麗しのヴァンパイア
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第四百八十二話
第四百八十二話 また京都に赴き
カーミラは使い魔達を連れて再び京都に赴いた、そのうえで服を頼んでいた呉服屋に入ってであった。
着物を着た、その姿を鏡で確認して店の者に話した。
「最高よ」
「有り難うございます、それでは」
「ええ、お金はね」
現金をそのまま出した、そして。
そのうえでだ、こうも言ったのだった。
「予定通りに出来てこの出来とはね」
「時間は守ることがです」
「日本なのね」
「そうですから」
だからだというのだ。
「間に合わせました」
「質を落とさずになのね」
「はい」
まさにというのだ。
「そうさせて頂きました」
「そうなのね」
「しかし代金は」
店の者、その主はカーミラが支払ったその額を見て言った。
「多いですが」
「多い分は謝礼よ」
「そうなのですか」
「いいものを時間通りに作ってもらったね」
カーミラは微笑んで話した。
「私のお礼よ。チップと思ってもらってもいいわ」
「チップですか」
「こちらでは普通だから」
チップを支払うこともというのだ。
「だからね」
「受け取って宜しいのですか」
「私も古い家の者よ」
吸血鬼であることは隠しての言葉だ。
「だからね」
「これもですか」
「受け取ってもらいたいわ」
「そうなのですね」
「ええ、ではいいわね」
「有り難うございます」
見せの主は深々と頭を下げて礼を述べた。
「では受け取って」
「そうしてなのね」
「店の糧とさせて頂きます」
「宜しくね。ではまたね」
カーミラは言った。
「欲しい着物が出来れば」
「ご来店をお待ちしています」
主は恭しく応えてだった。
カーミラに礼儀を述べた、カーミラは着物を買ってそのうえで今田先生と今日子先生のパーティーに赴くのであった。
第四百八十二話 完
2022・6・19
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