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綾小路くんがハーレムを構築する話

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清隆くんのお宅訪問 櫛田編

3月初旬の朝。


AM6:30


櫛田「うーーん……いい朝♪そして今日はいよいよ私の番だね♪」

私は大きく伸びをしてからベッドから降りた。

そして、私は即座にスマホを確認する……これは私の朝の日課の1つだ。

メール件数25件……大体がクラスの違う男子からの『おはよう』メールだった。

はぁ………めんどくさ。

櫛田「ちっ……いつもいつも朝からメールしてくんなよ。うっぜぇな……」

私はいつものように愚痴をこぼしながらも『おはよう!いい朝だね。』とメールを返してから洗面所に向かった。

そして、顔を洗ってスッキリした私は寝癖のついた髪を整える。

鏡を見ながら私は一人の男の子の事を考えていた………

櫛田「綾……清隆くんはもう起きたのかな?」


今日『おはよう』メールが来た男の子たちの中には彼の名前は無かった………


いや……いつも無いんだけど………


それでも………


私は無意識に彼の名前が無いか確認をしてしまう……


そんな事をしても無駄なのにね……


いっそ私から『おはよう』ってメールしてみようかな……そしたら返してくれるのかな?


いやいや……まず私たち同じクラスだし、清隆くんには朝教室で会ったらいつも120%の笑顔で挨拶してるのに今更メールで『おはよう』なんてうざいだけだよね?


ていうか私はなんで朝から悩んでるんだろう……


今日が私にとって彼と仲直りできるかもしれない最後のチャンスだからかな………?


何て言うか私らしくないし、今は色々考えるのは後にしよう!


