ハッピークローバー
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第三十三話 夏が近付いてその五
「それじゃあ」
「そうでしょ」
「口で偉そうなこと言っても」
「口だけでしょ」
「そう思うわね」
「ええ」
実際にと答えた。
「それだとね」
「そういうことよ、出すべき時はね」
「お金は出さないと駄目ね」
「こうした時何も言わないですっと出す」
「それがいいのね」
「何も出さない人は」
そうした輩はというのだ。
「もうそこで見切られるわよ」
「口だけの人って」
「それで終わりよ、確かな人はむしろ何も言わないで」
そうしてというのだ。
「出すべき時に必要なだけね」
「お金を出すのね」
「そうするものよ、それが出来る人にね」
「なることね」
「口だけ偉そうで自分がこの世で一番偉いと勘違いしていて」
母はバツの悪い顔で話した。
「その癖何も持ってなくて何も出来なくて図々しくてね」
「しかもケチだと」
「評価低いわね」
「最低と言っていいわね」
「そうした人は格好いいと思っても」
自分でそう思ってもというのだ。
「それは主観でね」
「自分だけが思っていて」
「周りはね」
「そうは思わないわね」
「これは駄目だってね」
その様にというのだ。
「お母さんが今話している様にね」
「思うのね」
「思われるのよ」
その輩を主に置いて考えるとそうなるというのだ。
「それで恰好悪い人ともね」
「思われるのね」
「お金一つでね」
その使い方でというのだ。
「見切られるのよ」
「そう思うと怖いわね」
「というか借金はしないでね」
「使う時は使うね」
「無駄遣いはしないでね」
「その三つね」
「そう、この三つを頭の中に入れて」
そうしてというのだ。
「やっていったらね」
「いいのね」
「そうよ、あと今自分がこの世で一番偉いと思っていて」
「ケチな人は」
「これが最低な人だったのよ」
「ケチなだけじゃなくて」
「不平不満ばかりで恩知らずで感謝もしなくて何も出来なくてね」
娘に嫌そうに話した。
「無神経で遠慮もなくてね」
「図々しかったのね」
「人のお家に今日行くって言って上がり込んでご飯何杯も遠慮なく食べてね」
「確かに図々しいわね」
「お風呂に入って寝て朝ご飯も沢山食べてね」
そうしてというのだ。
「平気で帰ってね、働きもしないで」
「さっき言っていた人?」
「そうよ、借金までしたのよ」
「人にはお金使わないで」
「それで自分はサラ金に手を出して」
娘に嫌そうな顔で話していった。
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