛里の呑み込みが早いだけだろ?」
佐倉「えへへ♪そうかなぁ?」
綾小路「あぁ。」
清隆くんはコーヒーを飲みながら、言った。
清隆くんといつもよりお喋り出来て楽しいなぁ//////。
まぁ、浮かれているのは私だけだけど……
それでも、私のために勉強を教えに来てくれただけでも感謝しないと!
佐倉「でも……私なんてまだまだだよ。波瑠加ちゃん達と違って得意な教科も無いからさ。」
綾小路「まぁ、波瑠加達の場合は得意科目が偏り過ぎだがな……。」
佐倉「あはは、確かに。」
綾小路「その分、愛里は苦手な数学を押さえておけば大丈夫だ。普段から予習復習もしっかりしているしな。」
清隆くんはいつも通り私を励ましてくれた//////
佐倉「う、うん!次の試験頑張るね。」
綾小路「あぁ、お互いにな……それにしても何か不思議だな。」
佐倉「え?」
何が不思議なんだろう……?
清隆くんから、そんなセリフが出るのは珍しかったから私はつい、間の抜けた返事をしてしまった。
綾小路「クラスで孤独だった俺たちが、こんな風にグループで一緒に居るのが……」
佐倉「うん……確かにそうかも!それもこれも皆、清隆くんのお陰だね!」
綾小路「ん?どうしてだ?」
佐倉「え?だって……清隆くんがペーパーシャッフルの時に勉強会開いていなかったら今のグループは出来て無かったかもしれないから……」
綾小路「あれは堀北のアイデアだ。俺は橋渡しをしただけだ。」
佐倉「どんな形でも、私はこのグループに入れたのは嬉しかったよ!」
綾小路「そういえば……このグループが出来る際、愛里が自分からグループに入りたいって頼みに来たのは驚いた。」
佐倉「うぅ……えっと……あれは……その、お恥ずかしい限りです//////」
今、思い出しても恥ずかしいなぁ……//////
あの時はどうしても、清隆くんと一緒に居たいって気持ちが優ったから……勢いで//////
でも、波瑠加ちゃんや皆が私を受け入れてくれた時はスゴく嬉しかった。
綾小路「あの時の愛里はカッコ良かった。」
佐倉「清隆くん…それ以上もう~言わないで~//////」
綾小路「本当だ。自分の意見を他人にぶつけるのは簡単じゃないからな。」
佐倉「う、うん……。」
私みたいに内気な性格な人は特に……
綾小路「……それに俺は嬉しかったぞ?」
佐倉「ふぇっ……/////!!!……な、なんで//////?」
今、清隆くん嬉しいって……言ったよね//////?
え?え?嘘……な、なんで~//////?
綾小路「そんな驚く事か?俺は愛里がこのグループに入ってくれて本当に助かってる。」
佐倉「え?で、でも……私、清隆くんを助けたことなんてないよ……いつも私は清隆くんに助けられてばかりだし……」
むしろ私は迷惑ばっか掛けてるのに……
綾小路「そんな事ない。愛里が上手く波瑠加達に仲介してくれているから、俺はこのグループで上手くやれている。」
佐倉「そ、それは波瑠加ちゃん達が優しくしてくれてるから……」
綾小路「それでも、愛里が居なかったら俺だけではこのグループを上手く纏めていたか分からなかったからな。」
佐倉「清隆くんなら心配なさそうだったけどなぁ……」
綾小路「あのな……波瑠加達は俺みたいな奴をグループのリーダーに勧めるやつだぞ?」
清隆くんはうんざりしてるような感じで言った。
未だにグループのリーダーになっている事が納得していないようだった。
清隆くんは分かっていないんだろうなぁ……
波瑠加ちゃんたちはきっと……清隆くんがグループの中心に居るから安心出来るっていうか……このグループの安定を保ってるんだって思っているだろうな……。
だって……清隆くんはグループの誰よりも周りをよく観ているし…優しいから//////
佐倉「ふふ♪」
綾小路「ん?何か可笑しな事言ったか?」
佐倉「ううん♪別に何でもないよ!清隆くん……こんな私でも役に立ってる?」
綾小路「あぁ、勿論だ。」
清隆くんは自信を持って言っているように見えた。
私としては、清隆くんを助けた実感は無いんだけど……
清隆くんが優しくそう言ってくれたから、何だか自信が持てた//////
佐倉「清隆くん……ありがとう//////♪」
綾小路「あぁ。……そろそろ時間も遅いから、俺は帰る。」
佐倉「え?う、うん……そうだね。」
清隆くんは帰り支度を手早く済ませてから、玄関の方に向かう。
私も、清隆くんを見送るために玄関に向かった。
はぁっー……もう帰っちゃうのかー……
清隆くんと二人きりで勉強をするのはとっても緊張したけど……//////楽しかったなぁ……//////♪
私が少し名残惜しい気持ちになっている間に清隆くんは靴を履き終えていた。
綾小路「じゃあな、愛里。戸締りしっかりな。」
佐倉「あ、清隆くん!ま、待って…」
綾小路「ん?どうした?」
清隆くんはドアを開けて出ていこうとしたところで、止まった。
それもそのはず……私が清隆くんの袖を掴んで引き留めたから……//////
はわわわ……どうして、清隆くんを引き留めちゃったの~//////
確かにまだ帰って欲しくないけど……じゃなくて~//////
とにかく、何か話さないと!
佐倉「えっとね……//////」
私がモジモジしながら、言い淀んでいたら……
綾小路「もしかして……まだ解らないところがあるのか?だったら、また今度にしよう。」
佐倉「!!!。い、いいの//////?」
綾小路「あぁ。俺で良ければいつでも教えるが?」
清隆くんは何か勘違いしているようだった……
でも、それってまた二人きりになれるってことだよね?
うわぁーい……//////や、やったー//////!
佐倉「う、うん!お願いします//////」
私はそのままの勢いでお願いした。
綾小路「あぁ。じゃあ、今度こそまたな。」
佐倉「うん!バイバイ清隆くん//////♪」
清隆くんはそう言って私の部屋から出ていった。
緊張感から解放されて私は自分の机に項垂れていた。
そして、私は落ち着いた後……
佐倉「や、やった~…//////!!!」
いの一番に発した言葉はこれだった。
まさか、こんな展開になるなんて……また清隆くんと一緒に勉強できるよ~//////
はぁっー……まだドキドキしてる//////
今日は最高だったなぁ//////♪
でも……私一人じゃ、この状況を作れなかった。
だから、ここまで頑張れたのは間違いなく、波瑠加ちゃんのお陰だ。
明日またお礼しないとね!
とにかく、今日は私にしては頑張れた気がする……。
清隆くんの事を想っている女の子はたくさん居ると思うけど……私だって負けたくない!
私もこれからは波瑠加ちゃんに頼ってばっかじゃなく自分で頑張ってみようかな……
私は自分にまだまだ自信は無いけど……ほんのちょっとずつだけでもいいから、前に進んでいこうと決意した。
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