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蛇人とリザートマン

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第三章

「それぞれ蜥蜴、蛇から進化したです」
「リザードマンと蛇人はやね」
「歯と口が違い」
「頭の形もやね」
「そして蛇人は進化の中で足を取り戻し前足が手になりましたが」
「その手足もやね」
「戻った中で蜥蜴の足から進化したリザードマンの手足とはです」
 それとはというのだ。
「形が全く同じではです」
「ないんやね」
「はい、骨格を調べますと」
 そうすればというのだ。
「最初から進化したものと退化から戻ったものでは」
「やっぱりちゃうんやね」
「ですから」
「リザードマンと蛇人は」
「違います、胴体にしても」
 手足だけでなくだ。
「蜥蜴と蛇ではちゃいますね」
「そうやね、蜥蜴は足で歩くわ」
「蛇は身体で這います」
「そうするとやっぱりちゃうね」
「骨格までも」
 その段階でというのだ。
「違っています、そしてです」
「その蜥蜴と蛇からそれぞれ進化すると」
「胴体の骨格、また尾もです」
「違ってるんやね」
「ですから骨格を見ますと」
 外見からでなくというのだ。
「違いがわかります」
「そやねんね」
「ですからリザードマンと蛇人はです」
「ちゃうんやね」
「はい、同じ爬虫類から進化した人ですが」
「蜥蜴の足がなくなったのが蛇にしても」
「蜥蜴と蛇もかなり違っていますし」 
 それでというのだ。
「リザードマンと蛇人もです」
「そやねんね、似た様なものと思っても」
「よく調べるとです」
 そうすると、というのだ。
「違うことがです」
「わかるんやね」
「そうかと」
「そやねんね、そう思うと今回のことは」
 綾乃はリーにしみじみとした顔で述べた。
「うちもええ勉強になったわ」
「そうなりましたか」
「ほんまにな」
「そうですか」
「同じ様なもの、似たものと思ってよ」
「よく調べるとですね」
「ちゃう部分が多いってな」 
 そのことがというのだ。
「わかったわ、そしてこれは生きもののものだけやなくて」
「そうです、あらゆることでもです」
「そうやね」
「起きた世界でもそうですし」
「この世界でもやね」
「同じです」
「そういうことやね」 
 綾乃はリーににこりと笑って応えた、そうしてだった。
 彼と共に政務にあたった、ふと思ったことから彼女が学んだことは多かった。夢の世界での一幕であった。


蛇人とリザードマン   完


                 2022・2・12 
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