櫛田「とにかくこのチャンスを逃したら勿体ないんだから!!!気合入れて頑張らないとね!」


私はそう決意をして学校に向かう準備をした。



1ーCクラスの教室。


櫛田「みんなー!おはよう♪」

いつもの時間に登校した私はクラスの皆に元気良く一人一人に挨拶する。

一通りクラスにいる皆に挨拶をし終わったので、少し緊張しながらも彼の席に近付く……

清隆くんは隣の席の堀北と話していた………

ちっ………何で堀北が清隆くんの隣の席なんだよ………

ほんとムカつく………。

そんな事を思いながら、私は二人に話しかけた。

櫛田「おはようー♪清隆くん!……と堀北さん。今日も早いねー!」

綾小路「あぁ、おはよう。櫛……桔梗」

堀北「おはよう、櫛田さん。……私はついでなのかしら?」

櫛田「あはは♪そんなつもりはないよー。二人は何の話しをしていたのかな?」

綾小路「別にこれといった事は話していないぞ?強いて言うなら俺が今、読んでいる本の話しだ。」

堀北「えぇ。好きな作者が一緒だから本について語っていただけよ?櫛田さん。」

櫛田「へぇーそうなんだ……。」


ちっ……清隆くんと仲良く本の話しで盛り上がってんじゃねぇよ。


今日は私の番なんだから邪魔者は引っ込んでろよ……うっぜぇな。


櫛田「あのさ、清隆くん!ちょっと話しがあるんだけどいいかな?」

綾小路「ん?あぁ、別に構わないが…」

清隆くんはチラッと堀北の方を見ていた。

多分話しの途中だから堀北に気を遣って一応許可でも貰おうとしているのだろう……

そんなやつに気を遣わなくていいのに……

堀北「じゃあ、後でね。……き、き、清隆くん//////」

綾小路「いい加減慣れろよ……。」

堀北「しょ、しょうがないじゃない//////。早く話してきなさい//////!!!」

綾小路「分かった分かった。」

櫛田「……話しはまとまった?早く話したいからこっち来て♪」

堀北「な……!!!」

綾小路「お、おい……自分で歩くから大丈夫だ……」

櫛田「いいから、いいから♪」


朝から堀北なんかとイチャつくんじゃねぇよ!!!ったく……


イラついた私は強引に清隆くんの腕を掴んで教室を出ていくことにした……//////


少し恥ずかしいけど//////


驚いた堀北の表情が見てとれたので、少し気分がスッとした。


歩きながら、周りを見渡すと羨ましそうにしている女子が数多くいた。ったくどんだけ人気になっちゃってんのよ………


清隆くんは周囲の目線が気になっているようで、無表情を崩していないが、少し困ったような顔をしている気がした。


少し清隆くんに意地悪し過ぎたかもしれないけど………


優越感に浸れたのと清隆くんは腕を振りほどいたりしないで私にされるがままになっていたことが嬉しかった//////


そして、人気の無い空き教室に誘導した。


櫛田「ここまで来れば大丈夫かな?……あれー?清隆くんどうかしたの♪?」

綾小路「どうかしたの……じゃないだろ?……どう言い訳すれば俺の命を回避出来るのか考えてるところだ……。」

櫛田「あはは♪大袈裟だなぁ~そんなことしなくても大丈夫だよ♪」

綾小路「いや、大丈夫じゃないんだが……まぁ、いい。それで話したいことって何だ?」

櫛田「もう~せっかちだなぁ。授業まで時間あるんだから、ゆっくり話そうよ~♪」

綾小路「……こっちはそれどころじゃないんだがな。」

櫛田「まぁまぁ~♪」


ここまでは上手くいったね!


まぁ、漸く二人きりになれたから嬉しいっちゃ嬉しいんだけど……//////


こんなに簡単に連れてこれた訳だし……


でも……問題は………


どう部屋に誘うか全く考えてないこと……


ど、ど、どうしよーーー//////


今日は色々朝から余計な事を考えないようにしていたせいじゃん~


どういう風に誘えば自然なのかなぁ~


どのみち私は警戒されてるし、失敗するリスクの方が大きいよね……?


そう考えると清隆くんを自然に部屋に誘うのなんて難易度高すぎなんじゃ………


とりあえず、今は怪しまれないように話しを繋ぎながら考えるしかないよね…?


最悪いま、考えがまとまらなくても放課後まで時間はあるし……


私はそう思って、声を掛けようとしたら、清隆くんがある勘違いをし始めた……


櫛田「あの……」

綾小路「あぁ、分かってる。」

櫛田「え……?」

綾小路「そう言えば、今月からだったよな?後で、振り込むから待っててくれないか?」

櫛田「えっと……清隆くんは今、何の話しをしてるのかな?」

綾小路「ん?いや、ここに俺を呼んだというか連れて来た理由は契約の話しなんだろ?」

櫛田「あ、えっと……」

綾小路「今、振り込むと怪しまれるからな。今日の夜にでも……」


んーーー?これは……


清隆くんは私とあの時結んだ契約の事についての話しだと勘違いしてるみたいだね……どうしよっか……


ここは流れに沿って清隆くんの言う通り契約の話しだって事にして放課後まで時間を稼ぐか……


はたまた、正直に違うことを指摘するか……


てゆーか私プライベートポイントの事とか何も言ってないのに勘違いするなんてひどくない?


確かに私に有利で甘い契約条件だったけどさー……大体プライベートポイントだってあんたより実際余裕あんのよ!!!


やっぱり、正直に言って指摘してや……


待って……契約の話し?……それだ!!!


この状況を覆す1つの策が舞い込んだ。


早速私は行動に移した。


櫛田「うん。その事なんだけど……もう一回見直したくて」

綾小路「……今更契約を見直す部分なんて無いと思うがな?……まさか、プライベートポイント振り込まれた分全額寄越せとか言うつもりじゃないだろうな?」

清隆くんは少し眉をひそめて言った。

櫛田「やだなぁ~。そんなつもりはないよ~♪」

……ていうかあんたの頭の中の私のイメージなんなのよ!!!

どうして私が金の亡者みたいな扱いになってるのよ!!!

