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綾小路くんがハーレムを構築する話

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清隆くんのお宅訪問
  清隆くんのお宅訪問 軽井沢編

3月初旬の週明け。


あたし、軽井沢恵は悶々とした気持ちで朝を迎えた。


軽井沢「……あーーーーもう//////!今日、本当に清隆を部屋に呼ぶの//////?………ムリムリムリーーー//////」


開口一番自分の部屋で叫んでいた……


た、確かにあの時1番を引いて凄く嬉しかったけど……//////


いざ自分で誘って清隆を部屋に呼ぶってなると………絶対ムリ!心臓持たないし//////


だ、第一あの清隆があたしの部屋に来るわけないし……
清隆に言ったとしても清隆が目立つからとか何とか理由言われて断られるのがオチじゃない……?


そうよ……そう言うに決まってるんだから!!!


うぅ……言ってて、悲しくなってきた……


軽井沢「で、でもこれって凄いチャンスよね……?皆と同じ条件だから、別にあたしたちの関係は怪しまれないし……」


それにあのメンバーと過ごしているときも清隆から目線で『バレないように頼む』って言われてたから、普段通りに過ごして、一之瀬さんたちにはバレてないはずだから……


っていうか目だけで会話できるのって凄くない?


まるで、長年連れ添った夫婦みたいな……


軽井沢「……ってなに考えてるのよあたしはーーーーー//////!!!これはそういうじゃなくて//////。はぁー……もう学校行かなくちゃいけない時間だから着替えよう…」


着替えながらあたしは考えていた……


他の皆は清隆を部屋に呼ぶのかな……?


もし、そうなら清隆を狙ってるってことだよね……?


実際、清隆を狙ってる女の子は多いと思う……カラオケで歌ってる動画が出回った時も評判だったし……上級生にまで人気が出てきたってあの茶柱先生が言うくらいだし……


っていうか清隆モテてる自覚も自分の魅力に気付いてないのはどういうこと!!!


こっちの身にもなってほしいわね…


でも………


例え沢山ライバルがいたとしても誰にも清隆を渡したくないな……


『結局は自分次第何だから!』………か


やっぱり勇気を出して頑張ってみようかな………ダメ元でも何でもこのチャンスを逃さないようにしなきゃ!!!!


そう決心してあたしは学校に向かった。


AM7:20



ガラッ……



綾小路「……流石に誰もいないか…。」


俺は教室に着いていた。何故俺がこんな朝早くに学校に来たかというと………理由は単純。この時間に来れば目立たず、他の生徒に逢わずに済むからだ……!


俺にとっては朝登校するだけで周りから視線を送られるのは、耐え難いからな……


寮が近くにある点も踏まえて、こんな朝早くに来る生徒は早々いないと思い、暫くはこの時間に登校しよう……と決めていた。


そんな風に思いながら、静まり還った教室の中、自分の席で頬杖をついて座っていたら………




ガラッ……




茶柱「……ん?……綾小路か?随分早くから学校にいるんだな?」

綾小路「……それはこっちのセリフですよ、茶柱先生?」

茶柱「綾小路。そんなことを言う前に先ず、最初に挨拶するのが礼儀じゃないのか?」

綾小路「……おはようございます、茶柱先生。」

茶柱「………ふっ。ああ、おはよう綾小路。」


俺が挨拶をすると、茶柱先生は少し嬉しそうに挨拶を返してきた。

にしても……

まさか、こんな時間に茶柱先生が学校に居るとはな………想定外だった。一体何時に起きてるんだ?この人……


綾小路「……随分早いですね?」

茶柱「これぐらい、教師なら普通の日常だ。前にも話したが、大人は学生とは比べ物にならないくらい忙しい……。」

綾小路「そうですか。大変ですね……大人は。」

茶柱「そういうお前は何故こんな時間に学校に来ている?……確か、お前はいつも予鈴が鳴る30分前くらいに登校していた筈だろ……?」

綾小路「よく知ってますね……。目が覚めてしまったので、たまには早くに来てみようと思っただけですよ。」


俺がそう言った後、茶柱先生はじーっと俺を観ていた……

その後、軽く微笑みながら……


茶柱「……ふっ。そうか…お前は今、大変だからな…」

綾小路「……何が言いたいんですか?」

茶柱「……別に何でもないぞ?綾小路。………ただ、人気者は辛いなって思っただけさ。」

綾小路「………全然嬉しくないので、やめてくれませんか?」

茶柱「全く……可愛げのない生徒だな。」

綾小路「……俺に可愛さ求める方が間違ってると思いますが……?」

茶柱「……ふっ。まぁ、これから大変だとは思うが…頑張れよ?綾小路!」


それだけ言って教室のカーテンを開けた後、茶柱先生は教室から出て行った……。


大変?何の事だ?


