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悪魔のカレー

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第二章

「言っておくが俺はどんな甘いものも辛いものも食える」
「カレーならですか」
「伊達にカレーが生きがいじゃないですか」
「だからですか」
「ああ、だから今度行ったらな」
 その店にというのだ、尚店の名前はアグニという。
「裏メニューのカレー食って来るな」
「その時は感想下さい」
「どんなカレーだったか」
「そうして下さいね」
「ああ、待っていろよ」
 部下達に笑顔で応えてだった。
 山中はその日の昼に店に行った、そしてインド風の店のカウンターの中にいるディーヴァにだった。
 決意している顔でだ、こう言った。
「裏メニューにあるっていうな」
「あのカレーをですか」
「実際にあるんだな」
「実は新メニューでまだお品書きに書いてないだけです」
 ディーヴァはカウンターの席の一つに陣取る山中に答えた。
「裏じゃないですよ」
「そうなのか」
「はい、じゃあ地獄カレーをですね」
「それがそのカレーの名前か」
「はい、そうです」
 山中にその通りだと答えた。
「それじゃあ地獄カレーをですね」
「貰おうか」
「わかりました」
 こうやり取りをしてだった。
 山中はそのカレーを前にした、ここでだった。
 他の客達は唸ってだ、口々に言った。
「本当にあったか」
「っていうか裏でもなかったんだな」
「俺達も注文出来るか」
「じゃあ今度注文するか?」
「そうしてみるか」
 こんな話をしていた、そして。
 山中は食べた、その瞬間にだった。
 表情が一変した、驚愕したものになり。
 一瞬で顔が真っ赤になった、そして汗が噴き出る。客達はその彼を見てわかった。
「ああ、名前の通りか」
「地獄か」
「地獄カレーなんだな」
「滅茶苦茶辛いんだな」
「そうなんだな」
「某バルツで言うと百倍です」
 ディーヴァがここで言ってきた。
「そこまでの辛さです」
「百倍か」
「はい、二十倍ではなく」
 それでは済まずというのだ。
「百倍です、黄色い唐辛子とハバネロをです」
「あの辛いっていうか」
「はい、ふんだんにです」
 食べる山中に話した。
「使いました、どうでしょうか」
「俺も色々なカレーを食ってきたが」
 山中は身体全体を真っ赤にし汗を噴き出し続けながら話した。 
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