ったく失礼な奴ね……

だけど……あんたのお陰で誘う口実が見つかったからここは水に流してあげる♪

綾小路「じゃあ、何だ?契約破棄されるのだけは避けたいんだけどな……」

櫛田「安心して!契約の条件をちょっと変えるだけだからさ!」

綾小路「……条件を変える?どういう条件にする気だ?」

さっきよりも明らかに私に対して警戒しているようにみえた……

少し悲しいけど……まぁ、そこは割りきらないとね……

櫛田「待って待って!もうすぐ予鈴も鳴るし、細かく話せないでしょ?それに今、ここで話したら誰かに聞かれるかもしれないし?」

綾小路「まぁな……。」

櫛田「それなら、放課後に少しでいいから時間を貰えないかな……?」

綾小路「……今日の放課後じゃないとダメか?」

櫛田「……出来ればその方が嬉しいけど何か予定でもあるのかな?」

綾小路「今日は放課後に平田と約束をしてるんだが……」

そうだよね……清隆くんは私たちの事情は知らないから先に色んな約束していても不思議じゃないよね?

まさか、平田と約束しているとは思わなかったけど……今日は邪魔ばっか入りやがるな……

はぁ………しょうがないか。

櫛田「………だったら、夜中でもいいから少し時間を貰えない?」

綾小路「それで良いなら……構わない。前と同じで俺の部屋でいいか?」

櫛田「それなんだけど……私の部屋じゃ……ダメかな……//////?」

勇気を振り絞って私は言った//////

そしたら、流石に清隆くんも驚いたようで

綾小路「いや……ちょっと待て。いくらなんでも夜中に女子の部屋に上がり込む訳にはいかないだろ?」

やっぱり、こう言うよね……

多分、夜中だけって理由だけじゃなく、私の部屋に入るのに抵抗があるんだと思う…

警戒してるんだよね……きっと。

それでも私は……

櫛田「清隆くん!お願い。今回だけでいいから……ダメ?」

私はウワメヅカイで一生懸命お願いしてみた。

……清隆くんには今更、カマトトぶっても効かないのは承知の上で。

そしたら、清隆くんは一呼吸置いてから…

綾小路「……分かった。向かう時に連絡する。」

櫛田「え!!!ほ、ほんとに来てくれるの……//////?」

綾小路「あぁ。そう言う大事な話しは早い方がいいからな。……それに他の生徒に気付かれにくい時間の方が色々と動きやすい。」


もっと、色々と警戒すると思っていたからあっさり承諾してくれるとは思っていなかった私は嬉しさ反面、戸惑いを隠せなかった。


まぁ、結局は周りにバレたくないのと先に平田と約束していた事の罪悪感から渋々承諾してくれた感じだろうけど………


櫛田「う、うん……ありがとう//////♪じゃあ、教室戻ろっか♪」

綾小路「……あぁ、そうだな。」

櫛田「あれ~♪どうかしたの?」

綾小路「いや……この状況で教室帰ったら俺は死ぬんだが……」

櫛田「まぁまぁ~♪このまま教室に戻ろ♪」


私は思い切ってまた腕を組んで清隆くんと歩いた。さっきも腕を組んだけど恥ずかしいのは変わらなかった……//////


清隆くんは困ったような顔ををしていたが……意外と振りほどいたりする様子は無かったので、そのまま私たちは腕を組んで教室に戻った。


今日の夜中か………


まぁ、自分の部屋に誘えただけ立派だよね?


それに色々考える時間もあるし、それはそれで丁度いいかも……。



私は前向きに捉えることにした。


私の部屋。


時刻は、23時。


櫛田「んーーー?どっちの方が可愛いかな……」


私は数着ある寝間着を並べながら、どれがいいか悩んでいた………


あーーー早く決めないと清隆くん来ちゃうのに~//////


いつもはこんなことで一々悩んだりしないのにーーー


ちょっと話しをするだけなのは分かってるし、清隆くんもそういうつもりがないのは知ってるけど………


やっぱり少しでも可愛くみられたいじゃん!!!わるい//////?


櫛田「こっちかな?……でも、こっちだと露出有りすぎかなぁ……?いやいやこういう時こそ攻めないとダメだよね//////」


よし……こっちにしよう!!!


私はそれに着替えようとしたら……



コンコン………



ビクッ………


え!!!まさか……もう来たの?


ちょっとちょっと!!!