今の俺の状況についてなのか………


それともあのメンバーについてなのか……


いや、どっちもか……


これからの事を考えながら、俺は机で頭を抱えて過ごしていた……。


昼休み。



軽井沢「うぅ……緊張してきたな//////。清隆が来る前に深呼吸しておこう……。」


あたしは昼食を軽めに取って、屋上で清隆を待っていた……。


2時限目終わりの休憩時間中にあたしは清隆にバレない程度に視ていた……その時清隆と目が合って清隆が『朝からずっとどうした?何かあったのか?』的な感じで視線を送ってきた。

そんなに朝からずっと清隆に視線を向けていたのか……って思った時は恥ずかしかったけど//////


あたしは目で『昼休みちょっとだけ時間取れない?』ってダメ元で意思表示をしてみたら……


清隆は『屋上で話すか』って感じで目で語ってくれたときはびっくりしたけどね……こっちの意図が通じたんだ……みたいな?



とにかく、深呼吸しよう。


すぅーっ……はぁーっ……すぅーっ……はぁっー…


よし!落ち着いてきた……この調子で……


綾小路「何やってるんだ…?」

軽井沢「ひゃわぁぁぁーーー//////!!!」

綾小路「……ひゃわぁ?大丈夫か?恵。」

軽井沢「あ、あ、あんたって奴はー//////!ていうか、いるならいるって言いなさいよ//////!!!」

綾小路「いや……だから声を掛けただろ?そっちが、急に大きな声で、反応したんじゃないか?」

軽井沢「う………それは…そうだけど。」

綾小路「……どうしたんだ?今日の恵は何か変だぞ?」

あの清隆があたしの事を心配してくれてる………?

いや、これは別の意味で心配してるのか……

軽井沢「……えっとね、清隆にお願いがあるんだけど……。」

綾小路「お願い?」


清隆があたしの事をじーっとが視ていた…


ちょ、ちょ、ちょっと……あんまり見つめないでよーーーーー//////……心臓が///


が、頑張れ!!!あたし!!!


清隆を自分の部屋に誘うんだから……そう誘う……誘う……//////?


軽井沢「……ぷしゅ~//////////」

綾小路「……おい?大丈夫か?顔が真っ赤だぞ?熱があるなら、保健室に行くか?」

軽井沢「……だ、だ、大丈夫だから!少し待って//////!!!」

綾小路「……あぁ。」


何でこう、上手くいかないのよ~…//////


誘うってそういう意味の誘うってことじゃないんだからーーーー//////


せめて、清隆を巧いこと誘導出来れば、苦労ないのに………無理だよね……ん?


誘導………?……はっ。そ、そうだ!!!


これなら、もしかして上手く行くかも……


もう一回、念のため深呼吸して……


すぅーっ……はぁーっ……すぅーっ……はぁーっ…


よし!!!


軽井沢「……あのね。お願いって言うのは…前にさ、一之瀬さんのことについて、後で全部話してくれるって言ってたじゃない?」

綾小路「あぁ、その話しか……。それなら……」

軽井沢「ま、ま、待って!!!」

綾小路「ん?」

軽井沢「あ、えっと……ほら!清隆の事だから、こんな所で話せる内容じゃないんでしょ?」

綾小路「まぁ、そうだな……。」

軽井沢「でしょでしょ?それなら、誰にも聞かれる心配のない所で、落ち着いた場所にしない?」

綾小路「それはそうだが……俺たちの事がバレないようにってなると限られるだろ?そんな都合のいい場所は生憎……」

軽井沢「だ、だからさ……あ、あたしの部屋にしない……//////?」

綾小路「……恵の部屋?」

軽井沢「そ、そう!!!これなら皆にバレないでしょ?」

綾小路「いや、だがな……俺がお前の部屋に行くのは相応のリスクがあるだろ?誰かに見られたりしたら……」

軽井沢「清隆の心配してることには絶対ならないようにするから!!!……ダメ?」

綾小路「………。」


案の定、清隆は悩んでいた……。


慎重且つ冷静に物事を考えてるに違いないんだけど………


清隆には効かないとは思うけど、あたしは上目遣いをして甘えてみた………//////


それでも………


もし、清隆に断られたら………あたしは…


綾小路「………はぁ。しょうがないな………今回だけだぞ?」


やっぱダメだよね………


はぁー………。分かってたけど……


ん???


