レーヴァティン
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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその七
「海の魔神を倒せば」
「我々はその状態のまま治めていく」
「そうしていきましょう」
「条約は魔神を倒してです」
「世界が蘇ろうとも続けていきましょう」
「そうしましょう、しかし」
順一は考える顔になって述べた。
「正直に申し上げますと」
「魔神は何者か」
「まだわからないですし魔神を倒しても」
それでもというのだ。
「果たして本当に世界が蘇るのか」
「そのこともわからないですね」
「実は」
これがというのだ。
「どうも」
「左様ですね」
「一体どうなるのか」
魔神を倒したその時はというのだ。
「まことに」
「そうですね、しかしです」
「ここは伝承を信じるしかないですね」
「魔神を倒せば世界は蘇る」
「世界を石に変えて海の中に沈めた」
「その魔神を倒せばです」
「世界は蘇る」
そうなるとだ、順一は話した。
「海から世界は出て石が元に戻る」
「そうなるので」
「ここはですね」
「その話を信じて」
そうしてとだ、謙二も述べた。
「何はともあれです」
「海の魔神を倒しましょう」
「それしかありません」
「信じるしかない場合もあります」
時にはというのだ。
「信じる者は救われるといいますが」
「どうなるかわからない場合は」
「まさに信じて」
その言われていることをというのだ。
「そうしてです」
「やっていくしかないですね」
「左様ですね」
順一も真剣な顔で頷いた、そうしてだった。
彼はここで紅茶を飲んだ、それで喉を潤すと共に紅茶の味を楽しんだ。ストレートだったのでその味をありのまま楽しめた。
一口飲んでだ、彼はまた言った。
「どうなるは不安でも」
「言われていることしかわかっていないのなら」
「それならですね」
「その言われていることを信じて」
「そうなると思い」
そしてというのだ。
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