普通夜中に女の子の部屋に来るならスマホに連絡くらい入れるのがマナーだ……ろ


……ってスマホ確認したら電話もチャットも来てた………しかも二回。


うわぁ~ん//////何やってんのよ私~//////


電話に気付かないくらい寝間着なんかで悩んでいたなんてー


と、と、とにかく急いで着替えて清隆くんを早く迎え入れないと………//////


私は烈火の如く、その寝間着に着替えて玄関に向かった。


ガチャ………


綾小路「桔梗、こんばんは。いきなり来てすまない。何度か連絡入れても返事がないから来てしまったんだが……」

櫛田「はぁ、はぁ……こ、こんばんわ……清隆くん……電話……出れなくてごめんね?」

綾小路「あ、あぁ。何か疲れているようだが大丈夫か……?」

櫛田「あはは……♪大丈夫だよ。さ、入って入って!」

綾小路「それならいいんだが……」


清隆くんはその後、お邪魔します。と私に向かって言いながら、靴を揃えて上がっていった。


も、もう~。心臓に悪いよ~バカー//////


いや、私が気付かなかったのが悪いんだけどさ……


私は清隆くんの後に続いて、部屋に向かう。


あれ?ちょっと待って……。


さっき、急いで着替えたから散乱された服が部屋に残って………


清隆くんダメー//////!!!


清隆くんがドアノブに手を回したところで、私は強引に割り込んで………


櫛田「ちょっ、ちょっと待って!!!清隆くん。今、部屋片付けてくるからここで待ってて//////」

綾小路「あ、あぁ。分かった……」

私はそう伝えてから、部屋に入って散乱された服を急いでしまってから、清隆くんの元に戻った。

どこも変じゃないよね……?

よし!!!

櫛田「もういいよ~清隆くん♪入ったらそこ座って!今、コーヒー用意するから♪」

綾小路「あ、あぁ。やっぱり迷惑だったか……?」

櫛田「え?」

綾小路「いや、桔梗の事だから電話にも気付かないくらい何かに集中してたんじゃないのか?疲れているようにもみえるし、日を改めるか……?」

清隆くんは心配そうに私に問いかけてきた……

い、い、言えない……

清隆くんに少しでも可愛くみられたいから寝間着をどれにするかで悩んでいたから電話に気付かなかったなんて……//////

私はマグカップにコーヒーを淹れて清隆くんの待つテーブルの元へ持っていった。

櫛田「だ、大丈夫だよ?気を遣わせちゃって……ごめんね?コーヒー入ったよ~清隆くん、どうぞ?」

綾小路「そうか。それならいいんだが……コーヒーありがとな?」

櫛田「うん♪」

はぁ~少し落ち着いた。

でも、清隆くんの前でドタバタしちゃって恥ずかしいな……//////

気を紛らわすためコーヒーを飲んでいると……

綾小路「それ暖かそうだな?」

櫛田「ふぇっ//////?な、なんの事?」

綾小路「その服の事だ。モコモコしてるし桔梗らしくて可愛いな。」


い、い、今、清隆くん……可愛いって言ったよね//////?


聞き間違えじゃないよね……?