軽井沢「えーーーーー!!!!!い、いいの……//////?」

綾小路「……本当はリスクの方が大きいが恵に話すと約束していたのに先伸ばしになっていたのは事実だしな……。渡したい物もあるから丁度……」

軽井沢「じゃ、じゃ、じゃあ放課後にあたしの部屋ね♪よろしくー//////」


清隆が何か言い切る前に、あたしは逃げるように屋上を出た……


軽井沢「や、や、やったーーー//////♪あの清隆がこんなにあっさりとお願い聞いてくれるなんて……//////楽しみだな♪」


はぁー………。これで午後の授業頑張れそう!!!
そんなことを思いながら、教室に戻った。


放課後。


あたしは清隆に指定された図書室で、一人で静かに待っていた。


楽しみ過ぎて、午後の授業全然頭に入って来なかったな……。


特別試験が終わるまではあのメンバーと放課後過ごせないのは少し寂しいけど………


でも………皆に平等にチャンスがあるんだから!!!


そんな事を考えてたら、入り口から清隆が入って来るのが見えた。清隆はあたしに近付いて……


綾小路「すまん、待たせたな。」

軽井沢「ううん♪全然♪早く行こ?」


なにこれなにこれーーーーー//////

なんか、彼氏彼女の会話みたい/////

こんなんで、心臓バクバクしてたら、最後まで持たないかも………。


綾小路「もう、ほとんどの生徒が帰ってるのは確認出来たからな。だが……念のため少し離れて歩こう。」

軽井沢「う、うん……。分かった……。」


清隆はそう言うとあたしから10メートルくらい離れた距離から歩き出した………


清隆と隣を歩ける日はまだまだ遠いな……


そんなことを寂しく思いながら、寮の前まで来ると……


綾小路「………恵の部屋は何階だ?」

清隆が後ろから声を掛けてきた。

軽井沢「あ、えっと……11階。」

綾小路「少し用意するものがあるから、先に行って待っててくれ。」

軽井沢「え?あ、うん!分かった。」

綾小路「すぐに向かう。11階に着いたら連絡する。」


清隆はそう言うと、足早にエレベーターに乗っていった。


用意するもの……?


一体何だろう………?


考えても分からないため、取り敢えず、あたしはエレベーターに乗って自分の部屋に向かった。




あたしの部屋にて。



軽井沢「い、いざ来るってなると、緊張するなぁー//////。清隆が来る前にしっかり掃除したし……どこも変じゃないよね?」


あたしは清隆を待っていた。清隆と二人きりになることは今まで、何度もあったけど………


こうやって、清隆を自分の部屋に呼ぶのは初めてだし……//////


でも………


清隆は緊張とかしてないんだろうな………


今日あたしの部屋に来る理由は一之瀬さんのことを教えるためだってのは分かってる……分かってるんだけどさ………


そんなことを思っていると、清隆からチャットで『11階に着いた。』と来たので、あたしは一度部屋を出て、清隆を迎えに行った。



ガチャッ………



綾小路「お邪魔します。」


軽井沢「ど、ど、どうぞ//////」


清隆はあたしの部屋に入る前に辺りを警戒しながら、部屋に入った。


清隆は律儀にあたしに向かって挨拶した後、靴をしっかり揃えて部屋に入ってく。

清隆があたしの部屋に入ってく後ろ姿を見ながらあることに気付いた……

それは………清隆の持つ小さな紙袋。

清隆はさっきと同じ制服のままなんだけど……さっきまで、あの小さな紙袋は持っていなかった……。

あれが、用意するものだったのかな……?


綾小路「随分色んな物があるんだな……」

軽井沢「ふぇっ//////?」

急に清隆に声を掛けられたため、また変な声で、反応してしまった……。

綾小路「如何にも女子の部屋って感じだ。」

清隆にあたしの部屋を観察されてると思ったら、途端に恥ずかしくなり……

軽井沢「ちょ、ちょ、ちょっと!そんなじろじろみるなーーー//////!!!は、早くそこ座って!!!話してくれるんでしょ//////?」

綾小路「別にじろじろ見てないぞ?何でそんなに怒ってるんだ?」

軽井沢「い、いいから、座って//////コーヒー飲むでしょ?淹れるから待ってて!!!その間勝手にあたしの物触ったら怒るからねーーー!!」

綾小路「あ、ああ………分かった。」


あーーーもう!

どうしてあたしはこんな態度取っちゃうのよ~~……可愛くないわね……あたし

それもこれも全部清隆のせい何だから!!

