| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

二匹同時に来たら

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

 夫は家でだ、妻に言った。
「いやあ、今度子供が生まれるけれど」
「それでもね」
「二匹一緒でな」
「本当によかったわね」
「これからもっと大変になるけどな」
 子供が生まれると、というのだ。
「それでもな」
「猫が二匹いるとね」
「最高だ、こんな楽しいことはない」
「退屈しないわ」
「だからな」
「子供が生まれたら」
「今度は三人と二匹でな」
 その家族構成でというのだ。
「仲良くな」
「やっていきましょう」
「ああ、そうだな」
 こう話した、だが。
 子供は男の双子でだ、最早。
「戦場だな」
「ええ、双子とはね」
「夢にも思わなかったな」
「そうね」
 妻も今回はこう言った。
「流石にね」
「ああ、しかしな」
「子供だからね」
「それも俺達のな、だったら」
「大事にしないとな」
「ニャア」
「ウニャア」
 しかもここでだった。 
 猫達が鳴いてご飯を催促してきた、それでだ。
 二人でそちらも用意してだ、食べる彼等を見て言った。
「こっちの面倒もあるし」
「余計に大変ね」
「ああ、しかし見ていると和んでな」
「癒されるしね」
「退屈もしない」
「二匹がいて」
 そうしてというのだ。
「二人もいてな」
「何が不満かっていうと」
「それを感じる暇もない位だな」
「大変だけれど楽しくて」
「退屈しなくてな」
「だからね」
「ああ、四人と二匹で過ごしていこうな」
 こう話してだった。
 一家は四人と二匹で楽しく過ごしていった、それは長く続き夫婦はいつも子供達と猫達のことを話した、彼等がいてくれて本当によかったと。


二匹同時に来たら   完


                    2022・9・26 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