あの清隆くんが可愛いって言ってくれた可愛いって………//////


ヤバイ……嬉しい……かも//////


ちなみに私が決めた寝間着はピンクの柄のワンピースで生地がモコモコの私の一番お気に入りのやつだ。


櫛田「あ、あ、ありがとう//////♪そう言って貰えると嬉しいな//////♪」

綾小路「それくらい誰でも言うと思うぞ?桔梗になら尚更」

櫛田「お世辞でも何でも嬉しいからいいんだよ~だ//////♪」

綾小路「さてと……場が和んだところで本題に入って貰っていいか?」

櫛田「う、うん……そうだね。」

清隆くんがここに来た理由は私の新たな契約の条件が何なのかを確かめるためだからわざわざここに来たのは分かってるけど……

やっぱり、早く帰りたいんだろうな……

私と一緒に居たくないんだろうな……

そんな気持ちを押し殺して清隆くんに新たな契約の条件を話した。

櫛田「あの時の契約は清隆くんは自分の身を守るために私にプライベートポイント半分を譲渡するって言ったじゃない?」

綾小路「まぁ、大体そうだな。桔梗の持ってる情報を貰う代わりの条件でもあったがな。」

清隆くんはこちらジっと見詰めていた。

櫛田「それでね、私の新たな条件はプライベートポイントじゃなくしてほしいって事なの!」

綾小路「プライベートポイントじゃないなら見返りは何を要求する気だ……?」


これは私にとって最初で最後のチャンス………


私は一呼吸置いてから話しを進めた。


櫛田「私は清隆くんに協力するから……その代わりに今まで私が清隆くん達に行った酷い事を許して欲しいのと私の正体をバラさないで……ってのは虫が良すぎるかな……?」

清隆くんは無表情だったが、驚いたような顔をしているようにみえた。

綾小路「……それは本当の話しか?……悪いが今のところは桔梗の話しは信じがたいことなんだが?」


そりゃあそうだよね………


いきなりこんなの怪しまれるに決まってる……けど


櫛田「……清隆くんが私の言ってることを簡単に信じられないのは分かってる。……それに本音を言えば、私の正体を知っている堀北と清隆くんの存在は邪魔なのはどうあがいても事実だしね……」

綾小路「……そう思っているなら何故俺に手を貸す条件を付けるんだ?」

櫛田「正直な話し仲直りしたかったんだ………」

綾小路「仲直り?」

櫛田「うん。清隆くんはあの時、偶々私の独り言を聞いただけだったし……まぁ、もう清隆くんは私の過去も知っちゃってるけどさ……ずっとこんな風に卒業するまでどっちかが退学するまで争うのはやっぱり嫌だからさ…」

綾小路「………。」

櫛田「それに……清隆くんは私の正体を知っても変わらずに接してくれた……まぁ、私が清隆くんを脅したから仕方なくだったんだろうけど……」

綾小路「………。」

櫛田「今まで、清隆くんを退学に追い込もうとしていた私が許して欲しいなんて言える立場じゃないのは分かってるけど……もう敵じゃないってことを判って欲しいんだ……。」


清隆くんは私の話している最中は終始無言で聞いていた……。


清隆くんは今の私の話しをどう思っているんだろう……?


いつもと変わらない無表情だから感情が読み取りづらいなぁ………


やっぱり、無理かな………


今までの私の行いをみれば、絶対に信じてくれないのは目にみえてる事だから……


まさに『身から出た錆』ってやつだね……


あはは……


どうしてこうなっちゃったんだろうな……


私ってほんとバカ……


綾小路「桔梗の心境の変化は良く分からないが……それは俺にとって大きな利点になりそうだな……。」

櫛田「………え!!!し、信じてくれるの…?」

私は危うく泣きそうになった顔をグッとこらえて清隆くんの方をみた。

綾小路「本当の事を言えば、まだ信頼していいか確証が無いが……少なくとも今、その条件で契約を結べば桔梗が俺の味方になってくれるんだろ?」

櫛田「う、うん。勿論そのつもりだけど……」

綾小路「正直、あの時も言ったと思うがプライベートポイント半分を譲渡する契約は俺にとって厳しかったしな。」

櫛田「まぁ、この学校ではプライベートポイントが多くあった方が色々有利に働くからね……」

やっぱり、プライベートポイント半分は厳しかったんじゃん……

まぁ、そりゃあ当たり前だけど……

綾小路「俺としてもプライベートポイントを譲渡せずに、桔梗の持つ情報は得られる上に退学させられずに済むなら、願ってもない話しだ。」

櫛田「じゃあ……清隆くんは私のこと許してくれるの?」

綾小路「……あぁ。だから、桔梗と新たに契約を結びたい。」

櫛田「清隆くん……ありがとう//////……でも、1つだけ聞かせて?」

綾小路「何だ?」

櫛田「ここまで話しておいてなんだけど、どうしてこんなにあっさりと信じてくれるの?……自分で言っては何だけど裏表の激しい私だからいつ裏切るか分からないよ……?」


私は清隆くんに敢えて直球に聞いてみた。


清隆くんは私に契約の話しをしたときからずっと聞きたかった……


綾小路「……その時はその時だ。それに今、ここで桔梗と新たに契約を結べばすぐには裏切らないと判断した。それだけだ。」


本当にそれだけ……なのかな?