あたしはコーヒーを淹れたマグカップを二人分持ってテーブルに置いた。


綾小路「ありがとう。」

軽井沢「ど、どういたしまして?」

清隆からお礼言われるのは悪くないかも//////

そして、あたしはコーヒーにシュガースティックを入れてスプーンでかき混ぜながら、清隆にその小さな紙袋の事を聞いてみた。

軽井沢「ねぇ。ずっと気になってたんだけど……それ、何が入ってるの?」

綾小路「ああ、これか……。そうだな……全部話し終わってからゆっくり教えてやる。」

憎たらしい言い方に少し腹が立つけど……

いつも通りの清隆だ……って思ったから少し安心した。

軽井沢「あーーーそうですか……。」

綾小路「まぁ、そんなに急かすな。後で教えるから。話しは帆波のことだったな……」

軽井沢「………帆波?あ~そういえば~他の女の子のことも~名前で~呼ぶことに~したんだっけね~仲良くなれて良かったわね~……」

綾小路「……何で怒ってるんだ?」

軽井沢「ふん……別に怒ってないもん!」

綾小路「……いや、怒ってるだろ?」

軽井沢「うるさいうるさ~い//////早く話してよ!清隆のバカ。」

綾小路「まぁ、いい……それじゃ、話すぞ?」


その後、清隆は一之瀬さんをどうやって救ったか事細かに話してくれた。

一之瀬さんが休んでる時に一之瀬さん自身が自らの過去を曝け出すまで、一之瀬さんの部屋に通ったこと……

羨ましいなぁ……一之瀬さん……。

噂話を流したのは清隆と櫛田さんだってこと。櫛田さんの情報の力量を確かめたかったことなど……教えてくれた。

でも………

多分、これは全部教えてくれた訳ではないんだな……ってあたしは分かった。

まだ、清隆は隠してることがあるのかもって……直感で感じた。

ずっと清隆を見てきたからかな……?

それでも、こうやって丁寧に教えてくれた事は嬉しかった。

だから、あえて清隆に質問せずに、あたしは黙って清隆の説明を聞いていた……。


綾小路「……という訳だ。大体こんなところだな。まだ、話して無いこともあるが……それはまた今度にしよう。」

軽井沢「……なるほどねー。あたしも大体分かったけど……」

綾小路「……けど?」

軽井沢「ってことは……清隆が自分自身であたしのこと好きだって流したのよね……//////?」

綾小路「ああ、そうだ。そうすれば、恵と一緒に居た所を見られたとしてもその噂で説明出来る上に被害を受けるのは俺自身だけだしな……いい案だろ?」

軽井沢「いい案だろ?……じゃないわよーーーー//////!!!こっちがどれだけ……」

綾小路「何だ?クラスの奴等に冷やかされでもしたのか?安心しろ。人の噂も75日だからな。」

軽井沢「もう!!!バカーーー!!!知らない//////」


その噂にまんまと踊らされた、あたしは恥ずかしくなって清隆に見られないようにそっぽを向いた//////

もう!こっちの身にもなりなさいよ!!!

乙女心を弄んでおいてーーー//////!!!

