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レーヴァティン

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第二百六十話 条約を結びその三

「しかしだ」
「それでもな」
「同じ国の中にある国家でもだ」
 英雄はここで連邦国家の話をした、アメリカ等がそうであるが国家が集まって形成されている形の国家である。
「別の国の政治には関われない」
「そうだよな」
「日本でもだ」
 国家連合でないこの国でもというのだ。
「大阪府知事が兵庫県の行政に口出し出来るか」
「そんなこと不可能だな」
「大阪の行政の最高責任者だが」
 大阪府のだ。
「しかしだ」
「兵庫県の行政とは関係がないからな」
「だからだ」
「それは出来ないな」
「助言は明記したが」
 それはというのだ。
「だが意思決定はだ」
「こっちの浮島は帝国政府のものでな」
「あちらは幕府のものだ」
「そうなったな」
「それでやっていく、だが軍隊や警察はな」
「自由に行き来出来る」
「そうだ、そこが違う」
 条約を結ぶ前とはというのだ。
「そうなった」
「そこも大きいな」
「ここまでしないとな」
「魔神には勝てないな」
「そうだ、これから魔神について本格的に調べてだ」
 文献を虱潰しにあたってだ。
「そしてだ」
「神託も伺うな」
「デルフォイや京の御所でな」
「そうしていこうな、さて何者なんだ」
 久志は考える顔で述べた。
「一体」
「それもわかるな」
「相当な力と知性を持っていてな」
「悪意もある」
「そんな奴なのはわかるがな」
「わかっているのはそれだけだ、ではな」
「ああ、あいつの研究と調査もな」
 英雄は鋭い目で久志に話した。
「これからはだ」
「共同でな」
「行っていくとしよう」
「それではな」
 こう話してだった。
 英雄と久志は握手をした、その後で幕府と帝国は国家連合を設立させたことを宣言した。こうしてヴェネツィア条約が発効し二つの浮島は一つになった。
 そしてその夜だった。
 幕府と帝国はパーティーを共催した、そこでは。
「うわ、河豚あるやん」
「そうよ、言ったでしょ」
 奈央は美奈代に笑顔で話した。 
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