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八条学園騒動記

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第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその十五

「言われてみれば美学っていうかな」
「弁えてるね」
「無差別じゃないな」
「シリアルキラーでもないな」
「そうだね、博士には美学があってね」
 博士なりの行動原理がというのだ。
「それで童心があるんだ」
「童心?」
 タロはその言葉に首を傾げさせた、焼いてタレに漬けていない肉を食べつつそのうえでそうしたのだ。
「それって」
「子供の心か?」
 ライゾウは漢字からこう考えた。
「それって」
「ライゾウの言う通りだよ」
 野上君はライゾウに答えた。
「まさにね」
「そういうことか」
「そうなんだね」
 ライゾウだけでなくタロも頷いた。
「それでなんだ」
「博士は童心があってか」
「それでなんだ」
「子供の心のままに動いてるか」
「そうだよ、破天荒な人だけれど」
 その名前の通りだ。
「けれどね」
「童心があってか」
「それで動いているんだ」
「そうなんだ、ああしたことがね」
 まさにというのだ。
「博士の面白いところだよ」
「屑とか外道かっていうとな」
「違うよね」
「そういえば連合全体でも嫌われてないな」
「むしろ受け入れられているよ」
「とんでもない迷惑だって言われても」
「それでも博士ならってなってるね」
 二匹もそれはと話した。
「博士なら仕方ないとか」
「一般市民には何もしないからいいとかな」 
 そうした考えになっているというのだ。
「そうした風だな」
「博士については」
「軍隊と戦っても」
 今回の様にだ。
「軍人さん達は殺さないしね」
「兵器や施設は完全に破壊しないしな」
「攻撃はしても」
「それでもな」
「そこまではしないからな」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「受け入れてもらってるね」
「連合にもか」
「この国にも」
「うん、実は人間好きだしね博士」
 そうでもあるというのだ。
「人間を否定したことないね」
「そういえばないな」
「全くね」
「馬鹿にしたこともないな」
「悪口を言ったこともね」
「そうだよ、人間を見てね」 
 そうしてというのだ。 
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