清隆のバーーカ//////

心の中で悪態を散々ついてたら、清隆が話し掛けてきた。


綾小路「何に対して怒ってるのか分からないが………これで機嫌直してくれ。」

清隆があたしに渡したのはずっと気になっていた小さな紙袋だった。

軽井沢「……これは?」

綾小路「開けてみろ。」


元々不貞腐れてたあたしは半ばイライラしながら、開けていった。

すると驚くものが………


軽井沢「……!!!!!」

これって……

綾小路「誕生日おめでとう。恵」


紙袋の中に入っていたのは誕生日ケーキとプレゼントだった……


軽井沢「えーーー////////////!!!!!な、何であたしの誕生日知って……?いやいやま、ま、待ってどういうことなのよ//////?清隆ーーー!」

綾小路「何も驚くことしてないだろ?祝って貰ったら祝い返すのが礼儀だ。」

軽井沢「あ、あたしは清隆の誕生日祝ってなんか………あ……!!!もしかして誕生日スタンプのこと?」

綾小路「そうだ。俺はお前に履歴を消せと散々言っておきながら、俺の誕生日を祝ってくれたスタンプを消せないでいたんだ……。」

そう言いながら、清隆はあたしの贈ったスタンプを律儀に見せてきた。

軽井沢「……そ、そうだったの//////?」

綾小路「………ああ。誰かに祝って貰えたのは生まれて初めてだったからな……。」


清隆はいつもの無表情で言ったんだけど……

何だか冷たい哀しそうな目をしている気がした………


軽井沢「……そうだったんだ。……で、でもあたしはこんな風に誕生日祝った訳じゃないし……」

綾小路「他人から見れば、たかが誕生日スタンプで大したことじゃないかも知れない……それでも、俺は嬉しかった。」

軽井沢「………////////////」

綾小路「チャットで生年月日を記載する欄があるだろ?それで恵の誕生日を知ったからな。まぁ、まだ3月8日ではないが……この場を借りて祝わせて貰った次第だ。」

軽井沢「……////////////」

綾小路「……さっきからどうした?ずっと黙ったままだが……?もしかして、誕生日当日じゃないから気に食わなかったか?」

軽井沢「そ、そそ、そういうんじゃなくて……//////嬉しすぎて言葉も出ないって言うか……//////えっと……プレゼント開けていい?」

綾小路「あぁ、どうぞ。」


清隆はあたしのためにわざわざプレゼントまで用意してくれてたの………?


な、な、なんなのよこのサプライズはーーーーー//////


ヤバイヤバイヤバイ~~~////////////


隠しきれない思いを抱えながら綺麗にラッピングされたプレゼントを開けた。


軽井沢「か、可愛い…。」

プレゼントは可愛いくまのイラストの描かれたマグカップだった。

綾小路「一応、俺たちの関係がバレないように自分の部屋で使えるものにしようと思ってな。恵がどういうのが好きなのか分からなかったが……マグカップだったら使いやすいと思ってな。」

軽井沢「本当にいいの……?貰っちゃって……//////」

綾小路「いいも何も、恵のためのプレゼントだからな。当たり前だろ?」

軽井沢「あ、ありがとう//////」

綾小路「気に入ってくれたようで良かった。俺は誕生日プレゼントなんてものを誰かに渡した事なんて無かったからな……」

軽井沢「ふぇっ////////////?そ、そうなの?」

綾小路「ああ。生まれて初めてプレゼントした相手が恵ってことになるな。」

軽井沢「………ぷしゅ~/////////////////」

綾小路「恵?大丈夫か?顔が真っ赤だが……」

軽井沢「だ、だだ、大丈夫だから//////!!!その……大事に使うね//////?」

綾小路「ああ。」

その後、清隆が誕生日プレゼントと一緒に買ってくれたケーキを食べた。

そして、清隆と色んな雑談をして楽しかった。

軽井沢「ごちそうさま♪凄く美味しかったー♪ありがとう清隆♪」

綾小路「そうか。喜んでくれて良かった。………そろそろ帰った方がいいかもな。あまり遅くなると良くないしな。」

軽井沢「う、うん………そうだね…」


もう、帰っちゃうのか………


楽しい時間って本当にあっという間なんだな………


まだ、帰って欲しくないなぁ…


綾小路「それじゃ、またな……恵。」


清隆はあたしにそれだけ言うと、立ち上がって背を向けて玄関にいこうとした……


ま、待って!!!


そして、あたしは思わず………


ギュッ…………


清隆の背中に抱きついていた//////


綾小路「……恵?どうかしたか?」

軽井沢「少しだけこのままでもいい……///////?」

綾小路「ああ、別に構わないが……。」

あたしはその後、清隆の言葉に甘えて少しの間抱きついた。それでも清隆はそのままでいてくれた。

軽井沢「………もう、大丈夫。ありがとう清隆。おやすみ♪」

綾小路「ああ。おやすみ、恵。……まぁ、まだ寝る時間じゃないがな。」

軽井沢「あははは。分かってるわよ!」

綾小路「戸締まりしっかりしとけよ?またな。」



バタン……



清隆が帰ったのを確認してから、あたしは……



軽井沢「……ひゃあああーーー////////////なにやってんのよーーーあたしはーーー//////サプライズで誕生日祝ってくれたのが嬉しくて舞い上がっちゃって//////清隆に帰って欲しくないからってつい勢いで抱きついちゃって……//////」


ベッドの上で盛大に悶えていた………


清隆ズルすぎだよぉ……////////////


あたしが送った誕生日スタンプを大切に取っといたこととか………


初めてプレゼントした相手があたしだとか………


あたしの誕生日を祝ってくれたこととか………


こんなのこんなのーーー………


好きにならないわけないじゃん……////////////


あたしは盛大に悶えながら、清隆から貰ったマグカップを手に取っていた。


軽井沢「………今日は間違いなく人生で一番最高の日だったわね////////////」


あたしはこのマグカップを大切に使おうと決心した。


そして………


いつの日か清隆の隣を歩けるように頑張るから………


覚悟しときなさいよ?清隆。







 
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