幼馴染み先生

　　　　　　　　　　　　　　　　幼馴染み先生
　高校三年生の宮田邦臣は今教育実習で自分達のクラスに来た茶色がかった髪の毛をポニーテールにしたやや丸めの顔に大きなはっきりとした目とピンクの薄い唇に奇麗な耳を持つ一五四程の背で小柄ながらスタイルのいいボディをグレーのタイトミニのスーツで覆っている彼女を見てだった。
　驚いた、何と彼女は近所の年上の幼馴染みである天野有里であったのだ。
　それで家に帰るとこのことを家で話すと。
　母は一七七程の背ですらりとしていて黒髪をショートにしたきりっとした目と小さな口と高い鼻が卵型の顔にある彼にこう返した。
「知らなかったの？有里ちゃん大学教育学部でよ」
「それでかよ」
「あんたより四つ上だからね」
「それは知ってたけれどさ」
　邦臣にしてもだ。
「まさかな」
「大学生なのは知ってたでしょ」
「けれど教育学部でな」
　それでというのだ。
「教育実習で俺の学校に来るなんて」
「出身校だからね」
　実は邦臣もだからこそその学校を受験したのだ、実は子供の頃から有里に好意を持っていてそれでだったのだ。
「教育実習でもね」
「それで俺のクラスになんだ」
「よかったじゃない、毎日会えるわよ」
　母も知っていて言う。
「何なら告白する？」
「馬鹿、そんなこと出来るかよ」
　邦臣は顔を真っ赤にして否定した、だが。
　翌朝学校に行く時にだ。　
　隣の有里の家から彼女が出て来た、やはりタイトミニのスーツで胸も目立つ。真面目だが色気もあるその服装にだ。
　邦臣は思わず息を飲んだ、その彼に有里は笑って言ってきた。
「おはよう、邦臣君」
「おはよう、姉ちゃん」
　邦臣は子供の頃からの呼び名で応えた。
「今からなんだ」
「学校よ、ただね」　
　ここでだ、有里は。
　少し困った顔になって背の高い彼を見上げてだ、こう告げた。
「学校じゃ教育実習でも先生と生徒でしょ」
「あ、ああ」　
　邦臣もそれはと答えた。
「そうだよ」
「だから一緒に登校するのはね」
「よくないか」
「誤解されるからね。それに学校じゃ先生って呼んでね」　
　邦臣を見上げたままくすりと笑って言った、彼は上目遣いでしかも胸が目立って見える今の彼女にドキリとなっていたが言わなかった。