オズのボームさん
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第一幕その一
オズのボームさん
第一幕 王室歴史編纂室長
神宝達五人が今回もオズの国に来た時にです、エメラルドの都の宮殿に出て来た彼等を最初に迎えたのはトトでした。
トトは宮殿の正門の前に出て来た五人の目の前にいました、そうして五人を見ると嬉しそうに言ってきました。
「君達が今来るって聞いてね」
「それでなんだ」
「ここで待っていてくれたんだ」
「そうなんだ」
「ここで待っていてくれたのね」
「そうなのね」
「そうだよ」
五人の子供達に笑顔で答えました。
「ちょっと今ドロシーは手が離せなくてね」
「だからなんだ」
「そう、だからね」
その為にとです、トトは神宝に答えました。
「今手が空いている僕が迎えに来たんだ」
「そうしてくれたんだね」
「僕は手はないけれどね」
「犬は四本共足だからだね」
「そうだよ、だからね」
そうした身体の仕組みだからだとです、トトは神宝に笑って答えました。
「僕は手がないよ」
「犬はそうだね」
「猫もだね」
「そうそう、人間や猿以外の生きものはね」
「四本足かね」
「鰭になっていたりするね」
「そして鳥は翼だよ」
二本の足にというのです。
「そうなっているよ」
「そこが違うね」
「そうだよ、それでだけれど」
トトは五人にあらためて言ってきました。
「まずは宮殿に入ってね」
「そうしていいんだね」
「今から宮殿の中に入っていんだね」
「君がいいって言ってくれたから」
「そうしてよね」
「今回も宮殿の中で楽しんでいいのね」
「そうだよ、じゃあ入ってね」
こう言ってでした。
トトは五人を宮殿の中に入れました、そうして一緒に宮殿の中を歩きますが神宝は先頭を行くトトに尋ねました。
「ちょっといいかな」
「どうしたのかな」
「ドロシーさんは今手が離せないんだね」
「今宮殿にいる主な人達は皆ね」
トトは神宝に前を歩きつつお顔を向けて答えました。
「ボームさんのお手伝いをしていてね」
「ボームさんっていうとあの」
「そう、ライマン=フランク=ボームさんだよ」
「あの人だね」
「オズの国のお話を最初に外の世界に伝えてくれた人でね」
「王室の歴史編纂室長だね」
「今もその役職にある人だよ」
まさにその人だというのです。
「その人の資料の整頓にね」
「皆でなんだ」
「ボームさんのお手伝いをしていてね」
「忙しいんだね」
「オズの国の歴史も長くてね」
そうしてというのです。
「色々な出来事が起こっているからね」
「記録するべきことが多いんだね」
「もうこの大陸にいる何億もの人達が紡ぎ出しているから」
「凄い歴史なんだね」
「そう、だからね」
その為にというのです。
「その資料もね」
「かなりのものになるんだね」
「王宮の図書館でもね」
そこでもというのです。
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