それだけじゃない気がするけど……


でも、ここはあまり多く聞かないでおこう……なんとなくそんな気がするから……


櫛田「そっか……ありがとう。もう深く聞くのは止めとくね。これ以上踏み込んで清隆くんと関係が悪くなるのは嫌だからさ……」

綾小路「礼を言うのはこっちだ。……契約成立ってことでいいか?」

櫛田「うん。改めてよろしくねー♪清隆くん♪」

綾小路「あぁ。よろしく頼む。もうこんな時間か……俺もそろそろ自分の部屋に戻るとする。」

櫛田「そうだね……時間も遅いしね……」

清隆くんはコーヒーご馳走さまと言った後、立ち上がって玄関に向かっていった。

私も清隆くんを見送るために立ち上がった。

もう帰っちゃうのか……まぁ、こんな時間だし、さすがに引き留めるのも悪いよね……?

綾小路「それじゃ、またな。桔梗」

櫛田「うん。また明日ね……」

清隆くんはドアノブに手を掛けようとするところで、ピタッと止まった……

ん?どうしたのかな……?

綾小路「さっきの契約俺にとっては大きいが桔梗にとってはメリットが少ないよな……?代わりと言っては何だが桔梗の願いを聞こうと思うんだが、どうだ?」

清隆くんは靴を履き終わってから、私に聞いてきた。

櫛田「え!!!そんな……大丈夫だよ。許してくれただけで私は……」

綾小路「いや、それじゃ俺の気が済まないからな。俺の出来る範囲なら何でも構わないぞ?」


清隆くんからそんな言葉聞けると思わなかったから驚いたけど……


私のために言ってくれてることは素直に嬉しかった//////


それじゃあ、なにお願いしようかな……


無理強いさせない範囲なら、これしかないよね……?


よし……言ってみるだけならいいよね?


私は一呼吸置いてから願いを伝えた。


櫛田「……それじゃあさ、えっと、また私の部屋に来てくれない//////?今度はもっとゆっくり清隆くんと話したいから……ダメかな//////?」

私は恥ずかしい気持ちが大きかったためうつむきながらそう言った//////

綾小路「……それくらい、いつでも構わないぞ?」

櫛田「え!!!ほ、ほ、本当にいいの//////?」

綾小路「むしろ、そんなんでいいのか?」

櫛田「うん♪全然それでOKだよ//////やったぁ、ありがとう清隆くん//////!」

綾小路「そうか……そんなに溜まっていたのか……まぁ、俺で良ければいつでも構わないからな。」

櫛田「ん……?清隆くん溜まってるとか何の話しかな……?」

綾小路「ん?……いや、俺に溜まっている愚痴を言ってスッキリしたいんだろ?だから俺を部屋に呼ぶんじゃないのか?」


例によってまた、清隆くんは勘違いをしていた………


私は喜びも束の間その場で呆然としていた……


はぁーーーー?


なに言ってんだよーーー!!!


はぁ……。


そりゃあ愚痴はたっぷり溜まってるけどさ~………//////


全く……ここまで来たらいっそ清清しいわね………


櫛田「ぷっ………あはははは♪それじゃ、次はたっぷり付き合って貰うから覚悟しててね~♪」

綾小路「あぁ、覚悟しとくよ……。それじゃ、おやすみ。」

櫛田「うん!おやすみなさい、清隆くん♪」


清隆くんはゆっくりドアを開けてから静かに出ていった。


私は緊張感から解放されて一気に疲れがきたため自分のベッドに飛び込んだ……


時間にしてみれば清隆くんが私の部屋に来てから20分も経ってない気がするけど……


疲れたなぁ……色々と……


でも、今日清隆くんと話せて良かったな…


夜中だったから他の皆みたいに長く過ごせたわけじゃないかもしれないけど……


それでも、今日ようやく私は皆と同じ『スタートライン』に立てた気がするな………


堀北は勿論のこと他の女の子たちに清隆くんを取られたくない!!!


これからはガンガンアピールするつもりでいるから、よろしくね?


覚悟しとけよ?バーカ♪

 
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